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第83話 油断ならない夜

83話~

 その日の夜……ルアがベッドに入り眠りにつこうとしたとき、ふと首筋に暖かい吐息を感じた。


「っ!?だ、だれっ!?」


「あはっ♪私だよ~。」


 ルアの首に熱い吐息を吹きかけた者の正体はミリアだった。


「あ、あの……なんでボクのベッドにいるんですか?」


「そんなことはどうでもいいじゃないか。でもあえて理由を言うならば……人肌が恋しくなったからかなっ☆」


 すっとぼけた表情でミリアは言った。そんな彼女に思わずため息を隠せないルア。そんな様子のルアに少し意外そうにミリアは言う。


「おや、意外と動揺しないね?」


「こんな風にベッドに入って来られるのは何回か経験してるんで……。」


「それは残念。できれば君が慌てて顔を赤くする表情が見たかったんだが……やっぱり女の子に囲まれてるとなれるものなんだね。」


 ひどく残念そうにミリアはため息交じりに言った。これであきらめて自分の部屋に戻ってくれると、そう思っていたルアだったが、彼女が次にとった行動は彼が思っていたものとはまったく違うものだった。


「じゃあこんなのも経験した?」


「っ!?」


 そう言うと、ミリアはルアのことを後ろからきゅっと抱きしめ、小さな体をめいいっぱい押し付けてきたのだ。

 思いもよらなかったミリアの行動に、思わずルアの心臓の鼓動が少し早くなる。それをミリアは聞き逃さなかった。


「ん~?おやおや~?少し心臓の鼓動が早くなったね。こうして密着されるのにはあんまり慣れてないのかい?」


「い、今のは少しびっくりしただけです……。」


 苦し紛れにルアがミリアに向かってそう言うと、ミリアはニヤリと口角を釣り上げて笑った。


「あははっ……そうかいそうかい。()()()()()()()()()()……なんだね?」

 

「うっ……。」


 自分のすぐ後ろでミリアがにんまりと笑みを浮かべているの気配がルアの肌に伝わってくる。その気配から何か良からぬものを感じたルアは思わずぴくんと体が再びはねた。


「感じるよ~?君の心臓の鼓動……トクン……トクンってどんどん早くなるね?こうすれば……もっと。」


「ちょっ!?なんで服の中に手……うぅ。」


 突然ミリアはするりと腕を滑らせ、ルアの服の中へと入り込ませた。そして彼の心臓の真上に手を置くとクスリと笑う。


「あはっ♪密着されて、体の中まさぐられて……より一層心臓の鼓動が大きくなったね。」


「くっ……ふぁ……み、ミリアさんくすぐったい。」


 ルアのうなじから背中にかけてつつ~っとミリアは指先で撫で下ろしてみたり、お腹のおへその辺りをカリカリとその爪で軽く引っ掻いたりして、ミリアはルアのことを弄ぶ。


「ルア君のいちば~ん弱いところはどこかな~♪」


「あぅぅ……ひっ!!」


 身体中をミリアにまさぐられて、抵抗することもできずにビクビクと体を震わせているルア。

 必死に耐えていたある時、ミリアの指がルアの耳へと伸びた。


「あっ!?そ、そこは…………。」


「ん~?そこはぁ?なにかな?あはっ♪」


 ミリアはルアの耳たぶをふにふにと摘まみ、ルアの反応を楽しんでいる。


「そっかぁ~ルア君は耳が弱いんだね~。なら…………。」


「ひっ……な、なにを…………。」


 急にミリアの声と吐息が耳に近くなり、ルアが体をびくつかせたその時だった。


「いただきま~す♪はむっ……。」


 ミリアはルアの片方の耳の耳たぶを口に咥えた。すると、ルアの体が大きくビクンと跳ねる。


「ん~……れろれろ……れろれろ。」


 ミリアはルアの柔らかい耳たぶを口のなかで、転がし、しゃぶりつき、舐め回す。


「あはっ、体ビクビクさせて……可愛いなぁ。」


 ちゅぽん!!とわざと音を立ててミリアがルアの耳たぶを口から離すと、彼の耳元で彼女はあることを囁いた。


「ねぇ、私も君がビクビクってしてる姿見たら、興奮してきちゃったし……ちょっとだけ()()してもいい?」


「ひっ!?」


 吸血……というワードにひどく怯えたルアはじたばたと暴れて、ベッドから抜け出そうとするが、ガッチリとミリアに抱き締められてしまっているため、それも叶わなかった。


「あはは♪そんなに暴れないで?……()()()()()()()()()()♥️」


「あぁ……い、いや…………だ。」


 いまにも泣き出しそうなルアの表情を見たミリアは、思わずゾクゾクと体を震わせる。

 そして荒い息づかいのミリアの口がいまにもルアの首もとにかぶりつこうとしたその時だった。


「それ以上は見過ごせんぞ。」


「ふにっ!?」


 突然ルアとミリアの間に割って入った東雲は前足でミリアの鼻っ柱を押さえつけた。


「ちぇ~っあとちょっとのところだったのになぁ~。」


「生憎こやつを守るのが妾の役目……吸血など、命に関わりそうなことはやめてもらおう。」


「く~っ……なかなかガードが固いねぇ。でもその方が攻略のしがいがあるってもんだよね。」


 ミリアはするりとベッドから抜け出すと、最後にルアへと向けて手を振った。


「じゃあねルア君、今日はいい夢を見るんだよ?」


 それだけ言い残すとミリアは部屋から去っていった。

それではまた明日のこの時間にお会いしましょ~

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