表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/13

プロローグ

初投稿です。しばらく連続投稿します。

 俺はセンターギルドの受付にいる


「ギドラの支部長からセンターギルド長に届け物です」


 頼まれていた郵便物を受付嬢に渡す


「お疲れ様です。ギドラの支部長さんからですね、リヒトさんありがとうございました!」


「どういたしまして」


 ギルドを出ると広場から声が聞えてくる


「続いての商品は!西大陸のバンク帝国からの輸入品!元貴族令嬢だぁぁー!」


 奴隷堕ちした貴族がオークションに出されるのはかなり珍しい

 一体どんな悪事を働いたのか……

 興味を持った俺の足は広場に向かう


「二年前に!婚約者だったアトラ公爵の兄を殺したぁ~、殺人貴族のぉぉ~~」


 婚約者の兄殺し、とんでもない女もいるんだな


「ソーレだぁぁ!!」


 ん?ソーレ?

 疑問に思っていると(おり)にかぶさっていた布が黒服によって豪快にめくられる


 すると――


「人殺しーー!」


「帝国のクズがぁーー!」


 観衆がこれでもかと罵声を浴びせていた。が、そんな声が聞えないほどに俺は動揺していた


 ステージの上にいる金髪で、碧眼で、華奢な体で、ボロボロの服を着て、左目が髪で覆われている少女は――


 ――ソーレだ


 八年ぶりに見たが、その少女は間違いなく俺の知っているソーレだった


 何で、、だ?貴族として、貴族と、幸せに結婚しているはずじゃ


「左目は欠損!それ以外に目立った傷はない!ランクはⅮだぁぁーー!」


 まともに頭が動かない中、競売人の威勢のいい声が耳に響く


 ますます意味が分からない、左目が欠損?ランクがD??


「規定により!スタート価格は1000万モルからだ!さあ!」


「1550万だ!」


「1700万出すぞ!」


 都市には貴族が多い、金を持っている奴は大勢いる


「2500万だ!」


「状態は悪いが貴族だ!さあ!もっと!もっと!」


「3700万!」


「4100万!」


 競売人がまくし立てる度に金額はどんどん上がっていく


「……1億」


 場が静まり返り今まで一度も口を開かな買った老人が腰を上げる


「1億出そう」


「おぉぉーーっと!ランクDの一億越えは前代未聞!これはもう決まりかぁぁーー!」


 競売人がまくし立ててもこの値段になればもう手を挙げるものはいなかった


 1億、1億、くそ、俺はどうすれば……


「それでは他に希望額がある方は!」


 どうすればいいんだっ、でも、このままじゃあ、


 混乱した俺の瞳に映ったソーレは酷く怯えて震えていた……


 よく考えろ、俺、このまま何もしなければどうなるのか、今すべき事は悩むことじゃない!迷うなっ!


「では1億で!落札決定といたしま――


 かけ声とともに落札決定の木づちが振り下ろされる瞬間



「一億五千万出す!」


 俺の声があたりに響く

 ドクン!と心臓が跳ね上がる

 手の震えが止まらない


「おぉーっと!まだ上がるぅ!」


 競売人がより一層声を張る

 腰を上げた老人はこちらに近づいて来る


「他に希望額のある方は!一億五千万以上はいないのかぁ~!」


 競売人がまくし立てる中老人が俺の正面に立つ


「それでは!」


「待て」


「……」


 老人の一言で競売人は押し黙るが観客はざわついている


 変装しているようだが、この振る舞いは間違いなく……高位の権力者だな、、

 ゴクン、と唾を飲み込んだ俺も面と向かって立つ


「見たところ冒険者のようだが……一億五千万、本当に出せるのか?」


 鋭い眼光が突き刺さり地獄のような底冷えの圧力をかけられる

 手の震えが体中に広がっていく


 この気迫、ただ者じゃない……


「……確かに今の俺にはそんな大金はありません」


「ふざけてんのか?」


 更に増した気迫に屈しそうになる……でも、、引けない!


「債権書に調印します!」


 俺は震えをかき消して声を上げた

 予想とは違う返答だったのか老人は少し意外そうな顔をしている


「正気か?……その書類に調印して返済できなかった場合、お前を待っている未来は奴隷に堕ちること以上の地獄だぞ……それを覚悟の上での発言か?」


 そんなことは百も承知の上!

 覚悟ならもう……決めている!!


「それでも俺は絶対にソーレを諦めません!」


「そう言えば俺が引くと思っている。その目が気に入らねぇ」


 老人は目を細める


「なら、あなたも調印しなければいけない額まで俺と競り合いますか?」


「ランクDの粗悪品にそこまで執着するとは……もういい、話は済んだ」


 流し目に競売人を見た老人は人混みの中に消えていった


「では!一億五千万モルで落札決定だぁぁーー!!!」


 勢いよく振り落とされた木づちとともにオークションは終わりを告げた





 ◆◆




 同時刻――とある屋敷


 椅子に座っている初老の男に執事が紅茶を渡す


「結局……あの事件は奴が仕組んだことだったか」


「ええ、そのようでしたね」


「ソーレの所在はつかめているか?」


「今は東の王国にいるようです。情報によると左目を欠損しているようですが……いかがいたしますか」


「その程度なら高度な回復魔法を使えば治せる……今すぐソーレを連れ戻せ」


「かしこまりました」


 命令を受けた執事は部屋を後にする






下にある☆☆☆☆☆から、作品への応援お願いいたします。



正直に感じた気持ちでもちろん大丈夫です!



ブックマークもいただけると本当にうれしいです。



何卒よろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