9 第1王子ルシファード兄上を差置いて、皇太子の座を狙うい第2王子!トモルシードはその計略を防ぐ事が出来るのか?
本格的に、ルシファード兄上を皇太子に成ってもらう為に、トモルシードが動き出す。
翌朝、毎日のルーティンのトレーニングをして、
自分専用の闘技場から出て、寝室から出れば、
リビングでセバースが9人がベッドで眠り込んで居る状況に、頭を抱え込みながら寝室から出て来た俺に
詰寄って来た。
「これは、一体何なのですか?」
挨拶もする余裕も無くなっている。セバースに事の概要をした。
呆れながら
「まさか、ルシファード第1王子を殺そうとした輩を
味方にするなど…
トモルシード様は何を考えておいでか、
私では理解に苦しみます。」
そこで、殺し屋の彼が起きて
「あっ、お早うございます。トモルシード様!」
と俺の前で、片膝を付き頭を下げている。
俺は、彼に執事のセバースを紹介し
「今日から、お前の上司に成るのだから、自己紹介を自分でしろょ!」
と元殺し屋に命じた!
「今日から、トモルシード王子様に御使えする事に决めた成りました。
ジンと言います。
どうか宜しくお願いします。」
そう言えば、彼の名も知らなかった。
ジンは、恐らく隠密系の斥候職を得ているのだろう。
セバースの部下にした方が、正解だった。
ここから、ジンの家族達が起き始めた。
殺し屋稼業では、それほど豊かな暮らしでは、無かったのであろう。
昨夜は、じっくりと人の家族を観察しては居なかった!
今翌々見れば、薄汚れた服を纏っていた。
俺は、セバースに彼等8人分の衣服を用意して来てくれと
頼み金塊を1つ手渡し
城下街へ向かわせ
ジンにシャワー室の使用方法を教えて、先に男性人からシャワーを浴びさせ俺の衣服を用意した。
3人の男の子とジンにシャワーにて、身体を清潔にさせ
女性人にシャワーの使用方法を説明しながら、セバースの帰りを待った。
そこで始めて、こんな朝早くに衣服を購入出来る筈がない事実に気がついた。
しかしながら、有能な執事であるせバースは、自分の家の自宅から8人分の衣服を用意して来た。
俺は、流石にセバースの有能さに感心して
「この時間に、8人分の衣服を用意しろとは、少しばかり自分勝手な命令だった。」
とセバースへ謝罪したが
「そんな事は、ありません。
偶然私の家に、彼等でも着るサイズの衣服があっただけですょ。」
笑顔で俺に答えた。
セバースに感謝しながら
「済まないが、ルシーシアに朝食会には今日は参加出来ない。と伝えて来てくれ!」
と執事セバースに頼み
着替えたジンに
今後の話を説明し話す。
「ジンの家族同然の8人は、俺が責任を持って、母上の別荘で守る!
お前には、2重スパイとして敵の情報を探って欲しい!!」
安心した表情で頷くジンに
「昨夜は、ルシファード第1王子の部屋へは侵入出来ず、暗殺の計画は失敗したと報告しろょ!
俺がルシファード兄上の部屋に兄上に対し反意ある者は、結界により侵入出来なくしておく。」
承知致しました!
と返答したので
「それと、ジンの家の二階の奥にこの部屋に直接行き来できるドアを設置して置くから、
敵の情報はこの部屋で書き出してセバースに預けろ!」
そうして新たな配下が出来て、8人を低位瞬間移動魔法で母上の別荘へと逃した。
8人の教育と礼儀作法は、全てセバースの奥さんに頼み。
ルシファード兄上の部屋へ趣き結界を張り直した。
その後ジンの家へ低位瞬間移動魔法で行き魔石を錬成し、俺のリビングの部屋へと繋がる。
ドアを設置した。
ジンにルシファード兄上を殺せと命じた者達が仮に確認しに来ても、ルシファード兄上の部屋には入れない。
これで、ジンがルシファード兄上を暗殺出来なかった事が命じた敵にも理解は、出来るだろうと俺は考えた。
自室から母上の別荘へと繋がったドアに新たにジンを登録したので、
セバースとジンの2人は何時でも家族の元へ往けるのだ。
丁度お昼前になり
「別荘で暮す者達も増えた事だし、セバースは城下街で
食料の材料を多めに
購入しドアから別荘へと届けてくれ。」
金塊を1つ渡せば…
「幾ら何でも、多過ぎますよ。トモルシード王子!」
とセバースに叱られたが、俺の財布の中が空っぽ何だから
しょうが無い。
俺は、どうせなら財布の中にも緊急時に備えて、
この際セバースに金塊の両替商で金塊を現金化して貰うことに決め
金塊2つ追加して
「俺の財布の中も、空っぽだから……」
空っぽの財布も渡し
人手が必要ならば、ルシファード兄上の護衛に手伝って貰え!
