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摩周湖は法律上ただの水たまり

「しかし、今のタカヤは子供だから……フッ」


「どこを見て笑った! 言え!」


「別にどこも見てないでござるよ。まぁ、前の時点でトモエさんに負けてたし、そんなに気にしない気にしない」


「ウボァー」


 致命傷を負った。色んな意味で。


「タカネ……オレが死んだら遺灰は海に撒いてくれないか……」


「任せとけ、瀬戸内海に撒いてやる」


「もうちょっと広い海がいいなぁ……せめて日本海……」


「分かった分かった。琵琶湖に撒いてやる」


「海ですらないじゃねーか」


「じゃあ摩周湖」


「結局湖じゃねーか」


「いや、法律的に摩周湖は水たまり」


「やめて。水たまりに遺灰を撒くのやめて」


 そこらへんの水溜りに遺灰撒いたりしたらヤバイでしょ。

 花咲か爺さんみたいに水草たくさん生えて来たら困るでしょ。

 だから海なわけ。海ならサンゴとか異常成長しても誰も困らない。話の分かる奴らだ。


「まぁ、そんな事はさておき」


「よくない。ぜんぜんよくない。男の尊厳で負ける」


「そんなもん投げ捨てろ」


「投げ捨てた結果がオレの目の前に居るんだから、オレは大事に持っておかないと」


「確かに」


 タカネ二人居たりしたら困るし。トモエさんの夜のお勤め二倍になったりしたら困るでしょ。

 オレも困るしタカネも困る。もちろんトモエさんも困る。

 まぁ、オレは逃げ出すから別に二倍になったりはしないと思うが。


「実際のところさ、トモエさんってマジで大きいの?」


「平均知らねーからどうとも言えないけど、大きいんじゃね?」


「奥様大満足?」


「あたしのポケットには大き過ぎらぁ」


「はい」


 トモエさんSUGEEEEEEE。

 可愛い顔しておきながら、凶悪なブツをぶら下げてるとは恐れ入る。

 単にタカネが小さすぎるだけのような気もしないでもないが。


 などと話していると、突如として風呂場の扉が開く。

 そして、トモエさんが入って来てオレとタカネにゲンコツをお見舞いした。


「馬鹿な話してないで早く上がってね。晩ごはんだよ」


「はい……すんませんでした……」


「マジすんませんでした……」


「ところでトモエさん。オレとタカネが一緒に風呂に入ってる事について何か思う所は?」


「仲が良くっていいね」


「……心配とかしないんですか?」


「タカヤくんタカネちゃんに欲情出来ないでしょ? 出来たとしたら相当なナルシストだよ?」


「あ、はい」


 割と暴挙に及んでしまった自覚はあったが、トモエさんのお墨付きがいただけたので一安心。

 さておき、晩ご飯をいただくためにさっさと体を洗って風呂から上がる。

 なお、服はいつの間にか用意されていた別のホットパンツを履く事になりました。オレは泣いた。


 そして、晩ごはん。


「ヒャッフー。今日の晩ご飯はみんな大好きカレーライスだ」


「ハヤシライスだ馬鹿息子」


「な、なんだってー!?」


 ハヤシライスとカレーライスとか見た目似ててわかんねーよ。

 見た目似てるから一緒でいいでしょ、もう。


「よし、これからはハヤシライスとカレーライスを纏めてハヤレーライスと呼ぼう。ハヤレーライス流行れ」


「そのダジャレつまんねー」


「すんません」


 タカネのダメ出しでハヤレーライスは未来永劫流行らない事が決定しました。


 と、そこで今まで黙っていた修也が口を開く。


「……母さん、この子は何者?」


「なに! 貴様! 余の顔、見忘れたか!」


「それこないだもやってたよね。うん、この流れで大体誰か分かった」


「ほう、よい心がけだ。余の名を言ってみよ」


「……タカヤでしょ?」


「いいえ、徳川吉宗です」


「誰!?」


「知らねーよ。こっちのセリフだ」


「こっちのセリフだよ!」


「いいや、こっちのセリフだ」


「いやいや、こっちのセリフだから!」


「分かったよ……お前の熱意に負けた。ハヤレーライスの使用権はお前に譲るよ」


「そっちじゃないよ!」


 修也は相変わらず面白いなぁ。


「まったくもう……タカヤなんでしょ?」


「世界に愛を振りまく超絶美少年一文字孝也様ですけど何か?」


「……なんで小さくなってるの?」


「あー、なんか赤いキャンディー食ったら小さくなった」


 青いキャンディー食ったら大きくなるわけだ。

 ふしぎなタカヤってわけだ。


「……ウソだよね?」


「ホントホント。インディアンうそつかない」


「インディアンじゃないでしょ」


「じゃあネイティブアメリカンでいいよ」


「呼び方違うだけじゃんか」


「うっせーな。細かいこと気にしてるとハゲるぞ。ハゲ修也! ハーゲ! カッパ!」


「ハゲてないよ!」


「このフサフサ野郎!」


「なにその罵倒!?」


「とにかく細かい事はいいんだよ、もういいから黙ってハヤシライス食えよ」


「ええー……もうなんなのさ……」


 弄って遊ぶのにぼちぼち飽きたところで食べるのに戻る。


「ところでハヤシライスのハヤシって語源なんなんだろ」


「ハゲの修也に髪が生えますようにって言うカーチャンの優しさから生まれた名前」


「なるほど」


「だからハゲてないってば!」


「はいはい、ハゲてる奴はみんなそう言うんだよ」


「だーかーらー!」


「うるさいぞ修也。メシは静かに食え」


 理不尽だ……とぶつぶつ言っている修也を無視してハヤシライスを一口。

 うん、うまい。

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