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小学生の行動力は異常

 ぼちぼちレンと打ち合ってみると、やっぱりかなり勝手が違う。

 前はパワーで押せ押せだったけど、タッパが無いからちとキツイな。

 まぁ、日本人的平均体型だったから、前もタッパは大してなかったが……。


 今の小さくなった体だと、やっぱり小回りを利かせて動き回って、当たりの小ささを利用して懐に潜って行かないとな。

 モーメントも小さいから切り替えしも素早く出来るし。


「けど、これは中々面白いな」


 体が小さくなった分、速さが出た。

 筋力は減ったが、重量が大幅に減ったのでその分だけ素早く動ける。

 瞬発力と俊敏性はこっちの方がダンチだな。


「なかなか上手く動くな、タカヤ」


「ああ。慣れて来た。そろそろ終わりにするか」


「そうだな。これ以上庭を荒らしてはいかんだろうし」


「……まぁ、今更だけどな」


 別に大して手入れしてる家ってわけじゃねえからいいんだけど。

 うちの敷地の半分を占領してる畑とか、もう10年以上何も作ってないし。

 そのうち修練し易いように適当に改造するか。


「さて、ぼちぼち修練を終えたが、どうする?」


「どうする……と言われてもな」


「あー……あ、そうだ。小学校行ってみようぜ」


「む? ああ、私が通うとか言う寺子屋のことか」


「ああ、まぁ、概ねそんな感じ」


「そうだな、下見に行くとしよう」


「オッケーオッケー。んじゃ行こうか」


 乗れる自転車が無いので徒歩。まあ、ほんの4キロ程度しか離れていないので大した距離でもなし。


「しかし、この数日で慣れたと思ったが、この世界には変わったものがたくさんあるな」


「だろうなー」


 自動車とか見た時も結構驚いてたしな。流石に鉄の馬とかは言わなかったが。


「あ、タカヤ、あれはなんだ?」


「違法改造ブルドーザー」


「あれは?」


「違法改造装甲車」


「あれはなんだ?」


「違法改造バイク」


「違法だらけではないか!」


「この町は違法改造車だらけだ」


 日本一日本らしくない街だぞ、ここは。住人も外国籍の人間めっちゃ多いし。


「この町の住民は頭おかしい奴ばっかだからな。だからあんな車ばっかだ。みんなローザみたいな奴なんだ」


「ううむ……そんなに妙な奴が多いのか? 確かにエイラも変な奴だったが……」


「って言うと?」


「なんというか、説明がし辛いのだが……なにか違和感がある。言い方は悪いのだが、出来のいい自動人形を見ているような……」


「だろうな」


 戻ってきてから違和感の理由が分かった。

 ぶっちゃけ、フレッシュゴーレムなんじゃねえかな、あいつ。

 魂入ってないし。入力された通りにしか動けない人間っぽい何か。


 見渡してみると……割と居るんだよな、そう言うの。

 あと、魂の形がこの世界の人間と全く違う人間もかなり多い。

 たぶん、魂の形が違う奴に聞いてみれば全員スーパーチルドレンだと答えるだろう。


「この世界はなんでも受け入れる、か」


 文字通り、なんでも受け入れているんだろう。

 オレ達がこうしてここに平然と居られるのもそれが理由かもしれない。


「どうした?」


「んー? この世界はなんでも受け入れるのよ、それはそれは残酷な話ですわ、ってことだ」


「……お前、女の声真似がうますぎて気持ち悪いぞ」


「声変わりする前なら大抵みんな女みたいな声出せるはずだぞ。オレは高い声出す方法知ってるし」


 喉の筋肉で声帯を締めるだけだが。

 体中の筋肉を自在に動かせるオレならどんな声でも自在だ。特殊すぎる声は無理だが。


「お前の声真似も出来るぞ。ん、んー……んー、こんな感じかな」


「……私の声と違うぞ?」


「ああ、自分の声は骨伝導でも聞こえるから、違って聞こえるんだよ」


 あれ、ってことはオレの出してる声もレンの声とは実際には違うのでは?

 ……まぁいいや。


「……まぁ、かくし芸は置いといて」


「唐突にやりだして唐突に終わったな」


「オレはいつだって唐突だ」


「そうだな」


 納得すんなよう。


「さて、本気でかくし芸は置いといて、ここがお前の通うであろう小学校だ」


 まーぼちぼち普通の小学校。特になんという事はない。

 生徒会が強い権限持ってたり、変な部活あったりとかしない。

 生徒も普通の人間。……たぶん。


「ほー……大きい学び舎なのだな。寺子屋とはまた違う」


「そらな。どれ、ちょっくら潜入してみるか」


「いいのか?」


「構やしねえよ。どうせバレねえ」


 ちょうどよく休み時間のようだしな。

 というわけで、ぼちぼち校内に侵入。


「ふむふむ、中はこうなっているのだな」


「ああ。見ろ、あそこの壁」


 指差した先は明らかに他の箇所より板材が新しい壁。

 そして、その内側は理科室だ。


「色が違うな。それがどうかしたのか?」


「オレが小6の頃さ、過酸化水素で純粋酸素を大量に精製して火ぃ点けたら爆発してあそこがぶっ壊れた」


「お前はいったい何をやってるんだ……」


「ローザが」


「大体分かった」


 まぁ、ローザが唆したわけだ。

 ちなみに着火はローザの私物のジッポーライターでやった。

 なんでジッポー持ってたのかは知らんけど。


「あそこの窓ガラスが新しいのは?」


「図工の時間にエアネイラー改造して撃てるようにした奴が居て、吹っ飛んだ釘がぶち破った」


「獣臭い血の匂いが染みついているが、これは?」


「校内に迷い込んだ犬を解体して喰った奴が居た。ここが解体現場」


「む? ここらへんは酒の匂いがするぞ?」


「日本酒を密造してた奴が居た。もちろんそいつは小学生。2トンくらい密造したらしい」


「……この小学校には変人しか居なかったのか?」


「オレの世代はスーパーチルドレンが多かったんだ」


 スーパーチルドレンは基本的に問題児だ。

 頭がいいからみんな授業を放棄して、どっかで何かやらかしてる。

 大参事に繋がる真似をやってる奴も居たそうだ。

 中学校じゃ旋盤で拳銃を作った奴が居たらしいしな。


「……うん、オレの学生時代って凄いな」


 昔はこれが普通なんだろうと思ってたが、高校くらいからネット経由で色々と知って、異常なんだと知った。

 この町はホントになんなんだろうな、全く……。

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