ルシファード兄上の執事長ならば、多少の武芸は出来るのでは??
とセバースを試した。
「これだけの対策をしたのだから…
後は、敵の情報収集と行動に対処するだけだから、
セバースは安心して、
別荘で暮す家族達が楽しく
生活出来る様に
励んでくれ!」
セバースは、一安心しながら俺の部屋を後にした。
俺は、王国図書館へ行き
魔法書を読み込み、新たな魔法習得に励んだ。
昼食前には、セバースが図書館の俺の元へ戻り、パンパンに膨れた財布を俺に渡し
「残りの金貨は、執務室に保管しております。」
俺は、御苦労さんと伝えて魔法書を閉じルシーシアの部屋にセバースを伴い向かった。
昼食会では
ソフィーシア様から
「第2王妃のアレキサンドリア様が、
第2王子のギルザルシーを皇太子の座に据えようと、
動き出した様ですよ。
トモルシードさん。」
と情報を与えてくれたが?
俺は、ソフィーシア様の情報力に、呆気に取られた。
裏で絵図を描いていた犯人は
第2王妃のアレキサンドリア王妃だと、判明したからだ。
理解出来れば
簡単な話だ。
あのままルシファード兄上を
呪術で亡くなるのを
待てなかったからこそ
ジンを暗殺者として、差し向けたのだ。
皇太子の擁立には、
大臣達の承認が必須条件だ。
恐らくは、自分達が有利に成るには、
ルシファード第1王子が亡くなれば………
自然と第2王子のギルザルシーが皇太子候補へとなる。
計画を前倒しにしたせいで
第2王妃アレキサンドリアは
俺に色んな目論見をする
チャンスを与える事になる。
俺は、ジンの報告を待ちながら、ルシファード兄上と連係しながら対抗策を練るだけでよくなった。
時間的な余裕が出来たので
ソフィーシア様からのダンジョン挑戦へのチャレンジを
今週末にでもと、提案できる。
「それは、ルシファード第1王子と自分には好都合ですょ。
なので、ダンジョンへの
チャレンジは今週末にでも
行なっても
宜しいでしょうか?」
訝しげな眼差しで
「ダンジョンへの挑戦は、
暫くの間は、延期するという話では無かったかしら?」
俺は平然と
「ルシファード第1王子を狙う主謀者が、判明した今は
相手の出方を監視して置くだけで良いと、
判断しました。」
自信アリ気な俺の言葉に
「トモルシードさんが、
その様に決断したので
在れば、私くしに異存は
ありません。
週末の昼食後に警護の2人を、動向させますよ。」
これで、俺の冒険者への道が
また一歩前進して昼食後
颯爽と自室に戻った。
それからは、毎日のルーティンとトレーニング
夜は、ダンジョン攻略に励み
約束の週末を迎えた。
昼食後に紹介された護衛役は
ソフィーシア様の護衛長と
ルシーシアの護衛長だった。
名前迄は、覚えていないが
よく見知る者達であった。
その2人が
俺に、一礼し
「私は、上級騎士ロメオと言います。
そして、この者の名はアル言い中級騎士です。」
と自己紹介してくれた。
「今日のダンジョン挑戦への動向の件、宜しく頼む!」
と伝えてから、
ソフィーシア様へ
「それでは、この2名を伴いダンジョン挑戦に挑みます。」
と伝えてサグラダ・ファミリアへと3人で向かった。
低位瞬間魔法を使用する訳にはいかず、徒歩にて向かう道中
「ダンジョン内では、様々な魔物達と対峙するでしょうから、トモルシード第4王子の剣技の実力は承知していますが……
初のダンジョン挑戦ですので、余りご無理はなされないで頂きたく思います。」
ソフィーシア様の護衛騎士ロメオが、俺に伝えて来てくれた。が?
「ルシーシアとソフィーシア様に命令されたのだろうが、
その事には従えない!
2人に護衛して貰う事にはならない!
俺について来れなければその場に、置き去りにするからな!!」
と、強い意志を持って伝えれば
「トモルシード第4王子は、私達の事を試すお積もりなのですか?」
2人の表情が一瞬で、厳しくなった処でサグラダ・ファミリアのダンジョンへ着いた。
ダンジョンの地下一階層へと入り進めば、魔物がほぼ出現して来なかったという事は、誰かが、少し前に攻略していたのだと思う。
夜に俺が攻略していた時は、普通に数種類の魔物に遭遇していたからだ。
地下一階層のフロアボス部屋の前には、二組の冒険者パーティが、待機していた。
俺は、此処で待つつもりは無い。
「悪いが、先に行かせてくれ!
