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第82話 ミリアのいる日常

82話~

 ミリアをなんとか仲間へと引き入れて、ルア達は夜の国を後にした。そしてひとまず休息として何日か休むことになり、いつもの日常が戻ると思ったのだが…………。


「ル~ア~君っ!!」


「わっ!?み、ミリアさん……。」


 ルアがお菓子を作っていたところに突然ミリアが現れた。


 なぜミリアがここにいるのか。それは彼女が夜の国の支配を完全にロザリィに任せたからである。

 そして晴れて自由の身となったミリアはルア達と行動を共にすることを選んだのだ。


 それからというものの、ミリアはいつの間にかルアの近くに出没するようになっていた。


「今日は何を作ってるの~?」


「き、今日はシュークリームを作ってます。」


「シュークリームかぁ~。美味しいよねぇ~。」


「ミリアさんは血とか以外にも食べるんですか?」


「食べるよ?まぁ嗜む程度だけど。」


 吸血鬼は基本血や体液以外の摂取で栄養をとることはできない。が、食事を食べないということはない。

 ミリアが言うように、嗜む程度には食べるのだ。ただ、食べた食材からは栄養は摂取することはできない。


「だからちゃんと普通のものが美味しい、とか美味しくないとかはわかるんだよ?」


「そ、そうなんですか……。」


 すると、ミリアはぴっとりとルアの体に自分の体を密着させる。


「あ、あの……み、ミリアさん。」


「ん~?なにかな?」


「そ、そんなに密着されると……やりづらいんですけど。」


「あはっ♪そんなこと言って~、後はシュー生地の中に生クリーム入れるだけでしょ?」


「な、なんでわか…………。」


「あははははは♪少し位ならお菓子の知識もあるよ?何せこれでも永いこと生きてるからね。色んなことに手を出したくなるのさ。」


 ミリアは少女のような肉体をしてはいるが、東雲と同様にかなり長い年月を生きている。それゆえに様々な趣味を持ったこともあり、その中にはお菓子作りも含まれている。


 そのため、ルアが今どんなことをしているのか、だいたいわかってしまうのだ。


「スンスン……はぁ~……ルア君、少し汗かいちゃってるね。」


 ルアの首筋にミリアは顔を近づけると、クンクンと匂いを嗅ぎ始めた。すると、彼女の鼻に僅かに汗の匂いが香ってくる。

 それにミリアは口元を吊り上げ、表情を歪ませた。


「れ~~~~~っ♥️」


「ひぅっ!?」


 突然ミリアはルアの首筋に舌を這わせた。その舌はまるで熱いナメクジのようにルアの首筋を這いまわり、皮膚から僅かに滲み出た汗を残すまいと舐めとっていく。


「んっ……はぁ~~~っ♥️美味しい……やっぱり幼い♂の体液は最っ高に美味しいよ。」


 ひとしきり、ルアの首もとから汗を舐めとったミリアは恍惚とした表情を浮かべながら体をふるふると震わせた。


 一方ルアはというと、首筋をナメクジのように這い回るミリアの舌に性感を刺激され、体をビクビクと震わせていた。


 そんな彼の姿を見て、さらにミリアの興奮は高まっていく。


「あっはぁ~……ルア君も気持ちよくなってくれたの?ペロペロされるの気持ちいい?あははっ♪そんなにお口をパクパクさせちゃって……ここにも舌、挿れてほしいのかな?」


 パクパクと口を開けてしまっているルアへ、ミリアの顔がどんどん近づいていく。そして、あと少しでミリアの舌がルアの口内を蹂躙しようとしたその時だった。


「ふぅ~!!今日の鍛練も良い汗をかいた。このあとに食べるおかしがたまら……………って、ミリア!!貴様何をしているのだ!!」


「あっちゃ~、良いところで邪魔が入っちゃったね~。」


 ミリアは完成したシュークリームを一つだけ手に取ると、すぐさまその場から消えていった。


「あ、あ……ろ、ロレット……さん?」


「る、ルア大丈夫か?」


「な、なんとか大丈夫です。あ、今シュークリーム完成させちゃいますね。」


 正気を取り戻したルアはシュー生地に生クリームとカスタードクリームをブレンドして入れていく。

 そして完成したものをロレットに差し出した。


「はいっ!!どうぞ、ロレットさんの好物のシュークリームです。」


「おぉ!!これを待っていたのだ。ではいただくぞ。」


 無造作にロレットはシュークリームを一つ手に取ると、それを一口で口の中へと放り込んだ。

 すると、彼女の口のなかでふわふわの生クリームととろとろのカスタードクリームがシュー生地の中から溢れだし、口のなかを埋め尽くした。


「んん~~~っ!!たまらん!!」


 そしてもう一つロレットがシュークリームに手を伸ばしたときだった。彼女がとろうとしていたシュークリームが何者かによってスッと奪われる。


「むっふっふ、独り占めは良くないのじゃ。」


「なっ!?ゆ、由良!?」


 そして由良もシュークリームを一口で口に運ぶと恍惚とした表情を浮かべる。


「ん~っ♥️やはりルアが作るお菓子は最高に美味しいのぉ~。どれもう一つ…………ってないのじゃ!?」


 皿に山ほど盛られていたシュークリームはいつの間にか一つもなくなっていた。

 そしてその横では、まるでハムスターのように頬を膨らませた東雲が立っていた。


「うむ、美味美味。近代の菓子はちと甘いが、病み付きになる味をしている。」


「「あぁっ!?」」


 そして東雲は、周りに聞こえるほど大きな音で、ゴクン!!と一気にシュークリームを胃の中に押し込むと、人の姿から狐の姿に戻りルアの頭の上へと飛び乗った。


「次は今回の倍作るのだぞルア。」


「あはは……わ、わかりました。で、でも独り占めはダメですよ東雲さん!!」


「くくくくく、妾の気が向いたら肝に命じておこう。」


 そしてまだ食べ足りなさそうにしている由良とロレットのために再びルアはシュークリームを作り始めるのだった。


それではまた明日のこの時間にお会いしましょ~

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