決断の朝
朝、目が覚めた俺がリビングに向かうとテーブルには既に食事が並んでいた
「おはよう、リヒト」
キッチンからソーレが出できた
昨日あんな事があったから少し心配だったが……
「おはよう、ソーレ……朝飯作ってくれてありがとう」
「ううん、気にしないで」
二人でテーブルに着く
「昨日は……ごめん、私となんてやっぱり嫌だったよね……それでね、リヒト、私これから」
「まって……その前に一ついい?」
「いいよ」
ソーレがどんな決断をしたのかは分からない、けど……その前に俺からソーレにどうしても伝えなきゃいけないことがある
「昨日俺が断ったのはソーレのことが大切だったからだ」
「私のことが大切?」
ソーレは首をかしげている
「そうだ。だから手を出さなかったソーレが嫌だったからじゃない」
「……大切だと嫌じゃなくてもしないの?」
「ソーレが本当にしたいとき以外はしなくていい」
「そんな風に言ってもらえたのは……」
ソーレは一瞬顔を伏せる
「リヒト、私のこと嫌じゃないんでしょ?」
嫌だったらそもそも全人生かけてまで助けないと思うんだが
それでも俺に信頼を寄せられないのは奴隷としての生活がそうさせているんだろう
「当たり前だ。俺が一度でもソーレにそんなこと言ったことがあるか?」
「あるよ、昔たくさん言われた」
「あれはお前が我儘だったからだろ」
「じゃあ……さ、しばらくここに住んでもいい?」
「勿論、いいよ」
少しほっとした
「ありがとう、よろしくね!リヒト!」
少しぎこちなかったが、数年ぶりに見たソーレの笑顔は花のように綺麗だった
「こちらこそ、ソーレ」
朝食を二人で食べ始める
「……私に何があったか気にならないの?」
ソーレは暗い顔をしている
もしかしなくても昔のことを思い出しているんだろう
「気になるけど……聞いて欲しいの?」
確かに気にはなるが俺に無理に聞くつもりはない
「……話したくない、かな」
「ソーレが話したくなった時に聞くよ」
「私、リヒトに優しくしてもらってばかりだねっ、」
困ったような眉になる
「だからって、昨日みたいに襲ってくるなよ」
「もっ、それはもう忘れてっ」
ソーレは赤面して手で自身の顔を覆う
そんなやり取りを続けながら朝食を済ませた
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