ごめんなさい
村から王都に続く街道に二階立ての宿屋があった。
街道もあり宿屋の周りには魔物避けのシードも配置されており安全に休める場所だ。「朝から食事してないし少しここで休もう。」
昼前になっておりリアもクライスもさっきからお腹が鳴っていた。
宿屋に入る前にリアは立ち止まり、クライスのジャケットの裾を掴んだ。
「どうした?」
「あの、昨日は話も聞かず攻撃してごめんなさい。しかも、先生達を助けてくれたのに。ごめんなさい。」
リアはクライスに謝りたかった。
知らなかったとはいえ、敵だと思い倒そうとしていた事を謝りたかった。
(クライスが変に茶化す?くっつくから中々謝れなかったけど、伝わったかな?)
「あぁ、別に気にしてないし、俺も目的が達成できたから、」
クライスは嫌な顔ひとつせずに優しく言った。
「おいで」
クライスはスッと手を差し出してきた。
(クライスは優しい。)
(でも女の子慣れしてる!?)
(でも…私が悪かったんだからこれは断れないよね。)
リアはいろんな意味で複雑なのか手を出す勇気がいるのかそんな事を考えながらクライスの差し出した手にのせた。
クライスはそのまま手を握り二人で宿屋に入った。




