じゃあ、フジ山へ向けてしゅっぱーつ!/性転換の方法のありかなら、もう知っていますしね
マタタビの自己犠牲に近い協力のおかげで、クラーラは口寄せを覚えることができました。
ですが、ここで問題が一つ。
クラリスとクラーラの最大の望みは、数年前に亡くなった憧れの女性を蘇らせることです。
その方法が口寄せを覚えたことで確立してしまったため、次の目的地が決まらなくなってしまったのでございます。
「ねえ、性転換の方法は? クラーラは生やしたお姉さまを創れば良いんだろうけど、それじゃああたしの望みが叶わないよ」
「急がなくても、聖女様を再誕させてからでも遅くはないのでは?」
「安心できない」
「する必要がないのでは? いえ、むしろ性転換の方法なんて、見つからない方が安心でしょう?だってあなたには、タムマロ様がいるではないですか」
「いや、どうしてるそこで、タムマロが出てくるのよ」
「だって、交際しているじゃないですか。もうかなりの期間姿を見せていませんが、会えばよろしくヤるのでは?」
「そりゃあヤるけど、アイツはただのセフレだから。恋人とかじゃないから」
肉体関係になってもまだツンデレを拗らせてるのか。
と、クラーラは呆れましたが、自分が逆の立場ならやはり安心はできないか。と、一応は納得しました。
そんなクラーラの頭に浮かんだのは、キョウトでアマノイワトを調べに行く際調べたオオヤシマの最高神、アマテラスの性質でした。
「では、フジ山へ行きましょう」
「フジ山? どうしてそんなところに?」
「そこに、性転換のヒントがあるかもしれないからです。さらに、フジ山はオオヤシマ最大の龍脈スポットでもありますので、聖女様を再誕させる際に役に立ちます」
とりあえずはクラリスを安心させるのが優先だったのでクラーラは詳細を割愛しましたが、フジ山麓にはオオヤシマの神々が創った神の国、『タカマガハラ』があったとする神話があり、アマテラスが隠れたアマノイワトもそこにあるとする説があるのです。
そしてアマテラスには、両性具有だったという逸話もございます。
クラーラには調べるつもりなど微塵もありませんが、クラリスに「どうしてその神様を調べるの?」と、聞かれたらそう説明するつもりでした。
「まあ、当てにしていませんが」
「ん? 何か言った?」
「いいえ、何にも」
クラーラはテンションが上がって「じゃあ、フジ山へ向けてしゅっぱーつ!」と、右拳を掲げて歩きだしたクラリスの背中を見ながら、とある魔法を思い出していました。
その魔法の名は性転換魔法。
クラーラですら名前しか知らなかったその魔法が西欧のギーシャ国にあると、魔王の記憶で見たことを思い出していたのです。
だからクラーラは、クラリスには聞こえないようにボソッと……。
「性転換の方法のありかなら、もう知っていますしね」
と、呟いていました。
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