営業所と言うのは?
この物語は創作です。モデルはありません。
美雪は会社で頑張る事以外に一切気持ちが行かなくなった。
あんなに子供達の子育てに懸命だったのに、上の息子2人がわりと出来が良くて手がかからなかったのもあり、二人の塾の送り迎え以外、何もやらなくなった。末っ子の娘は営業先にもいつも連れ歩いて、あとはほっといた。
確かに自分の給料と言う、手取りが入るようになって、子供達にふんだんにお金は使えるようになった。つまり考えもしないで。
今まで、旦那の給料の中でやり繰りしていた時は、一生懸命、計算しながらやっていた。別に不足はして無かったが、ポンポンと使う事は出来なかった。
しかし、子供達のおやつ、大量の食料の確保、念のために息子達に渡しておくお小遣いは多くなった。留守番をさせとくのが多かったので、お腹をすかせたら不憫だという意識が常にあった。
美雪の家は歩い2分のところに総合スーパーマーケットが隣接しており、子供が一人1000円も持っていれば一回分のおやつを不自由しないほどには買い物出来た。
そんなこんなの生活で、五年も過ぎた。
美雪は代々転勤して来る、いわゆるエリートと言われる所長連中に贔屓された。美人、勝気、頑張り屋、余計なお喋りをしない、あまり人と群を組まないとなると、当然では無いだろうか?
保険会社は恐ろしいところである。女の吹き溜まりだ。成功する奴は周りの嫉妬もものとせずのし上がって行く。敗退するものは借金まみれで消えてゆく。学力なんて、全く問題じゃない。申込書をいかに多く取るか?たったけどそれだけなのである。
そして、序列と言うのは、契約の数、量で決まる。勿論、悪質契約を防ぐため、厳しいペナルティーも決められているから、いかに良質の長期契約を取れたか?に掛かっている。
それは単純は単純、1番わかりやすい、1番嘘のなあ序列であった。若かろうが、長く会社にいようが、取れたら勝ち、できなかったら負けだ。
そしてそれらを毎月、毎月、気の遠くなるように連続する日々、淡々と成績をあげるため、営業員達は水面下で血の涙を流している。必死で水掻きを続ける。しらっとして。何も無かったように。
だって、掻き続けなかったら、溺れて撤退して、もうそこの場所にはいられないのだ。
不思議だと思われるだろうが、これは、保険会社の七不思議の1つ。保険が取れなくなると、みんなノルマにも、外回りがキツくて辞めたいと誰もが思う。でも辞めない。システム的に簡単に辞められない事もあるが、でもその気になれば辞められるのだ。
つまり、みんな営業所に居たいのだ。辞めたく無いのだ。自分が取ったお客を他人に回したくないのだ。
この自由で、お喋りし放題で、他の営業員やその家族のスキャンダルは喋り放題、聞き放題。いつも誰かが揉めているが、自分に関係無ければ、毎日がデンジャラス。退屈な日など一日も無い。
何か面白く無い事があって、私辞めます‼️と拗ねて見せれば、所長、支部長、トレーナー、下手すると支社のスタッフまでが揉み手擦り手でちやほやと機嫌を取ってくれる。涙なんか見せてやれば完璧だ。その日の営業所の主役は自分だ。影でどんなに、また始まった〜〜、どうせ辞めない癖に!と陰口たたかれようとも。
そんなワガママし放題の待遇に慣れた女達、いやオバハン達が、どうやってほかのパートになんか付けようか?まぁ、よく飼い慣らされた犬みたなものだ。
美雪もいつの日か、すっかりそんな保険屋に成り上がっていった。
そして、美雪は所長に贔屓されていたので、お約束、女達のいじめが始まった。
なかなか面白そうな会社ですね〜〜?でも、仕事出来る人と、美人へのイジメはお約束ね?




