第106話 映りこんだもの
106話~
次の日、ロレットの指令によって放たれたトリトニーの監視用スライムの映像を確認するためにルアとロレット、そしてトリトニーの三人はある一室に集まっていた。
「さてトリトニー、昨日の夜撮れた映像を見せてくれ。」
「かしこまりました~。」
トリトニーはスライムを合体させ一匹にまとめると、スライムの頭の上にディスプレイが出現し昨日の夜の城の周りの映像や、城の中の映像までも流れ始めた。
「ふむ、これと言って不審な人影は見当たらないな。」
「そう……ですね。」
ロレットとルアは流れる映像に目を凝らすが、人影などは映り込んでいない。映っていたとしても、夜中にトイレに起きるミリアの姿など身内の姿しか見当たらない。
そして最後に昨日ルアが訪れたトリトニーの部屋の外を映し出した光景にあるものが映っていた。
「ん?んんっ!?」
ロレットは思わず画面ににじり寄る。そして画面の中に映るある一部分を凝視する。
「…………映っているな。」
「えぇっ!?ど、どこにですか!?」
「ほら、この窓のところちょうどトリトニーの部屋の窓だな。」
ルアが良く映像を見てみると確かにそこには人影のようなものが映り込んでいた。その人影は宙に浮き、トリトニーの部屋の窓からじっと中を見つめているようにも見える。
「や、やっぱりいたんだ……。」
「……これは幽霊どころの騒ぎではなくなったな。一度東雲を呼んだ方がいいかもしれない。」
そうロレットが呟いたその時だった。
「その必要はないぞ。」
「むっ?」
クルリと後ろを振り返ると、ロレット達の後ろに東雲が佇んでいた。そして件の映像を眺めると、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた。
「……妾の探知にも引っ掛からずにここまで入ってくるとは。こやつは何者だ?」
ギリリと歯軋りをしながら東雲は画面の向こうに側に映る何者かを睨み付ける。が、次の瞬間にはくつくつと笑っていた。
「くくくくく……くははははっ!!面白い……面白いぞ!!」
ひとしきり東雲は笑うと人の姿へと化けた。
「妾達を監視している者がいるのならば……何としてでも探し出してやる。これは楽しみが増えたぞ……くははははっ!!」
高らかに東雲は笑うと部屋の外へと飛び出していった。
「東雲のやつ……まるで遊び道具を見付けたような表情をしていたな。」
「あはは……東雲さんからしたらそんな感覚なのかもしれないですね。」
飛び出していった東雲にルアは思わず苦笑いを浮かべた。
「それにしても……いったい何者なんだ。こいつは……。これだけ無防備な姿を晒しても襲ってこないあたり、敵ではないようだが。」
「それでも怖いですよ……。ずっと視線を感じるんですよ?」
「うむ、だが東雲が動く以上こいつも大胆な動きはできなくなるんじゃないか?」
「そうだといいんですけど……。」
いまいち未だに不安がぬぐえないルア。それもそのはずで、東雲の探知にも引っ掛からず、気配もない。不気味な存在が自分を常に監視しているのだ、不安をぬぐえるわけがない。
「まぁ、あんまりにも不安なら……我と共に一日を過ごすか?」
「そ、それはロレットさんに迷惑がかかるから……。」
「我の事など気にする必要はない。ルアが不安ならいつでも声をかけてくれ。」
「ありがとうございます……。」
ペコリとルアはロレットに頭を下げた。すると、クスクスと笑いながらトリトニーがルアの体を包み込んだ。
「女王様と一緒に過ごすなら~、ず~っとヒーリングしてあげられますよ~?」
「あぅ……と、トリトニーさんそんなにまとわりつかないで下さい。」
「フフフ、そういえば……昨日はトリトニーのもとを訪れたようだな?あれだけ刺激が強いとか言っていたが……。」
「うぅ、そ、それは……。」
「最初に味わったヒーリングが忘れられなかったんですよね~?うふふふふっ♪」
嬉しそうにトリトニーは笑うとルアの耳の中へと自らの体を滑り込ませた。すると、ビクンとルアの体が大きく震える。
「うぁっ……そ、そこは……み、耳はぁ……っ!!」
「ルア君の気持ちい~いところ、ぜ~んぶわかってますから。こことか~こことか~♪」
自分よりも体に詳しくなったトリトニーにされるがままにされているルア。そんな彼の姿を見てロレットが口を開く。
「フフフ、こうして快楽に喘いでいる姿はメスそのものだな。本当はルアは♂ではなく、メスなのではないか?」
「あぅぅ……ち、ちがっ……ぼ、ボクはおと……こぉっ!?」
ぐちゅり……と耳のなかで激しくスライムが蠢くと、ルアは声を上ずらせる。
「は~いダメですよ~?他のことなんて考えないで~、気持ちいい事だけ……考えてねっ♪」
「ひぅ……あぁっ、や、やめ……うぁぁぁっ!?」
またしてもトリトニーに喘がされてしまうルアだった。
それではまた明日のこの時間にお会いしましょ~




