タイトル未定2026/02/28 22:07
読んでくれぇ
第一章 液体の反逆者。この国では二人に一人がアビィリィティを持つ。能力の強さがそのまま身分になり、強い者は支配し、弱い者は使い捨てられる。それが当然とされる世界だった。だが俺には理解できなかった。能力が強いだけで偉いのか、弱いだけで切り捨てられていいのか。だから俺は決めた。この国を壊す。そして自分が住みやすい国を作る。そのために必要なのは力と情報だ。俺は廃水路で国家関係者を待っていた。湿った空気、壁を伝う水滴、足元に広がる浅い水たまり。ここは俺の能力が最も活きる場所だ。ウォータードミネーション。液体を操る俺の力は、環境次第でいくらでも拡張できる。やがて足音が響いた。迷いのない歩幅。現れたのは黒いコートの女だった。視線が合った瞬間、女は言った。「見つけた」。俺は眉をひそめる。「何だお前」。女は静かに告げた。「ブルーディザスター」。心臓が跳ねた。なぜその名を知っている。「なぜ俺の能力を知っている」。女は答えず、手をかざした。その瞬間、空気が変わった。乾燥。急激な乾き。壁の水滴が消え、足元の水が蒸発し、喉が焼ける。「貴様の水を操る能力では私の前では無力よ。私の半径十メートルにある水はすべて蒸発している」。熱を操る能力。最悪の相性だ。普通なら詰みだ。だが俺は笑った。「なら試してみろ」。ブルーディザスターが背後に現れる。青い装甲の人型。左腕がしぼみ、血が内部に集中する。圧縮、圧縮、限界まで圧縮。「くらえ」。赤血咆哮。左腕が弾け、鮮血が刃となって女へ飛ぶ。大半は蒸発するが、わずかに届いた血刃が女の肩を裂く。女が吹き飛び、血が散る。その血が空中で止まる。震える。俺の意思に従って引き寄せられる。ブルーディザスターの左腕が再生する。女が息を荒げる。「血だけではないのか」。俺は近づき、首を掴ませる。「国家は何を隠している」。女は笑った。「遅い」。次の瞬間、爆発が起きた。衝撃波で吹き飛ばされ、視界が白く染まる。煙の向こうから男が歩いてきた。無表情。指先に集まる光。光線が放たれ、俺の胸を貫くような衝撃が走る。体が動かない。意識が落ちる。目を覚ましたとき俺は自宅にいた。どうやって戻ったのか記憶が曖昧だ。数日、体を休めた。だがある日、再びあの男が現れた。「来てもらう」。抵抗するが完全ではない体では不利だ。車の前まで連行される。ドアを開けられた瞬間、最後の力でブルーディザスターを呼ぶ。しかし光線が再び放たれ、意識が途切れる。次に目覚めたのは見知らぬ部屋だった。目の前に少年が立っている。「起きたか。俺は反逆軍の幹部だ」。警戒しながら問いかける。「なぜ俺を知っている」。少年は笑う。「お前の能力は血だけじゃない。液体そのものだ。そしてブルーディザスターは国家が探している特異点だ」。その言葉に胸がざわつく。通信が入り、反逆軍のボスから指令が下る。「工場を殲滅しろ」。俺と少年は向かった。工場長の能力は反射。物理以外は跳ね返す。何度も攻撃を弾かれ、体は傷だらけになる。それでも隙を突き、物理打撃で倒した。だが死体の胸が裂け、黒いスライム状の何かが溢れ出す。ブルーディザスターが飲み込まれる。俺は後を追い研究施設へ潜入する。医療班の女と共に侵入するが、研究員に見つかる。能力は接合。触れたものを強制的にくっつける。医療班の女は壁に固定され、ブルーディザスターも床に縫い止められる。俺は血を流し、それを操って研究員の足元を崩す。ブルーディザスターは自ら腕を引きちぎって拘束を破り、研究員を吹き飛ばす。しかし装置が起動し、培養槽が開き、黒い液体がブルーディザスターを包み込む。融合プロセス開始の表示。残り時間二分四十八秒。俺は迷わず培養槽へ飛び込む。黒い液体が体内に流れ込むが、液体なら操れる。内部から支配し、工場長の胸に残る核を掴み潰す。青と黒の液体が衝突し、ブルーディザスターが再構成される。施設が崩壊を始める中、進化したブルーディザスターが俺を抱え脱出する。俺は確信する。国家は能力で人を選別しているだけではない。能力そのものを利用し、何かを作ろうとしている。そして俺の力は、その中核にある。だからあの女も、あの光線の男も、俺の能力を知っていた。すべては繋がっている。ここからが本当の反逆の始まりだ。
読んでくれてありがとぉ




