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おばあちゃん(28)は自由です、ヨ?  作者: 美緒
プロローグ的な物
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07 チートですヨ

そろそろ終わるプロローグ的な物。本日は2話更新。1話目。

「し、死ぬかと思った……」


 断崖絶壁の真横に座り込み、あたしはホッと息を吐いた。マジで死ぬかと思ったよ。


 助かった理由は単純だった。

 崖から落ちてあたしが焦っている最中、あたしの持つチートなアイテム達は、チートの名に恥じない働きを見せたのだ。


 まずマント。突然、パラシュートの様に膨れ上がり、風を受けて落下速度を緩やかにした。着陸した途端、風になびくように後ろへ流れ、そのまま元に戻った。

 ワンピ。マントと同じく形を変え、風の抵抗を少なくする為か、体にフィットするサロペット状の物になった。と思ったら、飛膜!? え!? モモンガ? ムササビッ!? 何故そこに行く!? パラシュート擬きがあるのに!? 今は元のワンピに戻っている。

 ブーツ。突然羽が生え、バランスを取るかのように羽ばたいた。今は普通のブーツ。

 トキ。ショルダータイプだったのがリュックタイプに変わり、あたしの前に袋をセットすると、衝撃に備えるかの様に空気を含み膨れ上がった。まさかエアバックのつもり!? 今はまたショルダータイプに戻り、普通のバックに擬態(?)している。

 マチ。杖だった筈なのに、急に二つの輪っかになったかと思うとあたしの両腕に一つずつはまり、ピッタリとした小手の様な物に。――いや、『サイズは持ち主に合わせ使いやすいよう変化する』って書かれていたからサイズが変わるのは理解できるけど、形状変化とかもありなの!? ――で、勝手に魔力展開した上、衝撃波発射。あたしが落ちるであろう場所から障害物排除。ただし、あたしにその衝撃は全くなし。どうなってんの!? その後、杖に戻った。


 そんな更地のど真ん中に、あたしはゆっくり着地した。そう、ゆっくり……。

 何がどう作用してこうなったのか全く分からないが、我がアイテム達は、あたしに衝撃がこない様、細心の注意を払ってくれたようだ。ホントにチート過ぎでしょ。


 どうも、あのホコリ溜まりから連れ出してくれたのを喜んでいるらしく、アイテム達は全て協力的。と言っても、意思がはっきりある訳じゃないらしい。ただ、日本で言う『付喪神(つくもがみ)』っぽい物になりつつあるとか。


 高性能アイテムが長い年月を経て神か精霊が付く、か……。よくある事なの? あ、ないんだ。

 うん? 魔力の強い人間に引き寄せられた精霊が漸く使って貰えるというアイテムの喜びに惹かれ宿った? それもよくある事なの? あ、やっぱないんだ。

 外見おばあちゃんな魔力は結構高いって事なのかな? あ、それも分かんないんだ。まあいいや。

 取り敢えず。


「助かったぁ~~~~~~」


 本っ気で安堵した。もうこんなトラブルは要らんよ。


 ……マル……タブレットに『……』表示やめいっ!! あんた、ほんとに意思ないの!?

 え? ヘルプ機能と融合したから単純な会話が可能?

 ……嘘つくなっ! あんた、結構最初の頃から会話らしいものしてたでしょ! こらっ! タブレット消して誤魔化すな!!


 全く……何なの、このチート軍団。使用者&所有者があたしで大丈夫か?

 って、また出たマルタブレット。

 は? 逆にその方が良い? 楽しいから?


 ……あたしは楽しくないわっ!!!


 はぁ……。

 あたしは改めてマルが頭の中で表示するマップを見る。とんでもないショートカットをした所為か、隣国の端にある町だか村がマップの端の方にかろうじて書かれている。

 その町だか村までどのくらいの距離があるの? あ、あたしの足で歩いて2時間から3時間? 結構あるね。

 うん? 山って獣とか魔物が多く、時々エサを求めてとか散歩――え? 散歩するの? ――で出てくるから離れた所に集落を作っている? ……へぇ、そうなんだ。


 まあ、良いや。少し休んでから行こう。

 流石に、身体的にはそうでもないけど、精神的に疲れたよ……。


 あ、休憩時間無駄にするのも何だよね。

 どうせだから、今後どうすれば良いか教えて、マル。





 ちゃんと働けっ!!!

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