割引きチャンス
恋人らしいこと……だと?
「お姫様抱っこで一割引き、大通りで愛を叫ぶと三割引き、大通りで愛を叫びながらキスで5割引です!」
まじかぁぁー!流石に言い張るだけで半額では無かったのは百歩譲って分かるが条件シビア過ぎるだろ!!
大通りで愛を叫びながらキスぅ!?
できるかぁー!
「中々の難易度ですね……どうしようか、ソーレ、」
ソーレも戸惑っている
「オススメはもちろん、五割引きのキスですよ!」
「え、っと、……ど、ど、どれでもできるよ!」
明らかに無理をしている!
いいんだ、別にそこまで無理をしなくても。そもそも服を買いに来たんだ服だけ買って帰ればいい!
「リヒトは……さ、私と……、どこまでできる?」
ソーレが服の袖を掴んで上目遣いで俺を見る
可愛いーー!!
心臓が騒いでいる!も、もう最大割引きに挑戦しようかなぁ、
いや!ダメだっ、さっきのソーレの反応を見ただろ俺!
ここで選ぶべきは……
「まっまあ、今日の所はお姫様抱っこにしよう!」
ソーレの表情が一瞬曇る
「そ、そうだね、、私たちお姫様抱っこにチャレンジしまーすぅ、」
「かしこまりました!では!」
……では、と言われてもお姫様抱っこなんてしたことがない
ソーレに体を向けて両手を伸ばす
「ソーレ、おいで!」
もう、ノリで乗り切るしかない!
「リヒト、いくよ!」
ソーレの体に触れて優しく持ち上げる
いい匂いがする、太もも柔らかくてもう最高だ!
「あと十秒で達成でーす!」
あと十秒か軽いし柔らかいし天国みたいだ
「リヒト……私、重くない?」
ソーレは心配そうに顔を赤らめた
「ううん、全然。むしろ、軽過ぎる」
ここまで軽いのは栄養失調が原因だろう……、魔術で解決できる問題ではない
「なら……、良かった」
ソーレは俯いて微笑んだ
「……おめでとうございまーす!ミッション達成です!」
「じゃあ、おろすよ、」
「うん、」
ソーレをゆっくりとおろしてレジに向かう
「今着用されている商品に、普段着と下着のセットを合わせた金額から1割引いた値段がこちらです!」
店員に金額の書かれた紙を渡される
結構買ったし妥当な値段だな、
俺は支払いを済ませる
「ありがとうございましたー!またのご来店お待ちしております!」
明るい店員に見送られ店を出た
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