温泉は一つです
この別荘には王族専用の温泉があり、食事の後は、ゆっくり温泉に行く予定だ。
部屋に帰るとクライスが温泉に誘って来た。
「この別荘の温泉は誰も来ないから、ゆっくり出来るよ。一緒に行こうか?」
「楽しみです。」
リアはクライスに連れられて温泉に行った。
温泉に行くと、温泉が一つしかない為、リアは不思議に思い、服を脱ぎ始めたクライスに聞いた。
「私はどこの温泉に入ったらいいですか?」
「ここの温泉だよ。俺と一緒は嫌なの?」
(!?、一緒に!?無理に決まってる!?)
「無理です!?クライスが出たら入ります!」
リアは慌てて、出ようとすると、クライスは逃がさないように捕まえ、リアの耳元で話しかけた。
「俺が脱がす?それとも、このまま一緒に入る?どっちがいい?」
(〰️ど、どっちも無理!?)
クライスは色っぽく勝ち誇ったような顔で迫ってくるが、リアは真っ赤になり爆発しそうだった。
クライスの力は強く逃げられないと覚悟を決め、リアは入る事にした。
「さっ、先に入って待っててください。ずっと、向こうを向いててください!」
「逃げないでね。」
と、クライスは言い残し、温泉に入った。
温泉は露天風呂になっており、風呂の周りには沢山の花が植えられていた。
クライスはリアに言われた通り入り口と反対側を向いており今か今かと待っていた。
風呂の入り口にはドアがない為、柱の陰からバスタオルで体を隠したリアが、クライスが見てないか確認していた。
「リア、まだか?迎えに行こうか?」
「だ、ダメ!」
クライスはリアが恥じらう姿が可愛いてたまらなかった。
意を決し、露天へと向かい入った。
少し熱かったが、リアの頭はそれどころではなかった。
(恥ずかしすぎる!?一緒にお風呂入るなんて!?)
二人は背中合わせに座って入っていたが、急に、クライスの方から、ジャバッと音がして、とっさにリアは身構えるように体を丸くした。
「ここに植えてある花は風呂に入れる為の花なんだ。」
すると、頭の上から花が降ってきた。
思わず両手で花を取ろうとすると、クライスが後ろから抱きしめてきた。
「ク、クライス、ダメです!」
「せっかくの温泉だ、こうしてたい。」
リアは結局クライスに流され二人で温泉を楽しんだ。




