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帰ってくるのがはえーよ! だらり現代生活記  作者: 国後要
なんてことのない現代生活という名の異常な現代生活
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どこなんだかドア

 その後もぼつぼつ話しながら、昼飯を済ませて、その後は特に帰るでもなくフラフラと街を歩く。

 都心部の方に来ると、いろいろと遊ぶものは多い。しかし、逸般人であるオレたちがまともに遊べるものは少ない。


「ねぇ、カラオケいかない?」


「ダメだ。オレがうかつに歌うと超音波兵器になる」


「私は軍歌しか歌えん」


「えーと、ボーリングいかない?」


「オレが本気出すとボーリング玉が大気圏突破するからダメ」


「ボーリングをするといろいろと薙ぎ倒したくなるのでダメだ」


「ゲーセンは?」


「オレいろんな店に出禁食らってるから」


 別にオレが問題起こしたわけではなくて、オレと一緒に来てた奴が問題起こして、連帯責任でオレも出入り禁止になってた。


「私も出禁を食らっている店が多い」


「お前は自業自得です」


 コイツ、人が喧嘩してる処を実に楽しそうに見てるからな。

 たぶん、コイツが煽ってる喧嘩も沢山ある。


「あー……じゃあ、ウインドウショッピング……とか?」


「つまらんから遠慮しときます」


「窓は要らん。商品だけを見て阿呆のようにふら付く趣味もない」


「……碁会所いこう」


「あー、いいかもねぇ」


 頭脳系ゲームならね。普通に楽しめるし。


「ふむ、悪くないな。ボードゲームは好きだ。チェスが一番得意だがな」


 ローザも同意見のようだ。


「はぁ……あんたら、ほんとに高校生?」


 なぜ年齢詐称疑惑が出るし。


「なんていうかさぁ、こう、若さが無いよ」


「何言ってんだ。この若さ溢れる瑞々しい肉体をなんと心得る」


「いや、なんていうか、その表現の時点で爺さん臭いっていうか……」


 なんか傷付いた。


「ローザちゃんもドイツ人なんだから、そこはワインを飲みに行くとかさぁ……」


「酒はあまり飲まん主義だ。それと私はヴァインよりもビーアの方が趣味だ。あと、一番大事だが、日本での飲酒は20歳以上からだ」


「タカヤ、通訳」


「ワインよりビールが好きです、だって」


「オッサン臭ッ!」


「誰がオッサンだ。ドイツならば誰であろうがビールをガブガブ飲むのだ」


「うっそだぁ」


「誰が嘘など吐くか。ドイツのキッチンには蛇口が二つあるほどだ。ビールが出る蛇口とソーセージが出る蛇口だ」


 どういうキッチンだそれは。……冗談だよな?


「タカヤ、ほんと?」


「ほんとだよ」


 ローザが言ってるんだから本当なんじゃね? いや、知らんけどな。ローザって真顔で嘘つくからわかりにくいんだよな。


「じゃあ、ドイツ人ってみんなソーセージばっかり食べてるの?」


「そうだ。私の肉はソーセージで出来ている」


「ジャガイモも?」


「そうだ。私の胸はジャガイモで育った」


 ジャガイモってすごい。


「ビールもゴブゴブ飲むの?」


「そうだ。私の金髪はビールで染まった」


 嘘つけ。


「という事は、ビールたくさん飲めば金髪になれんの?」


「無理だって。ドイツ人の遺伝子がビールを飲むことによって活性化して金髪になるんだ。よって日本人がビールを飲むと腹が出るだけだ」


「ちぇー」


 まともに信じるなよ……。


「待てお前ら。私は今すごい事に気付いたぞ」


「なんだ?」


「日本人は清酒やビールを飲む。これが混ざり合う事で、黄色がかった白髪になるのではないか?」


「天才かお前」


 単純に人間の髪の構造的に黄ばみのある白に見えるってだけだけどな、実際のところ。


「さて、バカな話はここまでにするが、実際のところ、どうするのだ?」


「ぶっちゃけオレは遊びたいって事はないな。普通に帰りたい」


「私もなんだよね。眠いし」


「では帰るぞ」


 若者三人が街中に出て何もせずにさっさと帰るって、確かに若さはないような気がした。

 周囲を見ればリア充がいっぱいいるってのに。これが、若さか……。


「ったく、リア充爆発しろよな」


「であればまず爆発するのはお前からだな」


「なんでよ?」


「貴様には嫁がいるではないか」


「ああ……」


 そういえばそうだった。なんだオレはリア充かよ。


「まぁ、それはさておき、帰るぞ。おい、一文字孝也、しゃがめ」


「?」


 不思議に思いつつもしゃがむ。すると、背中にかかる重圧。


「さあ。さっさと家まで走れ」


「ローザさん? なんでオレの背中に乗ってるんですかねぇ?」


「帰りの電車賃は節約する」


「電車賃って、定期で……って、そういえばお前の学校ここら辺じゃないよな……」


 都心駅から二駅ほど離れた場所がローザの学校の最寄り駅だったはずだ。

 よくぞまぁ千里なんかに律儀に付き合ってくれたもんだ。


「まぁいいけど、オレは走って帰るつもりないぞ?」


「そうか。では走って帰れ」


 さらっとオレの方に変更求めるとか本当にゴーイングマイウェイな奴だな。


「別にそんなことしなくたっていいんだ」


 近くの適当なデパートに入り、非常階段の方へ。そこには少々ばかり分厚い鉄の扉。

 ガチャリと開けばその先にはオレの部屋。


「こうやってドア開けばオレの部屋に繋がってるからな」


「ええー……なにこれ……」


「扉を触媒にした転移魔法だよ。別に難しいもんじゃない」


 扉っていうのは別空間を隔てる壁でありながら、別空間を繋ぐ穴でもある。

 それをうまく利用すれば、時空貫通トンネル構造を造ってワープくらい出来る。


「ふーん、便利だね。タカヤ、明日遅刻しそうになったらこれで送ってって」


「嫌じゃい」


 第一に向こうの座標知らなきゃいけんからな、これは。

 ぶっちゃけ自分の部屋の扉だからこそ出来る荒業だぞ、これ。

 下手に使うとわけのわからん異空間に繋がるヤバい転移魔法だったりする。オレの勝手につけた通称は「どこなんだかドア」だ。


「さあて、ただいまー」


「ただいまー」


「邪魔をする」


 自分の部屋に帰宅ってわけがわからんなぁ……。


 そういえば、ふと思い出したけど、ジョンソン・ウェーバーはどうなったんだろ?

80話達成ですー。

今後も応援をよろしくお願いいたします。

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