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20 ちょろインだヨ

 尻尾をゆっくり、大きく振って、あたしをジッと見てくるネス。うん、許可貰ったから早速呼んでみた。って、そんな事よりも。

 ネスはユキヒョウの獣人。ユキヒョウは猫科。もし猫科の習性があるなら、この行動って……甘えだよね? しかも、信頼しているが故の甘え。飼い猫によく見られる行動。


 あっれ~? ホント、どうしてこうなった?


 仲間認定されているだけでもビックリなのに、信頼?

 まさか、魔法を教える事にしたから? お願い聞いたから? それだけで信頼する?

 もしそうなら……それってさー……


 どこのちょろインだよっ!? 

 ギャルゲーも乙女ゲーもビックリなちょろインだよ!? ちょろ過ぎだよ!!


 やっば……もしこれが物語になんてなった日には、ヒロインポジは確実にネスのものだわ。

 え? じゃあ、あたしってば何? ヒロインポジじゃないなら、ヒーロー? いやないか。

 じゃあ、主人公? うげっ、絶対イヤ。選べるならモブでいい。いや、モブ希望!

 ん? モブって何かって? えーと……物語を彩る主役とか主要な登場人物の背後に埋もれているその他大勢の事。群衆。背景。街ですれ違う名も知らぬ存在。

 は? あたしじゃモブは無理? どうしてよ!!

 ……アクが強くて埋もれない? あんたにだけは言われたくないっ!!!

 え? マルやトキにツッコミ入れる時点で普通じゃない?


 うぐっ……いたいとこを……昨日からツッコミ入れまくっている自覚あるから尚更イタタだよ……。


 で、でも! ツッコミ入れなきゃやってらんないでしょ! あんたら、揃いも揃って変だし! 普通じゃないし! って、あーーーーーー!? どっちも似た様な意味だぁ……。

 やばいヤバイやっばーいっ! 昨日からあたし、思考がバカになってない? 語彙力低下が顕著だよ!?

 はっ! まさか、召喚された時におばあちゃんになっちゃっただけじゃなく、脳内いじられて覚えていた事を奪われちゃったとかっ!?


『それは有り得ない』って……マルあんた……あたしにダメージきそうなツッコミ早過ぎ……。

 やっぱ、あんた、性格、悪いっ!!!


 え? あ……。

 マルにまたまたツッコミ入れられて思い出した。ネス、放置中……。


 ちらっとネスを見上げてみると、視線が合わない。

 顔は俯き気味、耳と尻尾も下がってる……時々、あたしをチラッと見る。

 それって……完全に、猫の仕草……。

 えっと……構ってもらえなくて悲しいとか? しょんぼりとか?


 ……ネス、あんた……26にもなってそれってどうなの……。

 マジこれヒロインだよ。ちょろインだよ……。

 この世に物語の様なちょろインなんてマジでいる訳ないって思っていたけど……妙な所で会っちゃったよ。しかも、暫く行動を一緒にする事になっているって……どんな苦行だ。


 え? 猫好きなら嬉しいだろうって?

 何言ってるの! 猫はね、ツンデレ最高なのっ!!

 ツンの部分と、デレが共存してるの! デレッデレな子もいるけど、ツンツンな子もいるけど、でもね! どこかにツンもデレあるのっ! デレしか見てないネスは半人前――じゃなくて、半端? いやいやいや。えーと……。

 と、とにかく!

 デレちょろインも可愛いんだろうけど、あたしはツンデレ推奨!


 は? ツンデレって何……だと!?

 ……な、何だろ……このカルチャーショックは……。これがジェネレーションギャップ? いや違う。ここ異世界だ。世代差じゃない。じゃあ、異世界ギャップ? 言葉へーん!

 そういえば以前、会社にインターンシップだか職場見学だかに来た2人の学生に色々説明してた時、どんな流れかは忘れたけど、「ファイ○ルア○サー?」と聞いた事がある。

 1人の学生に、「は?」と言われた時のあの衝撃っ!

 えっ? これって古い? もう、十代の子――だった筈――には通じないの!?

 もう1人の子が、「ファ○ナルアン○ーです!」と答えてくれなかったら立ち直れなかったかも……。

 その後、話を聞くと、1人の子はテレビってドラマが主でバラエティー系はほとんど見ない子だった事が発覚。よかった……。あたし、自分の年齢サバ読んでるとか思われるかと……。


 妙な事を思い出し、二重にダメージを食らってしまったが――ツンデレとはっ!

 普段はツンと澄ました態度を取っているが、好意を持っているとか、特定の人物に対してデレデレとした態度を取る、崇高な萌え要素なのだー!

 え? それを崇高と言うな? 萌え要素って何? ……も、いや。話し通じない異世界ヘルプって。説明するのもめんどーだから、言葉のニュアンスで頑張って把握して。これも知識――知識違いってツッコミは不可――だガンバレ。


 あー……何か、マルに付き合ってたらドッと疲れた。

 デレデレなネスに魔法を教えつつ、あたしも魔法について学んで気を紛らわそう。

 隊長戻ってくるまでに魔法の事、どのくらい知れるかなぁ~。







 ――現実逃避、言うなっ!

 マルあんた、ツッコミ入れる暇あるなら、あたしにまともな事を教えなさよっ!!

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