カプチーノ
掲載日:2025/10/18
夜の峠、90年代前半の古いオープンカーに乗り、
若者たちが集まる金峰山。
暴走族とは違う、明確に速さに拘った集団。
何者も寄せ付けない白いシビックたち。
ライトに走りを楽しむ軽カー勢。
県外から来る猛者たち。
走り屋の聖地と化した深夜の公道は、街頭も殆どないようなうねった道。
アウト・イン・アウトを繰り返し、
ヘッドライトだけを頼りにアクセルを踏む。
ヘアピンを曲がり損ねれば、谷底へ落ちる。
乾いたエキゾースト・ノートが響く。
峠の茶屋を目指し、上り、下る。
ただそれだけで、ただガソリンを消費するだけで、
楽しかったあの頃。
集まる者は皆、20代。
学校とは違う大人になってからの遅めの青春。
月明かりに照らされ、煙草に火を付け、
朝方4時頃、一斉に帰り出す。
眠気と共に昇る朝日を感じながら、ベッドのある自宅へと走る。
ガソリンは...もう明日にでも入れればいいや。
今となっては燃料代が高すぎて、行けないな。
でも、あの頃の事は今でも活きている。
走り屋時代があったから、通勤でも楽しめるんだ。




