空へ向かう
光が季節を連れ出すのだろう。
窓の外は白樺である。
止まった時が、現在へ向かう。
日本のはずれ。白い雲。
心を裏返したあの季節。
まばたきの人々と歩行。
見上げる人々と停止。
ふわふわ、かげろうの時間。
ページをたどる指先。
足の裏の地面たち。
数えられた時間。
見つめられない谷と谷。
空へ向かう多くの雲たち。
ぼけた意識の流れ。
見上げると過去が来る。
夜を切ったら、二つに割れた。
空中に浮かんでゆく電信柱。
夜に逃げ惑うワタシ。
角度を変えて生きる人々。
電報が来るかもしれない。




