はたしてどっちが負け組み?
この物語は創作です。モデルはありません。
何もかもソツなく出来る、自慢の次男が結婚した。
嫁も地方の土地持ちの娘であり、学生時代から恋人だった2人は離れてられなかったのか、関西に転勤した息子を追いかけて、すぐに結婚した。
美雪としては、地方にいる時じゃなく出来れば東京本社に戻ってからにして欲しかったのだが。まぁ、孫も次々に生まれて、嫁もこのご時世に働いてもなく、幸せそうだ。
美雪の夫が居ないせいもあり、2人は、美雪の家に良く遊びにやって来た。はるばる遠路から泊まりに来た。美雪にしても楽しかったが、いくらたまの休みの時とは言え、多勢で来られるのは莫大な食費と光熱費がかかり大変だった。
しかも息子夫婦は高給取りのはずが、手ぶらで来る。美雪が嫁の二番目めの子供な出産で、息子のおさんどんに行った時も、交通費も出さない。食費も美雪が自腹を切って、毎日の買い出しをした。まぁ、美雪が経済力があると思い、甘えてるんだろうが....
そうは言っても、その辺のベテランOLと変わらない給料なのだ。
年老いた母も無くなり、美雪の姉や弟、それぞれが相手や相手の実家に恵まれ、高水準な生活をしていた。同期の連中はそういう訳で、所長の仕事で苦労三昧とは言え、女としたら破格の給料や退職金を貰っているはずだ。
唯一、美雪が少し下に見下せると安心していた、例の同じ支社から出た退社した同期に対しては、彼女の所長時代には敵わなかったが、今は辞めてパートしているので十分に見栄をはれると思っていた。
しかし....
美雪は彼女とあまりにも仕事の悩みを共有する時間が長かったため、彼女には旦那がいるんだと言う事実がすっかり抜け落ちていた。しかも大企業の今や部長、いやそれより上の地位のはずだ。
彼女も旦那とあまり仲良い訳でも無く、何年も海外赴任していても、平気のへいざ。それこそ、それをいい事に仕事ばかりしていたような人間だった。
だから、営業員の莫大な貸し倒れを背負おうが、経費がヒリつこうが、いわゆる生活の基盤は揺るがなかった筈だ。自分の手取りは全く保険会社に吸い取られていたとしてもだ。
そして、今や小さな会社にバイトで滑り込んだ彼女は、責任感が無くなり意気揚々と楽しげに見えた。上司の兄ちゃんの文句は常に言っているが。同じ趣味の友達や娘と、コンサートや旅行にも良く出かけている。
美雪は昔から密かにこの彼女に対して、自分より先に所長に出世した事で、ライバル意識があった。でも自分の方が見た目もいいし、彼女と違い会社に残った人間だと、自分は完全な負け組みでは無いと思っていた。
しかし、世の中から見たらどうなんだろう。彼女は大企業の部長夫人のセレブってやつか、もしかしたら⁉️
片や私は会社で降格した、ただのバツイチ❓
美雪はその事実にある日気付いてとんでもなく焦った。
自分より下だと見下していた元同僚の同期は、実は奥様でした。美雪やっと気が付いて焦る....




