夕飯
家に着いた
「入って、どうぞ」
「お邪魔します……」
ソーレはおずおずと扉を通る
「自分の家だと思ってくつろいでもらって大丈夫だから」
「ありがとう、リヒト」
買い物袋をリビングに置いた俺は台所に足を運び料理を始める
冒険者になって二年、家に居るときは毎日自炊をしてきた。料理の腕にはそれなりに自信がある
パスタを茹で、野菜をカットし、スープも同時に作り始める
なるべくバランスのいい夕飯に仕上げよう
「私にも手伝えることってある?」
ソーレがリビングから顔を出した
「じゃあ、できたものから運んで」
「分かった」
ソーレが出来上がった料理をテーブルに運んでくれている
その横で俺は仕上げに取り掛かる
「できた!」
料理が完成し、二人でテーブルに座る
「いただきます……」
ソーレが慣れない手つきてフォークを持ち、食事を始める
――と、
「……んっ、ふっ、ぅ、うぅ~、」
なんと、泣き出してしまった
「ごっ、ごめんそんなにまずかった?」
慌てた俺はソーレに駆け寄る
「うっ、ぅ~、ぅっ、うぇ~~」
「俺、いつも一人で食べてるから、そこまでの味だって自覚なかった……、ほらっ、出して、」
袋をソーレに差し出す
「ぢ、ぢがぅ……、ぢがうの……」
ソーレは必死に首を横に振っている
「……違う?」
「ゔっ、うん……もう、こんなに美味しい料理を食べらるって、思ってなかったから……嬉しくて、」
割とパスタを茹でただけだったのだが
栄養失調気味の体を見るに、食事もろくに与えられていなかったのだろう
喜んでもらえたのは嬉しいが複雑な気分だ……
「そっか、そう思って貰えたならよかった」
「……本当に、本当に、助けてくれて、ありがとう……リヒトッ、」
「どういたしまして」
落ち着きを取り戻したソーレと食事を再開する
さっそく聞いてみるか……
「ソーレはこれからどうしたい?」
下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。
正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!
ブックマークもいただけると本当にうれしいです。
何卒よろしくお願いいたします。