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運転免許は変態的行為に使えるのか

 さて、異世界に行ってどうのこうのの大波乱はつつがなく終わり、というか終わらせ、一日が過ぎた。

 今日は月曜日。どいつもこいつも仕事に行ったり学校に行ったりで大変な日だ。

 そして、オレは学校も無けりゃ仕事もない。


「そう思って寝てたのに、なんで起こされなきゃいけないんだ?」


「いいか、バカ息子。この日本には憲法において規定された義務教育と言うものが存在する」


「知ってる。でもオレには関係ないはずなんだけど」


 オレは中学生ではなくて高校生だ。既に義務教育は終えている。

 うちで義務教育なのは修也だけだ。


「そうだ。高校は義務教育ではない。が、小学校は義務教育だ。子供の保護者である日本国民には法律の定めるところにより教育を受けさせる義務が存在する」


「うん、で?」


「つまり、お前の嫁を小学校に通学させねばならん」


「……そう言えば、レンは10歳で、小学校で言えば小4か小5か」


「誕生日は4月27日だというから小4という事になる」


「ふーん……」


 ちょうど魔王倒す旅が終わった前後辺りで誕生日迎えたのか、アイツ。

 来年は盛大に祝ってあげないとな。


「そしてだが、あの娘にこの世界における保護者はおらず、お前の配偶者……まぁ、法律的に婚約者という事になり、私が保護者になるのが妥当になるな?」


「なるね」


「つまり、私はお前の嫁を小学校に通学させねばならん」


「うん。で、なんでいきなり今言い出したの?」


「修也が学校に行くところを見てようやく思い出した。だから叩き起こした」


「そうですか」


「あと、あの娘の戸籍云々はどうにかさせた」


 どうやってどうにかさせたのかは怖いので気にしない事にしておく。

 というか、わざわざ戸籍をどうにかしなけりゃ、義務教育云々の面倒くさい問題は出てこなかったんじゃ……。


「しかし、問題が一つある」


「なにさ?」


「……あの娘は小学校の授業についていけるのか?」


「……どうだろ?」


 勉強とかは欠かしてないって聞いてたが、この世界の勉強についていけるかは未知数だ。

 レンを呼び出して、適当にテストを受けさせないといけないな。



 というわけで、レンを呼び出して、軽い四則演算の問題をやらせてみた。

 すると問題なく全て正答。今度は漢字をやらせてみたら、オレでも書けないような漢字をスラスラと書いて見せた。

 というか、漢検一級や二級くらい取れるんじゃ……。


「大よそ問題はなさそうだな」


「みたいだね。家庭科も大丈夫だろうし」


「だろうな。体育はどうなのだ? 特段にぶそうには見えないが」


「レンがオリンピックに出場したら金メダルでオセロが出来るよ」


「裏と表が分かりにくそうだな」


「じゃあ銀メダルも程々に取らせて、銀メダルと金メダルをセロテープでくっつけよう」


 アホな事を言いつつ、今度は社会科。こればっかりはさすがに暗記が必要だったが、飲み込みは素早かった。

 理科も同じく素早く覚えていく。どうやら暗記自体が得意らしい。


「そう言えば、引っかけ問題とかやらせたっけ?」


「やらせていないな」


「じゃ、ちょっと難しめの算数の問題出してみるか」


 四則演算は普通に出来てるし……文章題で難しそうな感じなのを……。


「えーと、太郎くんは2800キロ離れた八百屋さんに、時速1200キロで走って行きました。しかし、三十分走ったところでお財布を持ってくるのを忘れたことに気付いて、一度家に帰りました。さて、太郎くんが八百屋で買い物を終えて戻ってくるまで何時間?」


 ちょっと引っかけも交えた問題だ。これがとければ算数の辺りは問題なくやれるだろう。


「ええと2800キロ離れたところに行くのに2時間20分だ。途中で30分走った所で30分かかる所に戻ったから……分かった。5時間40分だ」


「正解」


 引っかけにも問題なく対応出来たし、大丈夫だろう。


「あとはぼちぼちやっていけばなんとかなるか。漢字も当然問題ないだろ? 読めない字とかあったか?」


「ああ……私にも読めん字があるのだ」


「なんと。漢字の読みならオレに任せろ。読みだけなら漢検二級も行けるオレだ。書くのは四級すら厳しいがな」


「これだ」


 差し出された文字は宇宙。


「いや、普通にウチュウって読むんじゃ」


「なんでもこれでガイアと読むらしい。こういった名前の子がたくさんいるとエイラがな……」


「そう言うの例外だから気にするな」


 ちなみにエイラというのはローザの妹の事。レンと同い年だ。


「さて、とりあえず問題はなさそうだな。あとは、通学か……」


「そうだな。ここから小学校までの距離は確か……4キロほどあったか?」


「そんくらい。歩いてったら一時間くらいかかるな」


「やはり自転車か?」


「無理だろ……」


 あの世界に自転車なんてなかったんだし。移動手段は徒歩か馬が基本だ。

 さりとてこの世界で馬を移動手段に使う訳にもいかず。


「……車の免許取ろうかなぁ」


「ふむ……で、それはいったいどんな変態的行為に使うためのものなのだ?」


「お前を送るために取ろうかと思ったのに酷い奴だなお前は」


「日頃の行いが悪い」


「あー……自覚はまあ、してる」


 しかし、どうする? さすがに毎朝走らせるわけにはいかないし。

 そもそも、予定では二週間で帰る予定だったのに、なんで小学校に通う事になってんだろ?

 まあ、今はいつ帰れるか分からない状態にはなってるんだが。


「とりあえず、お前の嫁だろう、バカ息子。お前が自転車で送れ」


「へーへー。で、学校はいつからなん?」


「明日」


「はえーよ」


 もうちょっと色々と相談とかさせて欲しかったよ。

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