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のじゃロリ!婚活始めました!  作者: シルヴィア・紫の夜明け
第零章 婚活を始める前に!
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第三話 身だしなみを整えます!弐

 身だしなみの心がけは主に二点で構成されている。


 一つ目は容姿である。容姿は二十代を過ぎると変えられるものと変えられないものの二点に分かれるが、ここでは深堀はしない。どうしても後者を変えたければ体にメスを入れなければならない。

 そして天狐は髪を整えた。これは前者である。


 二つ目は衣類やファッションを、時と所と場合に合わせる事である。これが出来なければどうしても周囲になじめず浮いてしまうだけである。この傾向は日本の社会に顕著に表れてしまう。

 これによる婚活の失敗は少なくないと言ってもおかしくはないだろう。この失敗を単純爽快に言葉で表すならば、高望みである。文章であれば、顔も体系も能力も一般的な女性が、顔身長年収が高いと言われる男性を望み続ける事である。人間の好みはある程度平等である。バランス的なこれを理解できないと他人と付き合う事さへも難しくなる。能力が高い人は自身とは違う能力が高い人を求めることが多い。これは釣り合っている。しかし先程の女性の例だが、彼女自身が努力をしてどれかを変えない限り成功を成しえる事は出来ないと言える。

 やはり簡単に婚活を終えるには高望みを捨て、自身の好みを明白にして釣り合っている人の中から好みで選ぶことだろう。

 しかしながら若い世代は婚活を行わないので、知り合いに合コンをセッティングしてもらうか、出会い系アプリを使った方が安くつくだろう。ただサブスクリプション型の出会い系アプリは三ヶ月に一回高額請求を電話代から引き落とすので気を付けてもらいたい。


 二つ目を天狐は容易くクリアに出来ているであろう。神様な彼女が人間を番に望むことは及ばぬ鯉の滝登りとは言えないからだ。ただ低すぎるのではないかとも思われる。

 しかし彼女が今の和服のまま婚活会場に向かったら間違いなく婚活は失敗に終わるだろう。

 清潔感だけあっても相手からは寄ってこない。こちらから寄っても後退りをされるだけである。

 これも単純なことで、夏には夏の服装を冬には冬の服装を、と、白以外の原色の服を上衣に着ない事、を気を付ければいい。


「のう、婚活用の服は何処で買えばいいのじゃ?」

 天狐の問いかけに美容師が答える。

「しまうまむらで揃いますよ。良ければ見繕いましょうか?」

「いいのか? では宜しく頼むのじゃ」

 おばあちゃんっこの美容師は、天狐様が婚活で恥を被ったと知ったら何を言われるのか分からなかった。それだけじゃなく美容師本人も天狐の事を好ましく思っているのだった。まるで年上の妹の様な感じがして。美容師は午後から半休を入れた。


「まずは無難にこれですね」

 美容師は明度が高いベージュ系のボウタイが付いているブラウスと、ベージュのフレアスカートを進めた。

 天狐が試着しても、明るく見え話しかけやすい雰囲気となった。二点購入決定。

「体系が隠れる服は基本的にNGなので気を付けてください」

 美容師が大き目のワンピースを手に取った天狐に助言した。

「そうなのかえ?」

「はい。妊娠してると思われたりするので、どうしても着たいならベルト等を使いましょう」


 天狐は美容師にアドバイスを貰いながらどんどんと買い物籠に服を入れていく。

 オフショルブラウスと組み合わせる用のデニムとサンダル。これはカットソーブラウスとも組み合わせても良い。

 明度が低いノースリーブブラウスと、スカートとガウチョが組み合わさったスカーチョ。スカーチョのひらっとしているデザインは好感を持たれやすい。

 ブラウスとワイドパンツの色を白で揃えても良かったが、天狐の容姿には合わなかった。

 シフォン素材のスカートと淡いピンクのブラウスで服の見繕いは終わった。


 お次は靴である。

 夏や冬だったら、サンダルやブーツは有りなのだが、まだその時期ではないので、美容師は天狐の足にパンプスを当てはめていく。

 ピンク、紺、ベージュをメインに探した。

 天狐はパンプス初心者なので、身長はカバーできないが、ローヒールの物を選んだ。

 足が痛いからと言って素足になってしまわない為の策である。

 このご時世、パンプス否定派で溢れているので、足をかばったインヒールの様な物がたくさん出ている。

 美容師は瞬く間かもしれないが、天狐に女性を楽しんでもらいたかった。


「今日は助かったのじゃ。それにしてもこのしまうまむらは凄いのう。これだけ買って諭吉一枚とは」

「それは良かったです。婚活当日、コーディネートを手伝いますのでお店に訪ねてきてください」

「そこまでしてもらって悪いのう、助かるのじゃ」


 美容師はまだ知らない、今年の祖母の田んぼに狐が走り豊作になることを。

狐が走るは造語です。ただ豊穣の化身が畑に現れると豊作になるという逸話が世界各地に溢れているので、その意図で宜しくお願いするのじゃ。

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