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第48話 東雲再び①

48話~


 絶望に堕ちかけているルアのことを安心させるように語り掛けるレトはさらに続けて言った。 


「まず第一に、私はボクちゃんを幸せにするためにこの世界に転生させたのよ?それなのにこの世界に絶望なんてさせたりはしないわ……()()()。」


「レトさん……。」


 少し表情に明るさが戻ってきた様子のルアを見て、レトは一安心といったようにほっと息を一つ吐き出した。


「でもね、どうしても私だけじゃボクちゃんが住んでいる世界を守り切るなんてできないの。天使だけが攻めてくるならまだしも、他の女神にまで干渉されたら……やっぱりボクちゃんたちにも戦ってもらわないといけないわ。」


 優しく語りつつも現実をルアに突きつけるレト。しかし、今度のルアはレトの言葉で絶望したような表情は見せなかった。


「ぼ、ボク達はどうしたらいいんですか?」


「うふふ、そうそうその意気よ。ひとまず名の無い天使に対抗できる娘達がたくさん必要だわ。だからボクちゃんには、強い人たちをたくさん集めてほしいの。」


「で、でも僕強い人とかって……見分けつかないですよ?」


「そうね、でも強い娘たちっていうのは強い♂と魅かれ合うものなの。遥か昔から、強い後世を残すためには、強いもの同士が結ばれるのが一番。この世界の力の強い娘たちも例外じゃないわ。」


 古からの理ルアに説くレト。しかしもっぱら彼にはそれが理解できないようで首をかしげながらレトの話を聞いていた。

 理解できずに首をかしげるだけだったルアにレトはわかりやすく伝えることにした。


「つまり、ボクちゃんが旅をしていれば自然と強い娘たちと出会えるってことよ。後はボクちゃんがその娘たちを虜にしてあげればいいだけ。」


 パチンとウインクをしながら簡単に言ってのけたレトに、ルアは思わずため息が出てしまった。そんな彼を見てレトは意外そうな表情を浮かべた。


「あら……なにか不満?」


「虜にって……女性経験ゼロのボクにそんなことできるわけないじゃないですか。」


「うふふふっ♪そういう(うぶ)なのがまた心を掴むのよ~?」


 くすくすと笑いながらレトは言った。


「それに……まぁボクちゃんが♂だって世界中に知れ渡ったら……嫌でもたっくさんの女の子から求められるわよ?」


「ま、まぁそれはそうなんですけど……。」


「大丈夫、だいじょ~ぶ。()()()()()()()()()()。」


 なんの根拠もないその言葉だったが、妙に確信めいたようにレトは言う。


「はぁ……わかりましたよ。」


「うんうん、それでいいの。」


 よしよしとレトがルアの頭を撫でていると、突然ビキリと二人がいた空間に亀裂が入った。

 その瞬間、レトは見たことがないほど怖い表情でその亀裂を睨み付けると、視線を外さないままルアに向けて声をあげた。


「ごめんねボクちゃん、ちょっとお客さんみたい。本当はもっと話したかったけど……今回はこの辺でお開きね。」


「えっ……れ、レトさん?」


 何が起こっているのかわからずにおどおどしているルア。そんな最中、彼は自分の意識が急に遠退いていくのを感じた。


「それじゃあ……()()()?ボクちゃん♪」


 レトのその言葉を最後にルアの意識は深い闇の中へと落ちていった。


 そしてルアの姿が消え、レト一人のみとなると、彼女は亀裂に向かってため息混じりに言った。


「はぁ……まったく、私から癒しの時間を奪うなんてい~い度胸してるわねぇ?」


 額に青筋を浮かべると、レトの服が漆黒に染まっていく。


 そんな彼女の前で亀裂が大きく広がり、多数の天使がそこから姿を現し始めた。













「…………ハッ!?」


 ガバッ……とルアが起き上がり、目を覚ますとそこはロレットの城の一室だった。


「夢……だったのかな。」


 ルアが先ほどまでのことが夢だったのか……と疑問に思っていると、突然隣で声がした。


「夢ではないぞ。」


「わぁっ!?」


 驚き、飛び上がりながらルアが自分が寝ていたベッドの隣に目を向けると、そこには手のひらサイズのマスコットのような狐が座っていた。


「き、狐?」


「まさかもう妾のことを忘れたのか?それに妾は狐などという獣ではない。仙狐だ。」


「その口調……も、もしかして……あの時ボクに力を貸してくれた人?」


「その通り、妾の名は東雲という。レトという名の女神よりお前の目付役を任された者だ。」


「目付役って……えぇっ!?」


 ベッドの上で大きく胸を張ってそう言った東雲に、目を白黒とさせるルアだった。

それではまた明日のこの時間にお会いしましょ~

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