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帰ってくるのがはえーよ! だらり現代生活記  作者: 国後要
なんてことのない現代生活という名の異常な現代生活
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酸素欠乏症

 とんでもない結論が出たところで、なんか変な方向性にズレてしまったという事に気付くと軌道修正。


「タカネの異性の好みは?」


「旦那様は美少女」


「トモエさんしか該当者居ねーよそれ」


「え、居るじゃんもう一人」


 指さした先には店主さん。

 確かに美少女と言っていい外見かもしれんが……。

 しかし、この不愛想な店主さんは美少女の範疇に入るのか?

 いや、待てよ……これはクール系で、仲良くなるとデレるクーデレだと思えば……。


「イケる!」


「……? なにやら悪寒が」


 確かに旦那様は美少女の該当者だ。

 まさか、タカネの限定的過ぎる異性の好みが二人も存在するとはな……。

 よし、じゃあ、気を取り直して次にいってみようか。


「んじゃ、ほたるちゃんの趣味は?」


「道路標識とスズメの受け攻めを考えましょう」


「ダメだ! 腐ってやがる!」


 しかも相当ハイレベルな無機物×有機物萌えだ! 業が深すぎる!

 コイツたぶん、ガードレールの鳥の糞はスカトロプレイの後とか言い出すんだぞ! 怖いわ!


「チェンジ! チェンジだ! 店主さんの異性の好みは?」


「女性ならもうなんでもいいです」


 こっちはこっちで見境が無さすぎる。


「ただ、好み、と限定するのならば、私と身長が同じか低いくらいで、私より年上で、若々しくて、なおかつ私の趣味に理解があって、さらにはその趣味で語り合える相手であれば、どれだけ性格に難があっても私はおつきあいできます」


「凄まじい選り好みだ……」


 割と常識的な事を言ってる気がするが、この人の場合はとんでもない選り好みになる。

 まず、店主さんの身長が140ちょいなので、それ以下の女性がそうそう居ない。

 数万年以上生き続けてる店主さんより年上の人間が存在するかも定かじゃない。

 そのうえで若々しく、趣味に理解があるって、本当に存在するのか……?


「一応言っておきますと、年齢は実年齢ではなくて精神年齢ですよ」


「な、なんだ、びっくりした」


「私の実年齢で換算すると該当者が誰もいませんからねぇ……私の精神年齢より、相手の実年齢が上なら、と言った感じですね」


「ちなみにその精神年齢は?」


「大体ですが60~70歳前後です」


「ダメだこれ、探しようがねぇよふざけんないい加減にしろ」


 そんなパーフェクトジオングみてぇな女いるわけねぇだろ。


「そもそも店主さんの趣味って何ですか。ペットボトルの蓋を開け閉めしたりとかですか」


「そんな珍妙な趣味は持っていません。人形作りです」


「余計難易度上がったじゃねえか」


 そんな究極生命体どこの銀河に居るんだよ。


「居るんですか、そんなカーズみたいなの」


「居ましたよ。私より身長が低くて、年上で、若々しくて、趣味に理解があり、その趣味で語り合える女性が」


「居たんだ」


「ええ。というよりもまぁ、こうして私がここに存在するには彼女というファクターが必要不可欠と言っていいレベルなので、だいたいの場合は居たんですよね」


「へぇ。っていうと、子供の頃に命を救われたとか、あるいは将来の夢を見つけさせてくれたとかそういう感じですか」


「そんな感じですね。彼女のおかげで今の私があります。というか、逆なのかもしれませんね。彼女という存在に救われたからこそ、彼女のような存在が好みになるのかもしれません」


 ああ、代償行為ってやつだっけ。違った? まぁいいや。

 でもまぁ、割とありがちな話だよな。

 男が一番最初に異性として意識するのは母親で、女性の好みは母親に似た女性になりやすいっていうし。


「まぁ、こんな中学生みたいな青臭い話はさておいて、次は好きな体位の話でもしましょうか」


「店主さん。ここには童貞が二人と処女が一人だ」


「ふっ、その前提は間違っていますよ。この肉体では私も童貞です。つまりこの中で仲間外れは一人!」


 タカネである。まぁ、既婚者だしね、コイツ。あれ、でもオレも既婚者……けど童貞……あれ……既婚者ってなんだ……?

 ……いや、深く考えないようにしよう。とにかく、仲間外れは一人だ。

 しかし、店主さんの宣言と同時にほたるちゃんがびくついた。

 え、ちょ、ちょ待てよ。


「……ほたるちゃん、君」


「え、いえ、違います、違いますよ!」


「そうか…………」


 一応、気になったので真偽判定魔法で真偽を判定する。

 あれ、本当だ。つまり、ほたるちゃんはちゃんと未開封だという事だ。

 じゃあなんでびくついた?


「なんでびくついたん?」


「いえ、だって、一人だけ中古って……え、犯罪……?」


「ああ……大丈夫、コイツこう見えてオレと同い年だから」


「そうなんですか?」


「そうだよ」


 タカネ、見た目的に幼女だしな。

 修也の姉だと思ってないだろうし。


「やれやれ、びっくりさせないでくれよ、ほたるちゃん」


「あははは」


「修也もびっくりし…………」


「あー、リア充滅ばねーかなー」


「店主さん、うちの弟の目にハイライトが入ってないの!」


 なんてこった! こいつ信じてるぞ!

 いやまぁ信じてもおかしくないが。


「5000万。びた一文負からん」


「んじゃいいや」


「さらっとあきらめましたね……」


 現実ってそういうもんだろ。さらっとあきらめる。


「修也、そんな精神を摩耗させて……記憶の熟達者とでも戦ったのか?」


「それと戦ってたらボクすでに廃人になってるから」


 それもそうだ。


「ボクだってちょっと前まではリア充だったんだ。昔、小池さんにラブレターもらったことだってある。すごいぞ、ボクのリア充度は数倍に跳ね上がる」


「こ、こんな古い話を……修也さん……酸素欠乏症にかかって……」


 記憶が確かなら小学二年生頃の同級生だったはずだ。

 どんだけ昔の話してんだよコイツは。

 しかもその早川さんって確か引っ越してったろ。


「修也、落ち着け、ほたるちゃんは清い体の持ち主だ。そうだろ」


「そうだよね……そうだよね……」


 ……どうでもいいんだけど、ちょっと会話しただけで本当に処女かどうか調べられるってなんかめっちゃ興奮する。


「ところでお兄さん、それセクハラ発言だって理解してますか?」


「すいませんでした、勘弁してください。なにとぞなにとぞ」


 考えてみりゃ本人目の前にして処女だの中古だのって確かにセクハラだわ。

 本当に勘弁してください。許してください。

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