表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/107

銭湯の年齢制限は都道府県ごとに異なる

「ところで母さんや、小学校に通うなら必須のものがあるよね。ランドセル」


「千里のがあるだろう」


「10年前のものだから、合成皮革じゃ劣化してて使い物にならないんじゃねえかな……」


「では修也のだな」


「黒は可哀想だろ。昨今トランスジェンダーが囁かれて、様々な色のランドセルが登場して、女の子が黒を背負う事もあるけど……」


「そうか。とりあえず、性転換を囁く阿呆はおらんと思うぞ」


「ジェンダーフリーだった」


 いやあ、うっかりうっかり。


「なに、安心しろ。ランドセルに教科書は既に手配済みだ」


「という事は、後はそのほかの諸々の道具か。リコーダーとか」


 修也のおさがり使わせるのは可哀想だし、やっぱり買うしかないよな。

 あれってどこで買えばいいんだろ?


「そうだな。一応言っておくが、しゃぶるなら隠れてやれよ」


「しねぇよ」


「しないのか!? 馬鹿な。私ならばしゃぶるぞ」


「なに堂々と変態宣言しちゃってんのこの人」


「使った体操着の匂いを嗅いだりもするだろう」


「しません。鼻が効くんで」


「風呂のお湯を飲んだりもするだろう」


「しません。たいてい入浴剤はいってるし」


「ああ、私も入浴剤が入って居たらさすがに飲まん」


 入浴剤入れない事があるのって、もしかして……いや、深く考えないようにしておこう。


「というか、そう言う変態的な会話は置いといて、小学校の準備でしょ?」


「ああ、そうだったな。まぁ、道具類は後々ご近所の方々に聞く。あとは、小学校生活における注意点だな」


 小学校の注意点、ねぇ……かれこれだいぶ前だし、あんま覚えてないな……。

 給食の当たりハズレが大きいことくらいしか。

 どうでもいいけど、小学生ってなんで牛乳でごはん食えるんだろ。


「その前にタカヤ、聞いてもいいか?」


「なんだ?」


「学校とは何をするところなのだ?」


「本音と建て前を学ぶところだ。勉強はオマケ」


「そう言うのは得意ではないな……」


「まぁ、ハゲの人にハゲって言っちゃいけないのと同じくらいのもんだ」


「なんだ、そう言う事か。それくらいは弁えている」


「そうか。ところでオレはイケメンだと思うか?」


「十人並み」


「……レンの、うそつきー!」


「い、いや、世間一般からして十人並みなのは事実だから……その、なんというか……わ、私は好きだぞ! そうでなければお前の嫁になどなっていない!」


「いや、うん……十人並みなのは知ってるから……」


 カーチャンは美人なんだけどな……トーチャンは平々凡々なわけで。

 しかし、オレはカーチャン似だったりする。顔のパーツがね。

 つまり、カーチャンのパーツを受け継ぎながらも、トーチャンの平凡さでそれらを台無しにしているのである。


「クッソクッソ……オレだって、昔はなぁ……」


「昔は?」


「……まぁ、美形だったんだ」


「ああ、写真で見たから知っている。しかし、あれは美形というよりは……」


「美形は美形だ」


「いや、あれは美形というより可愛いという……」


「整ってる事は整ってんだから美形だ」


「う、うむ……」


 微妙に男の娘っぽかったとかどうでもいいから。果てしなくどうでもいいから。

 あと、子供はみんな女の子っぽくてかわいいとか、そう言う事実もどうでもいいから。

 とにかく昔はまだ美形だったんだ、なぜあのまま成長出来なかったのか。

 慢心、環境の違いなのか。


「カーチャン、昔のオレは美形だったよな?」


「まあな。将来はどこぞのアイドルグループにでも入れるのではないかと思っていたが……なぜこうなったんだ?」


「本気で不思議そうにしないで。なんか傷つくから」


「10歳くらい若返れないのか? あるいは性転換とか」


「どっちも出来るけど?」


「そうか、仕方な……出来るのか?」


「出来ます」


 若返り薬も性転換薬も何個か持ってる。主にジルからもらったものだ。タカネ変身セットとして。

 あと、体重を劇的に増加させる薬とか、歯が全部抜ける薬とか、恐ろしい薬も貰った。

 何に使えって言うんでしょうね。

 性転換薬と若返り薬は今この場で役立ちそうな勢いだけど。


「では、若返れ」


「よし来た」


 さっそく若返り薬を取り出して一気。

 なぜ躊躇もなくやったかって? なぜならその方が面白そうだから。


 それに、タカネを見てると思うんだよね……。

 ああ、子供の頃に戻りたい……って。

 そう言うわけで、見た目だけでも若返ってみたかった。


 決して女湯に入れるからとか、セクハラしても子供のいたずらで済むからとか、そう言う理由ではない。

 決して。決して。


 さて、そう言うわけで、一分足らずで子供の姿に戻ったオレ。うわーい、服がだぼだぼでござる。


「懐かしい姿だな。昔はこんなに小さかったのだな」


「カーチャン、持ち上げるのやめろください。服が脱げる」


「ほう、どれどれ。成長具合を確かめてやろう」


「おいばかやめろ」


 ズボンを必死で掴んで抗う。

 見た目は8歳でも、心は18歳なのです。

 とりあえず、カーチャンから逃げ出し、今のサイズに合う服を着た。

 幸い、修也の昔の服がぴったしだった。だっせぇけど。


 しかし、若返った状態だと……うん、全てが新鮮だなぁ。

 タカネの姿になったときもそう思ったけど、馴染みのある家だからなおさらに。


「はー……視点低いなぁ。家の中が広く感じる」


「む……タカヤ、私の方が背が高いぞ!」


「な、なんだってー」


 確かにレンの方が目線が高い。

 というか、今のオレの肉体年齢は8歳だから当たり前ではある。

 子供の頃の1年ってデカいからね。それが2年ともなればなおさら。

 それに、子供の頃は女の子の方が身長の伸びが速かったりする。


「まぁ、オレが8歳でレンが10歳だしなー」


「ふむ、そう言うものか。しかし、これは面白いな」


「だなぁ。ちょっと外に出て体動かしてみるわ」


「私も行こう」


 というわけで、家の外に出て、軽く体を動かしてみる。

 色々と試した所、身体能力はタカネになった時と比べて、さほど落ちている感じはしない。

 まぁ、小さくなってる分だけ落ちては居るけど、たぶん、元の4分の3って感じかな。


「ふむ、性差かなー。どれ、この状態でも戦えるように、軽く打ち合ってみるか?」


「ああ、いいぞ。相手をしよう」


 アイテムボックスから木刀を取り出し、構える。

 うーん……木刀がデカい。こりゃ慣れるまで時間がかかりそうだなぁ。


 そう思いつつも、オレはレンと打ち合い始めるのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