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思春期過ぎると、顔の印象変わるよね

「レン、ほら、オレと組もう。な?」


「ああ……」


 どうしていきなりダウナーになってしまったんだ、レン……。


 その後、なんとかレンのテンションをアゲて復活させる。

 その最中にさりげなく聞き出してみたのだが……。

 どうやら、子供の頃……というか、今でも子供だが、全く友達が居なかったらしい。

 ……主にあの父親のせいで。


「ええい、あのヤローは悪影響しか残さねーのか」


「まるで放射性物質。主に汚い存在的な意味で」


「なかなかうまいこと言いやがって。でも分かりにくいな」


 汚い爆弾とかけたわけだが、それはさておき。


「さて……レン」


「なんだ?」


「帰るか」


「え? 帰るのか?」


「帰りたくないのか?」


「いや、しかし、ロザリンデ殿と共に鍛錬をするのでは?」


 そういって、入念にストレッチを続けているローザたちを指し示すレン。

 数十人の屈強な男たちに交じって、たった一人だけ美少女が居るって言うのは珍妙な光景だな。


「いいか、こいつらに付き合ってたら命が幾つあっても足りん。こいつらの訓練は厳しすぎる」


「しかし、幾ら厳しいとは言っても、私たちであれば……」


「レン、こいつらは5歳児の両手足を縛って川に放り込むんだぞ」


 ちなみにその5歳児とはオレとローザの事である。

 しかも、ローザが指示したのである。下手したら自殺志願だ。


「……それは何のための鍛錬だ?」


「水中適応訓練。溺死を防ぐための訓練だ。20分間水面に浮かび続け、川底の柱に突き立ててあるナイフを回収してくるだけだ」


 ローザが補足してくれた。

 そう言う目的だったのか……なにしろ10年以上前だからさっぱり覚えてねえや。

 というか、水に放り込まれた事が怖すぎて他が曖昧だ。


「確かに妥当な訓練かも知れんが……溺死したらどうするのだ?」


「ちゃんと協力員を用意してあった。溺れれば救助してくれるように頼んであったしな」


 そう言う問題じゃないと思うんです。


「他にも真っ暗闇の中で生活したり、五感を封じて生活したりとかしてたぞ。ちなみに、オレが妙なバイタリティに溢れてるのはそれが原因だ!」


「そんな事に付き合っていたのかお前は!?」


「子供の頃は割とローザの腰ぎんちゃくだったからな」


 他に遊び相手が居なかったっていうのもある。

 香苗は習い事で居ない事も多かったからな。

 すると必然的にローザと一緒に居る事になり、ローザのしんどい訓練に付き合うことになった。


「可愛いものだったぞ、子供の頃の一文字孝也はな。私の後をちょこちょこついて来ては、何かを期待するような目で見てくるのだ」


「ほ、ほう……もうちょっと詳しく」


「おいやめろ」


「一文字孝也は今でこそ冴えない風貌だが、子供の頃は可愛らしくてな。声も高く、女に間違われる事も度々あった。髪を伸ばしていた時期もあったのだぞ。私がちょっとお願いしたら、いともたやすく頷いてくれたぞ」


「おい! カメラ止めろ!」


「ほ、ほう……その頃の写真など無いのか……?」


「あるぞ。あとで見せてやろう」


「かたじけない。それで、他には?」


「私は見ての通り実用性で服を選ぶ性質だが、両親は私に可愛らしい服を買い与えてな。私はそれを一文字孝也に着せていた。本人もまんざらではなかったと思うぞ」


「CM! CM入れろ! 速く! 速く!」








「いやー、帰って来たなー、我が家」


「そーですね」


「なんかレンはローザの家に遊びに行くとかで息巻いてたけど、どーしたんでしょーねー?」


「そーですね」


「さーて、なんだか心がズタボロですが、我が家に帰りましょう」


「そーですね」


 というわけで、現実逃避する事で事なきを得て我が家に帰って来た。

 清々しい我が家だぜ……カーチャンはランニングに出てったのか。

 そう言えば、魔王はどこだろ。と思ったらソファの上でぐーすか寝てた。


「まーでも、あれだよね」


「なにが?」


「タカヤってマゾ気質……って言うか、受け身気質だよね。ほら、腰ぎんちゃくだった辺り」


「おい、なに言ってんだお前」


「だって、あれじゃん。タカヤって自分を引っ張ってってくれるような人の方が好きでしょ?」


「うーん……まぁ、確かに、そうだけど」


 さり気にシエルちゃんもアリシアちゃんも引っ張ってくタイプだしなぁ。

 レンとか程ではないけど、行動力はあるタイプだ。


「……でも、逆に考えると周りにそう言う子しかいなかったから、刷り込まれたって言う可能性もあるんだけど」


「ああー……」


 確かに香苗もローザも引っ張ってくタイプだ。

 オレが受け身気質なのは、そう言うのの影響なのかも知れない。

 元々自分から動こうとするような奴じゃなかったし。


 今では自分から動くようになったが、引っ張られてるうちに自分から動く方法を学んだからだろう。


「同い年だけど、ローザは姉ちゃんって感じだったしね。香苗はー……双子の妹かな。ただ、兄を振り回す感じの」


「そんな感じだな」


「子供の頃、女装させられても満更でもなかったのはあれなんじゃない? 男性的な部分の強いローザに引っ張られたかったって事じゃない?」


「そーかもな。女装の事はあんま覚えてないが……」


 でも、あれって子供の遊びの範疇だったしなぁ。

 服を取り換えっこしよう、って提案されて、取り替えただけだったと思うし。

 ……でも、ローザがそれ提案する時は毎回可愛い服着てたような気がする。策士め……。


「……服取り替えっこってことは、ローザは男の服を着てたわけだから、オレが女でローザが男って形になるしなぁ」


「意外と当たってるかもね、この考え」


 まぁ、当たってるからなんだって話なんだけどなー。

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