ファッキンホット(くそ熱い)
振り向くと、そこには当然ローザが居た。
そして、風呂場であるからして、当たり前のように全裸だった。
「はー……」
「なんだ、珍しいものを見るような顔をして」
「いや、金髪は下も金髪って言うけど、お前……いや、うん、まぁ、そう言うのも需要あるよね」
いや、清潔感があっていいんじゃね? 剃毛とかそう言うプレイしたい人は残念かもしれないけど。
「下らん事に気を向けてどうする。いいから大人しくしていろ」
「はい」
ローザの手がオレの肌を擦る。そして、その動きに連動するように胸が揺れる。突端の桜色が目に焼き付くようだった。
すげぇな……胸って、揺れるんだ……。
「でもなんでだろうな、ちっとも色気を感じない……」
オレの性欲が皆無になっているからなのか、それとも相手がローザだからなのか。
なぜかは分からないが色気と言うものをちっとも感じなかった。
「私の乳がそんなに面白いか? その割にはちっとも硬くなっていないが」
「握るな!」
「あわよくば練習をしておこうと思ったのだが、これではダメだな……」
「は? 練習?」
「以前に言っただろう。私には好きな男が居る。そいつと子作りをするための練習だ。手の練習くらいはしておきたかったのだがな」
「人の事を勝手に練習台にするな……」
「タダでピンサロに行けたとでも思えば得だろうが。ああ、口でやるつもりはなかったぞ。無論、処女をやるつもりも無かった。安心しろ」
「今のどこに安心する要素があった?」
コイツの感覚がまったくわからん。
「まぁ、勃たんのなら仕方ないな」
本当に仕方ない……と言わんばかりの態度でローザが体を洗うのを続行する。
というか、今気付いたんだけど、どう考えてもこれって男女が逆だよな? いや、逆なのか? コイツの行動がアレ過ぎてどうとも言えないのだが。
そんな事を思いつつも、なぜかオレに半ば抱き付くようにしてあっちこっち洗っているローザにされるがままになる。
そうしていると、当然ローザも全身泡塗れになるわけで、ぶっちゃけこれ風ぞ……いやなんでもない。
「おおむね洗い終わったな」
「ああ……大胸が洗い終わったな……」
「は?」
「いや、なんでもない」
「まぁいい。流すぞ」
風呂桶からお湯を汲んで、ローザがオレにぶっかける。
「って、あっぢぃぃぃぃいっ! ふざけんなお前! なんだこの風呂は! ファッキンホット! くそ熱い!」
「我が家の風呂の温度はこんなものだ。子供は感覚が敏感だというしな」
「そう言うレベルか!? 風呂の温度設定何度だよ! 44度!?」
めっちゃ熱いじゃねえか。
「喚くな。とにかく次は髪を洗ってやる」
「次流す時はシャワーで頼むぞ! おい!」
「分かった分かった」
おざなりな返事に不安を感じつつも、されるがままに髪を洗われる。
こんなに長い髪を洗ったことは今までなかったので、洗い方をちょっと覚えておくかな。
「細い髪だな。黒髪だというのに、光が透けて赤毛のようだ」
「アイロン当てるとブチブチ切れるぜ」
今朝方、手っ取り早く乾かそうと千里のヘアアイロンを当ててみたら、ブチブチ切れた。
仕方ないのでドライヤーで乾かしたよ。
「手触りも柔らかい。いい髪だ」
「すいません、なんかジョリジョリ言ってるんですけど、なにやってるんですかあなた」
「ペッ。シャンプーは苦いな」
なにやってるのか分かったのでもう何も聞かなかった。
コイツ、食人嗜好とかあるんじゃなかろうな……。
「こんなものか。流すぞ」
「シャワーで頼むぞ、シャワーで」
「分かった分かった」
ざばぁっ、と熱いお湯がかけられた。
「あぢぃぃぃぃぃぃっ! ふざけんなお前! シャワーで流せって言うたろうが! 死ぬほど熱いじゃねえか!」
「面倒だ」
「ふざけんな! 乳揉むぞコラ!」
「正直なところ真剣に聞きたい、乳を揉んで何が楽しい?」
「オレにもわからん」
乳揉んで何が楽しいのかと言われると非常に返答に困る。
そもそも乳を揉んだことのないオレに聞かれても、もっと困る。
「ああ、すまなかったな。乳を揉んだことのない童貞に聞くべきことではなかった」
「オレはお前をぶん殴っても許されるんじゃないかと思えて来た」
悪かったな、童貞で。それどころかオレは女の子の手を握った経験すらほとんどないぜ。
もちろん、乳を揉んだことだってない。
「……そうだ、いいことを思いついた!」
「それは犯罪性を含むか?」
「含まねえ。通報すんな」
アイテムボックスから取り出したるは、老化薬と性転換薬。
それを二つ一気に飲み干すと、オレの体はあっという間に成長し、なんと体も女性に!
「おお! 女だったら成長しても美形のままだ!」
オレやっぱ生まれてくる性別間違えたような気がしてきた。
さて、胸はというと……結構大きい。平均よりちょっと上?
「ハハハハハ! これでオレは合法的に乳を揉む事が出来るわけだ!」
そういって自分の乳を揉みし抱く。……全く楽しくない。
「……あかん、ぜんぜん楽しくない」
「自分の乳を揉むのが楽しかったら、私がさっきのような質問をすると思うか?」
「しないよね……」
「そもそも、確かめるだけなら私の乳を揉めばよかったろうに」
「さらっとそう言うこと言える辺り、お前やっぱズレてるよ」
まぁ、元から頭おかしい事は承知の上だったのだが。
そんな事を思いつつ、濡れた髪を軽く絞って水気を落とす。
「体も洗ったし、上がるか」
性別は家に帰ってから戻そう。ちょっと面白そうなので、家族の反応が見たい。
「何を言っている。風呂に入った以上、湯船に浸かって体を温めるものだろうが」
「まぁ、それもそうか……」
言われてみればその通りなので、湯船に入り……。
「あづっ! あぢぃっ! ファッキンホット!」
死ぬほど熱かった。
「お前は学習能力がないのか?」
くそう、オレって進歩ねぇ……!