俺達だけでこのフロアボスは倒せるのだから…」
先に待っている冒険者パーティ達が、全員で俺達3人へと視線を向け
「この階層のフロアボスが、巨大蜘蛛で最低限30人の冒険者が必要なのを、理解して居るのか?」
1番フロアボス部屋に近くに居た恐らくパーティのリーダーらしき人物に問われた。
「俺達は、待つ余裕は無い!ボス部屋に入らないのであれば、退いてくれ!!」
その言葉に気性の荒い数人の冒険者から
「舐めてんのか?
たった3人で倒せる様なフロアボスでは無い!
命が惜しけりゃさっさと帰りやがれ!」
そこで奥に居た先程のパーティリーダーが
「お前達!よく彼等の姿を見ろ!
どう見ても聖騎士様だ。
それに発言された彼は、
恐らくは御貴族様だぞ。」
彼の言葉で、全員の視線がが俺に集中した。
その一方で
「無礼で無ければ、
私達もフロアボス部屋へと挑んでも構わないでしょうか?」
との問に
「先にフロアボスの前に居たのは、君達だから当然の権利だ、」
と俺が返答すれば、
彼等は道を開けた。
その中を堂々と歩きフロアボスの部屋の扉を開けその中へと入り全員が中に入り自動的に扉が閉まれば、
フロアボス部屋の中央に魔法陣が浮かび上がり
巨大蜘蛛が出現した。
此処で俺は、自分が無詠唱で魔法を出せる事が識られる訳にもいかず、
護衛騎士2人にファイアーボールで敵を攻撃しろと命じ
自分自身も素早く詠唱する。
巨大蜘蛛が尻をこちらに向け蜘蛛の糸を何重にも出して
攻撃対象に向けた所で、
詠唱が終わり
巨大蜘蛛にファイアーボールを投げその噴出された何重にも枝分かれした糸を焼き尽くす。
俺にとっては、お決りな事だが巨大蜘蛛はここで体制を変え、食い殺そうとして来る。
「先に俺が巨大蜘蛛の足を切断するから、2人は身体を斬り裂け!」
と命じれば
「畏まりました。トモルシード第4王子様。」
と追従する。
俺は素速く行動に移し巨大蜘蛛の足を、その手に持つインゴット製の剣で切断し
ロメオとアルが動けない巨大蜘蛛へと攻撃し
悲鳴じみた声を出す巨大蜘蛛の頭部を俺が斬り裂き巨大蜘蛛を倒した。
巨大蜘蛛が消滅し魔石とインゴットが出たが
「君達で分けてくれ!
俺達は、先を急ぐから!」
と伝えフロアボス部屋の出口の扉を開け放った。
地下2階層へと向かい前に進めば、中間辺りでロメオとアルの息が上がって来た。
「少しばかり、休憩するか?」
と言えば
アルが
「そうして頂ければ助かります。」
とヨロヨロと近くの魔晶石が輝く壁に手を付いた瞬間
壁に魔法陣が浮かび上がり
「直ぐにその壁から離れろ!!」
と俺は怒鳴った。
「エッ」
とアルが呆然とした瞬間魔人が出現しアルのその首を
魔人が持つ剣が襲う。
アルも自分の剣で防ごうとしたのだが、騎士剣は抵抗むなしく折られたが
その少しの抵抗があった為
俺の手がアルのその背を掴み
俺の背後に投げ出す間が、
出来たのだ。
その魔人は
「チッ、殺し損ねたか?」
と人語を話したのだ。
俺は、驚きながら観察する。
真赤な長髪をしたダンジョン内では、有り得ないドレスを着た妖艶な女魔人は
「貴様が邪魔をしなければ、其奴の首を切断出来たのに…」
と俺に鋭い眼光を向けながら
紅く鈍く輝く剣を構え直した。
俺は、瞬時に思考加速と先見の明を併用し
「貴様は、一体何者だ!」
と胸元の開いたダンジョンには不釣り合いなドレス姿の魔人に問う
「聞いた所で、直ぐに死ぬのだが、教えてやろう。
ダンジョン内のトラップに触れた為、魔人のアタシが召喚されたのだ!?」
始めて知った内容に、俺はダンジョンの奥深さを識る。
思考加速で相手を観察しながら相対する。
「理由は理解したが、お前では俺を殺せないと思うぞ!」
ダンジョンの3階層には、この魔人よりも強力な魔力を放っていた敵も居たからだ。
「どうやら、直ぐに死にたいらしいな?
