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帰ってくるのがはえーよ! だらり現代生活記  作者: 国後要
なんてことのない現代生活という名の異常な現代生活
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我は死なり、世界の破壊者なり

「そういうわけで、たまには面子を男で絞って集まってみたわけだが」


 オレたちIN早川の家。


「うんうん。たまには男同士で集まるのもいいよね」


「そうですね。女性は大好きですが、男だけというのも気楽なものです。まぁ、トモエさんはなんというか女性らしいですけど」


「あはははは、朝菜くんもね」


「あはははは」


 でも男だからそこら辺は気にしてはいけないのだ。


「……なんで俺んちに集まってるのお前ら?」


「おう、早川。なぜかっていうと、なんとなくだ」


「そうか……よそでやってくれないか。朝菜さんは持ち家あるんでしょ?」


「はっはっはっは、断る」


「なんでだよ!」


「その場合、お前は呼んでも来ねーからだよ! なんだよ付き合い悪いなテメー!」


「うっさいなたまには一人になりたいんだよぉ! 他所でやれ他所でぇぇ! お前らと遊んでるヒマねーんだよ!」


「ハーッハッハッハッハ! 残念だったな早川さん! オレたちはお前が大好きだぜー!」


「ざまぁみろだよ! ここをたまり場にしちゃうもんね」


「あ、ついでにお腹空いたのでご飯出してもらえます?」


「お前らぁ……!」


 早川が激怒しかけている。

 しかし、それでも食うものを出してくれるから早川っていいやつだと思うんだ。


「もういっそ今日は泊まってくわ。ほら、パジャマと……」


「なに持ってきてんだよ……枕も持ってきてんのか?」


「寝袋とサバイバルナイフとコンバットナイフとマグネシウムマッチとミリ飯と拳銃と手榴弾とTNT5キロと……」


「何もって来てんのぉぉぉっっ!?」


「非常時の備え」


 魔法があれば大して必要のないものも多いんだが、魔法が使えない状況もあり得るからな。

 身体能力だけが頼りの状況で生き延びられる装備品を持ってきているんだ。

 手榴弾は遠距離から壁を吹っ飛ばすためのもので、拳銃は遠方をピンポイントで破壊するため。TNTは邪魔な要害を爆発するためだ。


「我が家でサバイバルしないでくれ!」


「わかったわかった……」


 仕方なくしまい込む。まぁ、パジャマは出したままだが。


「僕も泊まり用の道具持ってきてるよ」


「変なもの持ってきてないですよね……」


「パジャマと、グリモワールと、愛用の万年筆と、愛用の杖だね」


 分厚いハードカバーの本と、万年筆。それからタクトタイプの杖だ。

 しかし、この杖とんでもねぇ魔力放ってるな……隠蔽して封印してるからいいけど、一般人がうかつに魔力に触れたら即発狂ものだぞ。


「まぁ、ちょっと不思議な所持品ですけど、いいですね。朝菜さんは?」


「寝間着とグリモワールとガラスペンと携帯ゲーム機とスマートフォンと戦術核と充電器とガムですね」


「なんか一つおかしいのがあった!」


「確かにおかしいな……」


 これはまったくもっておかしい。不可解過ぎるだろう。


「そうだよな!?」


「ゲーム機を持ってきてるのにソフトを持ってきてない」


 これじゃ最初からソフトを入れてるとしても一作しか遊べないではないか。

 普通ならもっとたくさん持ってきてるべきだと思うのだが、オレの常識の方がおかしいのだろうか?


「そこじゃねえよ!」


「そうか?」


「そうだよ! 戦術核ってところに突っ込めよ!」


「なんで戦術核なんて持ってきたんです?」


「早川さんの狂態が見たかっただけです」


「最低だこの人!」


「ええ、知ってます。それにこれはただのガワなので中身は入ってません」


 いやぁ、早川の狂態は最高におもしろかったな。

 ……ところで店主さん模型とかじゃなくてガワだけって言ってたところからすると……いや、よそう。俺の勝手な推測でみんなを混乱させたくない。


「ああもう……なんなんだよこの状況……誰か助けてくれ……」


「誰かってだれだ? 勇者とか?」


「もうこの際勇者でもなんでもいいから助けてくれ」


「呼んだか、早川。勇者であるオレに全て任せておくがいい」


「バカなこと言ってるんじゃない。お前が勇者だってんなら役に立たん。救世主の降臨を待つ」


「どうやら救世主と呼ばれた事もある私の出番のようですね」


「……魔法使いとか」


「原初の魔法使いである僕の出番のようだね」


「この際ヤのつく人でもいい……」


「僕、ヤーさんの頭やってたこともあるよ」


 残念だったな、早川。ここにいる人材はあり得ん位に優秀で得難いぞ。

 ぶっちゃけ一人いれば世界征服できるぞ。


「はぁ……勇者だっていうなら魔王でも倒してこいよ」


「もう倒した。というか、ここにいる人は持ってる肩書きでやるべきことは大体やってるぞ」


「ふーん。じゃあ、救世主の朝菜さんは世界救ったんですか」


「救いましたよ。まぁ、人類全部殺して楽園に導く鏖殺の救世主とかトンデモな私もいるんですけど」


 それはただの殺人鬼では?


「じゃあ、巴さんは……魔法使いってなにするものだっけ?」


「知るわけないだろ、オレに聞くんじゃない」


 魔法使いって具体的に何するものかと言われても困るよな。魔法使う人間っていうのは確かだが。


「うーん……魔法使いがすべきことは大体やってると思うよ? グリモワールも記したし、弟子も育てたし……」


 トモエさんの弟子とかどんなんだろうな……。

 下手に聞いたら数万人以上居るとか言われそうで困る。


「ああ、そうだ。30歳まで童貞貫くとか?」


「僕は50歳くらいまで童貞だったよ」


 なんか今、壮絶なまでに悲しい事実を聞いたような気がする。


「というか、今でも女装してるけど、昔からずっと女装してたからね。女の子と付き合うってこと自体がなかったから仕方ないね」


「つーか、なんで女装してんです?」


「女の子の服の方が可愛いから、趣味」


「さようですか」


「っていうのもあるけど、まぁ、他にも色々とあるね。一番の理由は、僕が性別を隠して生きてたからかな?」


「性別がバレたらなんか拙いことでもあったんです?」


「詳しく語ると小説1巻分くらいの内容を200巻分くらいまで水増ししつつ話すけど聞きたい?」


「ぜんぜん」


 聞き終わるまで何年かかるんだそれは。

 しかも小説1巻分の内容を200巻分に水増しってことは、2巻分の話だったら400巻分に水増しするんだろ?

 10巻分だったら2000巻分だぞ。人生が終わってしまうわ。

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