第60話 東雲流癒し術
60話で~す
ふと、耳の奥をマッサージされているような不思議な心地よさと、ふわふわと撫でるように当たる何かの感触にルアは目を覚ます。
「ん……んぅ……。」
「お?酒の気が抜けてお目覚めか。寝坊助め……。」
「ふぁ……あ、あれ?ボク……。」
「妾達が飲んでおった酒の匂いで軽く酔っ払って寝ていたのだ。」
状況を理解したルアが起き上がろうとすると……
「おぉ、待て待て。動くな……危ないぞ?」
優しく東雲がルアの頭に手を置いて、そう言った。
「……??」
「今、耳かきをしてやっているところだ。下手げに動くと、耳に傷がついてしまうぞ?」
東雲は耳かきをしていたことをルアに伝えると、一度引き抜いていた耳かき棒を、再びルアの耳の中へと挿し入れた。
そして、カリカリ……と優しく耳の中を撫でていく。
「案外耳垢は溜まっていないようだな。綺麗な耳だ……由良のやつが舐めたくなるのも、まぁわからんでもない。」
「……!!」
東雲の言葉にルアは一瞬体をぴくんと反応させた。その様子を見て、クスクスと嗤いながら東雲は言った。
「くくくくく、妾が知っているのが不思議か?お前は曲がりなりにも、妾の魂を現世へと呼び戻したのだ。そして、妾の魂はお前の体の中にあった……。これだけ言えばわかるだろう?」
つまり、初めて天使と戦い、東雲にメタモルフォーゼをした時からルアの行動は東雲に筒抜けだったということだ。
「あのときは……耳を這う由良の舌に随分と体をビクビクと震わせていたな。気持ちよかったのか?」
「………………。」
「くくくくく、沈黙は肯定の意……と昔から相場が決まっているのだぞ?」
耳元でささやく東雲の言葉のせいで、ルアの顔がみるみる内に真っ赤になっていく。
そして、由良と過ごしたあの時間を……感触を体が思いだし、少しずつまた耳が敏感になってきていた。
それを見計らっていたように、東雲は耳かき棒をより敏感な耳の奥の方へと挿し入れた。
「んっ…………!!」
「声が漏れてしまったな。……奥の方へと固いのを挿し込まれて、感じてしまったのか?くくくくく……。」
いきなり敏感な耳奥を耳かきを棒で刺激され始めたルアは、奥でカリカリと耳の壁を撫でられる度に軽く声を漏らしてしまっていた。
そんなルアの姿を見て、さぞかし愉快そうに東雲は笑った。
「う~ん?奥には少し……耳垢が残っているようだな。これは……念入りに、念入りに……耳かきをしてやらねばなるまい。」
「も、もう大丈……夫です。」
「いかん、いかんぞ~?耳は何時だって清潔にしておかねばいかんのだ。ほれ、動くな。」
「ーーーっ!?」
東雲が言葉に魔力を込めて動くなとルアに向かって口にすると、まるで金縛りにでもあっているかのようにルアの体が動かなくなってしまう。
「これでよし、後は耳の奥をカリカリと撫でられる甘い快楽に身を委ねていると良い。」
カリカリ……カリカリ……と耳の奥を撫でられる度に、甘い快楽がルアの耳から全身へと流れ、ピクン……ピクンと体が震える。
いつしか……東雲の耳かきを棒の動きにも変化が現れ始めていた。
耳の奥を軽く圧しては場所を変えて……を繰り返している。そう、まるでルアの耳の中の弱点を探るかのように……。
そしてある場所を刺激したとき、今までで一番大きくルアの体がビクンと、震えた。
反応を確かめるように、何度か東雲が同じ場所を刺激すると、やはり、ルアの体はビクビクと震えている。
その様子を見た東雲はにんまりと表情を歪め、ルアの耳元で囁いた。
「ん~?ここが良いのか?妾が耳かき棒で刺激する度に体をビクビクと振るわせて……。」
「ち、ちが……うっ……からっ!!」
「くくくくく、どこが違うのか……教えてほしいものだなぁ?ほれほれ、ほれほれ♪」
必死に違うとルアは我慢しながら言うが、体は正直なもので、東雲が送ってくる刺激に過敏に反応を示していた。
そしてようやくルアの耳から、耳かき棒がゆっくりと引き抜かれた。
「こっちの耳は奥までしっかりと綺麗になったな。では最後の仕上げに……。」
ようやく終わった……とホッとルアが胸を撫で下ろしていたのも束の間、突然東雲の唇が耳と触れあいそうなぐらい近くまで近付いてきた。
そして…………。
「ふーーーーっ。」
「ーーーーーっ!?!?」
突如として耳の奥まで東雲の生暖かい息が通り抜けていった。
今までで一番大きくルアが体を震わせると、彼の頭上で東雲はくつくつと愉快そうに笑った。
そして再び、ルアの耳元で囁いた。
「知っているか?耳は2つあるんだぞ?」
「……!?!?」
それではまた明日のこの時間にお会いしましょ~




