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おばあちゃん(28)は自由です、ヨ?  作者: 美緒
プロローグ的な物
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04 準備万端ですヨ

まだプロローグ的な何か。本日は1話のみ。

 タブレット状の何かという事は、タッチできるんだろうとタップしてみる。


『時空神の贈り物』を手に入れた!


 うん! やっぱりマップ、遊んでるだろ!?

 何、マップって意志があるの!?

 って、手に入れると同時に、コンパクトサイズな黒いリュックになってあたしの背中に張り付くな! 勝手に手を通そうとするな!


『マップ』は『ヘルプ』と融合し、進化した!


 おーーーーーーいっ!!!

 ヘルプって何? え? さっきの説明表示? 進化したらどうなるっての。うん? 任意で同時表示?


 ……あれ?

 ちょっ! 進化の方が後回し!? それ可笑しいでしょ!? しかも、勝手に表示されたんだから、任意もくそもあるかっ!!

 と言ってるうちに、リュックがショルダータイプに変わって斜め掛けに。『時空神の贈り物』にこそ意志あるの!?


 ダメだ。ツッコミが追い付かないよ!?

 このままだと、この国にマップとヘルプ――面倒だ、マルとでも呼ぼう――マルへの対応だけで足止め食らう!?

 うん、それはイヤ。それだけは勘弁。

 取り敢えず、ツッコミとかは後でまとめてやるとして、必要そうな準備を済ませよう。

 マル! 次に必要な物カモン!


 という訳で。『時空神の贈り物』に必要な物を詰めつめ。

 まずは、無造作に置いてあった樽。中身は非常食だった。味はまあまあ。マルの指示の下、3樽くらいキープ。近付いて、これを持っていこうと思うと『時空神の贈り物』――やっぱり面倒だからそのまま『トキ』と呼ぼう――が勝手に口を開いて物を吸い込んでいく……こわっ……。あのでかい樽が簡単に収納されてしまった。

 ついでに、下の瓶は回復アイテムらしい。そんなモノもあるのね……。これはごそっと持っていけという事なのでトキに収納数は任せた。

 ……そんなに誰が使うんだろう……。


 次は装備。でも、剣とか盾とかあってもあたし使えないし? 鎧なんかも無理無理。

 そんなあたしの為にマルがチョイスしたのは、シックな茶系のフード付きマント、紺色でアンクル丈のロングスリーブ……ドレス? ワンピ? 袖部分が肌の透けないレースになってるのがちょっと上品。……あの男衆が着ていた趣味の悪い古めかしいデザインの服は何なんだと思える。

 それから、ウエストゴムではなく、細い紐で縛るタイプの短パン型ペチコート――誰が着てたんだろう――と素材不明だけど、柔らかい茶系のハーフブーツ……等のセットを色違いとかでいくつか。しかも全部、体温調整、形状記憶、自動浄化、サイズ調整機能付きというトンデモない物。何でこんなものがここにあるの……。いや、宝物庫だろうから良いのか?

 一応、服はとっとと着替えた。あたしの元の世界の服装、この世界――というより、あのメンツを考えると浮くだろうし。……あれが標準だとは思いたくないけど。あたしの服はトキの中。


 後はホント、何でこんな物がここに? というくらい、宝物庫だろう場所には不釣り合いな物が奥にあった。タオルとか石鹸とか? これもしかしてリンスインシャンプー? 化粧品? ブラシ……テントはまだいいけど、調理器具セットに寝具セット……もう、何も言うまい……。

 この部屋で暫くは生活できるね……。


 さて! 気を取り直してっと。

 慰謝料というか迷惑料なんだから、ここにあるお金貰っても良いよね!

 犯罪? いやいやいや。犯罪者はあいつら! 誘拐犯だから! 拉致監禁をナチュラルに暴力によって強要しようとした奴らだから! 今後の犯罪を防ぐ為にも痛い目を見た方が良いんだって!

 それでマル。どのくらい持っていこう?


 ……うん、あたしが悪かったから……


 金貨全部をピッカピカに点滅させないで!?  カーソルを複数出して、存在主張しないで!?


 いや、確かにね? あいつらの事を考えると、全部貰っても良い気がするよ?

 でもね。元の世界で納税なんかをしていた身としては、これって国民の血税であると予想が付いちゃう訳だよ。

 あいつらが苦労する分には問題ないけど、一応、見知らぬ人達にそのしわ寄せが行くのは避けたい訳。あいつらの事だから、自分達が遣った事は棚上げし、あたしを悪者にして全ての罪を着せてきそうだから嫌なんだよね。余計な恨みを買うのは今後、面倒な事になりそうだからパス!


 ……ん? でもそうすると……金貨持っていった時点でアウトになりかねないかな?

 どうにかできないか……ああ、そうだ。

 あいつらが、自分の為にお金を使おうとするとそのお金があたしに流れ、国の為というか、国民の為に使おうとすると使える、後は無理な増税とかしてお金作るのは不可能――みたいな事はできないかなぁ……。

 え? マルは無理? そっかぁ……って、へ? あたしなら可能? そう望め?


 ――それで良いのか!?


 あ、良いんだ。じゃあ、それでいこう。


 そんな訳で、国民が困らない程度に金貨をゴソッと貰い、最後、平積み書籍。

 マルの希望で、どうもあたしにしか見えないタブレット状の物を書籍の上にかざすと――。


 うっわー……本が次々にタブレットに吸い込まれていく……シュールだ……。


 これは、マルの知識に変換されるらしい。

 現在のマルには、基本的な情報しか入ってないから、旅をするにしても生活をするにしても知識が足りないんだってさ。

 こうして書籍を吸収する事によって知識が増し、あたしの力によりなれるらしい。


 うんもういいや。任せた……。

里子よりマルの方が性格悪い不思議……。

全部はパスしたのだってある程度自分の為な筈なのに、マルに持っていかれたぁ(笑)

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