第1話 分岐点は唐突に
はじめまして、寺宮ユーです。
初投稿なので誤字脱字あるかと思いますが読んでいただければ幸いです。
木が生い茂る森の中、一匹の白いウサギが走っている。僕はウサギに狙いをさだめると一本の矢を放つ。それはウサギに吸い込まれるように突き刺さる。
「よし、今日の夕飯ゲットだ」
僕はウサギを袋に入れ家に帰る。
僕には可愛い妹がいる。名前はアリス。碧眼で銀髪ロング。料理が得意で
いつも彼女がご飯を作っており、今日の夕飯も彼女が作ってくれる。
彼女はもともと王族でわけあって今は僕と二人で生活をしている。
「ただいま」
「おかえりなさい、シオンお兄ちゃん」
家に帰るとアリスが出迎えてくれた。
「今日はエンジェルラビットを捕まえて来たよ」
「エンジェルラビット?よく捕まえられたね」
そんなやりとりをしながら家の中に入る。
今日の夕飯はアリスお手製のシチューだ。かなり気合いがはいっているのか
エンジェルラビットの肉や近くの森で手に入る野菜がこれでもかと言わんばかりに入っている。
「「いただきます」」
アリスが作ったご飯はいつも美味しいが今日のシチューは特に美味しい。
「美味しい?お兄ちゃん」
「うん、とても美味しいよ」
アリスはよかったといって笑う。
「「ごちそうさま」」
僕たちは食事を終え、アリスは食器を洗いに行った。
「アリス、先にお風呂入るよ」
うん、と返事が返ってきたので僕はお風呂に入ることにした。
「やっぱりお風呂は気持ちいいな」
自然と僕の口から言葉がでてくる。お風呂は少し熱い方がいいと思うが
アリスは熱いのが苦手なのでいつもは少しぬるい。しかし、今日は僕が先に入るのでお湯は熱い。
僕が入った後にアリスのでお湯は少し冷めるだろうと思ったからだ。
最近はアリスの後に入っていたから少しぬるかったんだよな、とか今日のシチューは美味しかったなあ
と考えていると久しぶりの熱いお湯だったので少しのぼせてしまった。
お風呂から出たことをアリスに伝えようとアリスがいるであろうリビングに行くと
いつも明るく笑っているアリスの表情が暗い。
「アリス、どうしたの?そんな暗い顔して」
僕がそう話しかけるとアリスは少し間をおいて答えた。
「、、あのね、、、畑が荒らされてたの」
「え?」
「だから、畑が荒らされてたの」
畑が荒らされてた、それはすなわち僕たちが死ぬということを意味している。
畑があるおかげで食料が手に入るのでそれがなくなるということは僕たちは死ぬということだ。
森で動物を捕まえられなくはないが三日に一匹が精一杯だ。
「お兄ちゃんがお風呂に入っているのが長かったから明日の朝ご飯をとってこようとしたら荒らされてたの。たぶんモンスターの仕業だと思う」
「モンスター?どうしてこんなところにいるんだろう」
僕たちは五年前にここに来たがこのあたりには今までモンスターが現れたことはない。
そのおかげで森にはそこそこ動物がいたし、僕たちは平和に暮らすことができた。
しかし、僕たちは戦うことができないためモンスターに襲撃されれば死んでしまうだろう。
重い空気が僕たちを包むなか先に口を開いたのはアリスだった。
「お兄ちゃん、王都に行ってみない?」
「王都に?」
「王都ならモンスターに襲われる心配もないし住む所もあると思うんだ」
確かに王都に行けば安全だし、住む所もどこかにはあるだろう。しかし、
「お金はどうするの?あっちはここと違って食料や家を手に入れるにはお金が必要だよ」
「それは、、、でもここにいてもこのままじゃ死んじゃうんだよ!」
このままじゃ死んでしまう。しかし、王都へ行ってもお金がないからなにもできない。
さて、どうしたものか。
読んでいただきありがとうございました。
週に1~3話くらいのゆっくりとしたペースでアップしようと考えています。(本当は毎日投稿したいですが)
それでは、また次話にてお会いできると幸いです。