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うん! アレを使うんだね!/ええ、使います

 すぐ近くにギフトを移し変えることができるあの幼女がいない今、タムマロ様はわたくしを攻撃しづらい。

 さらにハチロウちゃんたちもいませんので、クラリスを過去へ送ることもできない。

 アリシア様の説明では、あの鎧はタムマロ様にとって都合の良い展開を呼び寄せるはずなのに、今のこの状況はむしろ逆。

 わたくしのギフトをクラリスに移し、後に四天王となる四人と一緒にクラリスを過去へ送ることをタムマロ様の勝利条件だとするなら、この状況は勝利とはかけ離れています。


「と、するならば……」


 この状況は、タムマロ様にとって都合が良いと解釈できます。

 何をする気?

 何を狙っている?

 タムマロ様がわたくしとクラリスを殺さずに無力化してフセをここに連れ戻すためには、どうすれば良い?


「いや、もしかしてタムマロ様は……」

「クラーラ? どうしたの?」

「いえ、何でもありません」


 わたくしのしてしまった想像は、タムマロ様がしてきた事を考えると可能性は低い。

 ならば、わたくしがあり得ない想像をしてしまうように仕向けるのも、タムマロ様の能力が導き出した勝利への道筋。

 そう思って動かないと、わたくしの決心が鈍ってしまう。


「魔力の補充は十分です。なので、あなたはもう一度タムマロ様に近接戦をしかけてください。先程のような対軍用の技ではなく、対人用の技で」

「うん、わかった!」

「|彼の者は剣の虜囚《He is a prisoner of the sword.》……」


 クラリスが再びタムマロ様へ突撃し、格闘戦を始めたのを確認したわたくしは、リメンバー・ラーサーの詠唱を始めました。

 ただし普通のリメンバー・ラーサーではなく、付与術式を最低限にし、発動時に内臓した魔力が切れるまで独立制御魔術(スタンドアローン)に従って設定した対象を攻撃し続けるようにした簡易型リメンバー・ラーサー……いえ、量産型ラーサーでしょうか。

 それを10体造りましたので、この魔術を正式に騎士団顕現魔術ナイツ・オブ・ラーサーと名付けましょう。


「クラリス! 騎士団顕現魔術ナイツ・オブ・ラーサーを先行させます!」

「オッケー!」


 いくらラーサー様の戦闘能力に近い量産型ラーサーが10体いても、タムマロ様は仕留められないでしょう。

 楽観的に考えて、一太刀か二太刀浴びせるのが精々……。


「いやいや、一分ももたないなんて嘘でしょう?」

「嘘じゃないよ。本物のラーサーならともかく、ラーサーを真似ただけの木偶なんて僕の敵じゃない」


 ヨシツネ様にも似たようなことを言われた覚えがありますが、両手の剣を一振りづつされた程度で全て倒されたらさすがにショックです……が、隙を作るのには成功しました。

 剣を両方とも振り抜いた状態で、懐に入り込んだクラリスの攻撃を避けることができますか?


「心意六道! 龍顎……!」

「食らわないよ。君の行動はナビが予測済みだし、動きが丸見えだ」

「くぅ……っ!」


 避けるまでもないですか、そうですか。

 クラリスの拳はタムマロ様の下顎にヒットすることなく空を切り、逆に無防備になった右わき腹を蹴られて吹っ飛ばされました。


「クラリス、動けますか?」

「余裕だし! 全っ然効いてないし!」


 嘘ですね。

 龍顎破砕を撃つために魔力を右拳に集めていたせいで、魔力が薄くなっていた吹っ飛ぶほど強く右わき腹を蹴られたのです。ダメージが軽いわけがありません。

 

「君たちの相手も、飽きてきたな。他の龍王たちも近くまで来ているだろうし、まとめて潰して目的を達成するとしよう」


 まとめて潰す?

 まさか、ヨシツネ様が使わなかったウスミドリの広範囲攻撃、空間爆縮を使うつもりなのでしょうか。

 いや、それだとわたくしとクラリスまで巻き込んでしまいます。

 だとするなら……。


「顕現せよ。アクラ王!」


 やはり、魔王を討ったタムマロ様最大最強の神具でしたか。

 呼びかけに答えるように地中から姿を現したそれは、タムマロ様が身に着けていたキンコウと良く似た鎧姿の金色に光る巨人で、兜からは一本の鋭い角を生やし、背中から数十枚の白いひし形のプレートで構成された一対の翼を生やしていました。

 その姿を見上げつつ、わき腹を押さえてわたくしのそばまで寄って来たクラリスは……。


「デカっ! 20メートルは軽くあるんじゃない!?」


 と、見ればわかる感想を心底驚きながら言ってくれました。

 ですが、やるべきことはわかっているようです。


「あるでしょうね。ならば、わたくしたちがすべきこともわかりますね?」

「うん! アレを使うんだね!」

「ええ、使います。ですがその前に……はい、上級治癒魔術(ハイ・ヒール)。まだ痛みますか?」

「大丈夫! ありがと!」

「どういたしまして。では、やりますよ」

「オッケー! ド派手にやっちゃおう!」


 わたくしとクラリスはアクラ王を見上げたまま手を繋ぎ、魔力を共鳴させ始めました。

 聖女再誕(リメンバー・クラリス)を創る過程で新たに思いついた術式と魔力の運用法を組み込んだ、わたくしとクラリス用に対神用決戦大魔術(トリプルシックス)を調整、再構築した新魔術を発動するために。

読んでいただけるだけで光栄なのですが、もし「面白い!」「続き読みたい!」など思って頂けたらぜひブックマーク、下の評価を5つ星よろしくお願いします!

ぜひよろしくお願いします!

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