ブラザー☆コンプレックス
連載中に思いついた小話です
連載中
【死神様がいるセカイ】
http://ncode.syosetu.com/n7411cg/
こちらもよろしくお願いします
あたしは、弟が、好きだ。
周りも、自分でさえも、納得している。
かなりのブラコンである。
------
「ねえちゃん、ねえちゃん」
昔は可愛いものだった。
そんな風に思って一人歩いていた帰り道。
「んー?ハル、どうしたの?」
弟が潤んだ目で、抱きついて来た。
「変な人がついてくるんだようっ」
まただ。
「また、ストーカー? どこにいんの。あいて」
弟はよくストーカーに遭う。そういう意味でモテるのだ。
それは、汚いおじさんだったり、サラリーマンだったり、太ったおばさんだったり、OLだったり、不二峰子顔負けのぼんきゅっぽんであったり、ぬいぐるみを抱きかかえた女の子だったり……。
「あ。斎藤じゃん! 斎藤の弟なの? 超可愛いんだけど」
はたまた、あたしが好きな男の子だったりする。
「……宮岡くん……あの、何してるの?」
あたしは赤くなりそうな頬を隠そうと、弟の頭に顔を埋めながら聞く。
宮岡くんは、かっこいい。
黒髪に切れ長の目。白い肌。少し骨ばった身体からは妖艶さが滲み出ている。
「ねえちゃん!こいつが、スト」
「いやいや! 勘違いだって! ストーカーじゃないから!」
宮岡くんが、慌てて否定した。両手をぶんぶんと胸の前で振っている。
「だって、校門からずうっと、着いて来たんだよ!」
弟が指差しながら、叫んだ。
「違うよ! たまたま歩く方向が一緒で」
焦る、宮岡くん。
「……宮岡くん家って……真逆」
冷静に答える、あたし。
「……」
「……」
三人の間で巻き起こる、静寂。
「ほら! ストーカーじゃないか!」
ぶち壊す弟。
「いや……あの……ごめんなさい」
素直に罪を認める、宮岡くん。
なんだか拍子抜けして、笑ってしまった。
弟と宮岡くんが、こちらを見る。
「なんか、宮岡くんて、完璧な人だと思ってたんだけど。
……そういうわけじゃなかったんだなあって。意外で」
「俺、全然完璧じゃないよ」
宮岡くんも笑った。
「ストーカーは流石にしないけどさ。
家帰ったら、ゲームばっかしてるしさ。
趣味なんてアニメ見ることと、ネットオークションすること。
美少女フィギュア集めたり、自分で作ってみたり」
あれ?
「最近は、既存のフィギュアを削って、ビキニ姿に変えたりするのにはまってるし」
あれれ?
「ま、まあ、夜はさ、二次元とか、あ、ああああ、アダルト動画とかにお世話になるけどさ」
あれれれれ?
「た……たまに、斎藤にも……お、お世話になって……デュフフ」
今まで綾野剛みたいに見えてた彼が、急に顔を変えた。
「あ、そう」
よくよく見れば、肌はニキビまみれで脂ぎっていて。
片目を覆い隠している前髪も、テカテカと光っていた。
「ねえちゃん、帰ろうよー」
「うん。帰ろう」
そう言って、弟の手を握る。
あわあわしている宮岡くん……宮岡を、睨みつけて。
「弟に手出したら、ぶっ殺すぞ。宮岡」
捨て台詞を吐いた。
------
あたしは、弟が、好きだ。
周りも、自分でさえも、納得している。
かなりのブラコンである。
理由はただ一つ。
恋の盲目を、唯一治せる奴だからである。
モテモテな弟が、モテるが故に
様々な人からストーキングされ
そのおかげで姉の『恋の盲目効果』が切れる
というお話でした。
個人的には
アニメ大好きだし
フィギュア作れる人すげー!って人間だし、
「オタクとかキモーい」って言ってる
お前の方がどうなんじゃい、コラ。って人間なので、
オタクキモいよねってゆう感じになっちゃって後悔です。
まあ、あれです。
清潔にしてない人が、嫌いなんです。
オタクでも、オタクじゃなくても。