小僧!」
そう云うのと同時に妖艶な女魔神は斬り込んで来た。
その剣速は大した物だが俺は受け流しながら、相手の反応を伺う。
「何―?人間ごときにアタシの剣速に対応可能なはずは無い。」
と憤って居るので、挑発して置く
「魔人如きの剣速が俺に通用すると思うな!」
そう返せば相手は俺を睨みながら
「小癪な真似を…アタシの実力をその身で受けて死んで後悔しなっ!」
連続攻撃で剣技を繰り出してきたが、紙一重で躱しながら剣で、相手を翻弄してやれば
「そんな馬鹿な!」
と慌てた事で、剣技のキレが落ちながら必死に攻撃をする
俺もこの剣術が、この魔人の限界だと感じ
その首を横薙ぎに切断し倒し魔石と赤いインゴットを収納して
「大丈夫だったか?アル…」
と俺の背後で固まっていたアルへと問う。
「アッ、ええトモルシード第4王子様のお陰で助かりましたが…
騎士剣が折れてしまいました。」
この意見に乗ったのは、ロメオだ。
「アルが戦闘不能に成ったのですから、もうダンジョンを出ましょう。
トモルシード王子様。」
気持ちは理解出来るが、こんな所では終われないので
「君たち2人は、ここに結界を張るからその中で休んでいろ。
こんなに早く帰れば、
ソフィーシア様にダンジョンに挑戦するには
まだ早いと取られかねない。
この砂時計が落ちきるまでは、俺は先へ進む。」
唖然とする2人をよそにその場に結界を張り、
収納魔法から砂時計とポーションを出し与え
「この砂時計が、落ち切るのは、2時間後だ!
その間ここでポーションを飲んで体力を回復させ待っていてくれ!」
と告げて走り出しながら俺もスマホのTIMERをセットした。
2階層のフロアボスも分身体を出して突破し
3階層の途中でスマホのアラームが鳴り
低位瞬間移動魔法で、ロメオとアルが待つ結界の少し手前に移動し、
2人の前に駆け寄った。
「ご無事で成り寄りでした。
トモルシード王子様。」
安心している2人に、結界を解除しながら
「持たせたな。
じゃあユックリと城に
戻ろうか?」
2人は頷きながら、
「トモルシード王子様の護衛から離れた事は………
どうかご内密に出来ませんか?」
「それは構わない。
俺がダンジョンに1人で、
挑戦出来るだけの実力者だと
ソフィーシア様とルシーシアに報告さえして貰えば良い。」
俺達3人はユックリと城へ帰還した。
俺は、自室に戻り寝室から闘技場の竈へ行き、
インゴットで、新たな剣を鍛冶職で作り出し満足し、
セバースと共にルシーシアの部屋での夕食会に出た。
アルとロメオが必死に説明したのであろう。
ソフィーシア様から
自由にダンジョン攻略をする事を許された。
夕食会の後、俺は聖騎士のアルとロメオを呼び出した。
「二人共、有り難う。
ソフィーシア様に、
俺のダンジョン挑戦の件では推薦してくれたと聴いたのだ。」
2人には、感謝しながら話すと
「自分達は、ダンジョンではトモルシード第4王子の御荷物でしたので、
気にしないで下さい。」
と言うが、アルは騎士剣を魔人に折られていた筈だった。
なので
「2人には、迷惑を掛けたお詫びに、
俺から騎士剣をプレゼントしたいのだが。」
アルは、喜びながら
「ダンジョンで、あの魔人に騎士剣を折られて
どうしょうか?
と考えていた所ですので
有り難いです。
トモルシード第4王子様。」
苦笑しながら提案を受け入れたがロメオは余り欲しそうでは無かったので
「まぁ無理にとは言わないが、俺が創り出した騎士剣を手にしてから判断してくれると、有り難い。」
2人に、それぞれ騎士剣を渡せば
「通常の騎士剣よりも随分と、軽く感じるし凄く斬れ味が良さそうです。」
ロメオが俺の騎士剣に、興味を持っている。
つい嬉しくて
「騎士剣の長さなどは、ほぼ全て同じだが
長期戦を考慮し軽量化してある。
斬れ味と強度は俺が保証するよ!」
「有り難く頂きます。」
ロメオとアルは騎士剣を嬉しそうに手にしながら、
俺に一礼して戻って行った。
これで後は、ダンジョンの攻略をしながらルシファード第1王子を、ハメた奴等を
こちらが潰す番だ。
決断しながら自室で
ジンが提出した報告書に目を通してから、
サグラダ・ファミリアのダンジョン地下2階層へと向かった。
遂に本性を現した第2王妃アレキサンドリア!
トモルシードは、その計画を潰せるのか?