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帰ってくるのがはえーよ! だらり現代生活記  作者: 国後要
なんてことのない現代生活という名の異常な現代生活
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詳しく 悔しく 苦しく やらしく

予約の日数を一日間違えていました!

 さて、レンを送り出すと、オレは書庫から童話集をひっぱり出してきてシエルちゃんに朗読してあげる。

 店主さんとタカネは相変わらずのフィギュア談義。

 カーチャンは相変わらずタバコ吸いながらテレビ見てる。


「――――そして、王子とツバメは永遠に天国で幸せに暮らしました。めでたしめでたし」


 うむ、名作だな。やっぱりいいお話だわ。


「悲しいお話でしたねー……」


「そうだねぇ。でも浄化感があっていいお話だよね」


 しかし、こうして膝の上にシエルちゃん載せて童話読んでると……なんか父親になった気分。

 うーん、父親の気分かぁ……。

 ……嫁さん居るから割合洒落になってない気がしてきた。


「げほっ、げほっ……タカヤくんで父親だったら、タカヤくんが一桁年齢の頃の子供になっちゃうよ……げほっ……」


 と、思ってたら、唐突に横合いから声が。


「うおっ!? と、トモエさん、起きてたんですか」


 今にも死にそうな顔をしたトモエさん。だ、大丈夫か?

 なんか、オレよりひどいことになってないか?


「今起きたとこ……ごめん、すっごく喉痛い。何か飲み物もらえるかな……」


 慌てて台所に走り、冷蔵庫から麦茶を持ってきてトモエさんに渡す。

 それをゴブゴブ飲み干すトモエさん。……もうちょっと普通に飲んでほしいかな。


「ぷはぁっ。はぁ……死ぬかと思った」


「オレはガチで死にましたけどね」


 料理食べてガチ死にしたやつとか早々居ないんじゃね? いや、普通居ないんだけどさ。毒入りならまだしも。


「シエルちゃんに童話読んであげてたの?」


「そうですよ。この世界の文化を知りたいっていうんで」


「なるほどね。それならいろいろと本を読むのが一番かもね」


「ふむ、詳しく」


「ほら、やっぱり本っていうのはいろいろと文化が現れてくるでしょ? 何が流行りなのか、基本常識になる行動とか」


「ふむ、くやしく」


「きぃぃぃーっ! 本っていうのは文化が現れてるの! 何が流行りなのか基本常識とかいろいろとわかるんだよ! それなのにもう! なんだかなんだかとってもちくしょうなんだよ!」


「ふむ、苦しく」


「はぁっ、ぐっ……ほ、ほら……げほっ……や、やっぱり、本は……はぁ、はぁ……文化が、げほっ、ぐふっ……現れて、くる……でしょ……なにが、流行なのか……ぜぇ、ぜぇ……基本……げほっ、げほっ……常識、とか……」


「ふむ、やらしく」


「んくぅっ……ほ、ほら、本は、あんっ、文化が現れてきちゃうぅ……流行がギュンギュン現れてるよぉ……らめぇ! 基本常識の行動読み取っちゃらめなのぉ!」


 ……ちょっと興奮した。


「つまり、本をたくさん読めば万事解決ってことですね?」


「うん。漫画とかもいいね。最近の漫画だとなおよしかな」


「じゃあ、ちょっと漫画持ってきます。少年漫画しかないけどいいかな? シエルちゃん」


「よくわからないからお任せしますっ!」


 まぁ、少女漫画とかその辺りのジャンルもわかってないから妥当な返事か……。

 そう思いつつ、また書庫まで言って適当に漫画を見繕ってくる。


「とりあえず、ゲッター、魔獣、ヤクザ兵器……」


「タカヤくん? どうしてバイオレンスな漫画ばっかり持ってくるのかな?」


「好きなんですよ」


「いや、今は君の好み関係ないから」


 それもそうだ。仕方ないので一旦戻って、ある程度まともな内容のものを持ってきた。

 でも持ってきたゲッターはせっかくなので自分で読む。トモエさんは魔獣読み始めた。


「タカヤさんタカヤさん」


「ん? どうしたの、シエルちゃん」


「ここに恋空っていう本が大人気って書いてあるんですけど、どんな本なんですか?」


「えーと……恋空……? え、ええっと……そ、それは実践空手道と恋愛を組み合わせた全く新しい格闘技……」


 レンクウ……! それは実践空手道と恋愛を組み合わせ、恐るべき戦闘力を発揮した十二人の戦闘集団の事を呼ぶ。

 わずか十二人の戦士で帝国を滅ぼしたといわれるほどの戦力はもはや伝説と言える領域にある……。


「タカヤくん、それ別の漫画混ざってない?」


「混ざってませんよ。恋空の主人公は、恋手手裏剣っていう技で、なんでもぶった斬るんですよ。ラブレターという手紙でね」


「タカヤくん、見事なまでに適当こくのやめない?」


「何言ってるんですか。オレの頭の中ではすでに第九部まで総計118巻で完結してますよ」


「大作だね……」


「大作なんですよ。そういうわけで、そんな大作を家に置いておくと床が抜けるのでおいてません」


 さりげなくうちのカーチャンの趣味って読書だからな。数十年間ため込んだ本が全部あるから、尋常じゃない量があるんだ。

 その本全部を書庫に放り込んで、そこに家族の本を全部まとめておいてあるから、マジで床が抜けそうな勢いになってる。


「そうですかー……残念です」


「でもオラオラしたり無駄無駄したりする大作ならうちにあるよ。読む?」


「よくわからないけど読んでみたいです!」


「よし、じゃあもってこよう」


 シエルちゃんに布教だ。

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