第103話 由良の変化
103話~
突然の由良の発情期が終えた次の日から、彼女のルアへ対する態度が変わり始めた。
朝になると、ルアは体に軽い重さを感じて目を覚ます……すると視界にはクスリと妖しく笑う由良の姿がある。
「おはようなのじゃル~アっ。」
「お、おはようお母さん……。あ、あの……なんでボクの部屋にいるの?」
「む?不思議か?」
「う、うん……。」
「むっふっふ♪愛しい我が子を起こすのは母の役目じゃ。」
パチン☆とウインクをすると由良はベッドの上から降りた。
「朝食もできておるぞ?早く寝癖を直して降りてくるのじゃ。」
「あ、うん……ありがとう。」
そして嬉しそうに由良は笑うと部屋を出ていった。そんな彼女の姿を見て東雲はポツリと呟いた。
「くくくくく、ようやく心のつっかえが取れたようだな。」
「……??どういうことですか?」
「悩み事が一つ消えたということだ。」
(な、なら良いこと……なのかな?)
東雲の言葉を鵜呑みにしたルアだったが、彼女が少しはぐらかしていることには気が付かなかったようだ。
そして由良の変化にはルアだけでなく周りに人々も気が付いた。
「ほれ、ルア口を開けるのじゃ~♪」
「あ、あぅ……ひ、一人で食べれるよ。」
「ダメじゃ!!」
「あむぅっ!?」
ピンク色のエプロン姿で由良は朝食を箸でルアに食べさせていた。そんな光景を見てクロロ達は由良の変化をひしひしと感じていた。
「ゆ、由良さん……なんか大胆になった?」
「ですねぇ~。」
同じ朝食を口にするクロロとエナは由良の変化に戸惑いを隠せていない。
しかし、真琴とミリアは由良の変化にクスリと笑っていた。
「あははっ♪昨日は姿が見えないなぁ~って思ったら……そういうことかぁ~。」
「んふふふ、これは……えらい事になりそうやねぇ~。ねぇ?東雲はん?」
真琴は東雲へと向かって話しかけた。
「くくくくく、あぁ……そうだな。迂闊にお前達がルアに手を出そうものなら、手痛いしっぺ返しを喰らうことになるやもしれんな。」
「ルア君に体液をねだるのも難しくなっちゃったなぁ~。でも、難しい方がやりがいがあるってもんだよね。」
ミリアは何故かよりガードが固くなったルアの攻略に、更にやる気が出てしまったようだ。
そんなやり取りをしていると、一番最後にロレットが食堂へとやって来た。
「んん?おぉ由良、大事はないか?」
「む?ロレットか、昨日はすまんかったの。ちと具合が悪くてな。」
「今日は大丈夫なのか?」
「うむ、ルアのお陰でバッチリじゃ。」
スリスリと由良はいとおしそうにルアの頬へと頬擦りする。そんな光景を見てロレットは違和感を感じたようで、それを由良へとぶつけた。
「……な、なんか今日は随分とルアと距離が近いな……。」
「む?そうかの?わしはいっつもこんな感じじゃぞ?のぉルアや~♪」
更にぎゅ~っとルアに抱きつく由良。
「む、むぅ……そ、そうだったか?」
いつもとは明らかに違う由良の様子に戸惑いを隠せずにいるロレット。そして彼女は戸惑いながらも朝食を食べ終えると、由良に話しかけた。
「さて、では由良……朝食も済んだことだ。早速修行へ赴こう。」
「うむ、良いぞ。……おっと、その前に……。」
由良はルアのもとへと近付くと彼の頬に軽く口付けをした。その瞬間、ルアの顔が一気に赤く染まる。
「では行ってくるからのルア♪」
「あ、あ……う、うん……い、いってらっしゃい。」
そして満足そうに由良は頷くと、呆気にとられる他の者達を置いてロレットと共に修行へと向かってしまった。
由良がいなくなると、すぐさまルアのもとにクロロとエナが駆け寄った。
「ね、ねぇルアちゃん!!昨日由良さんと何かあったの?」
「凄い今日はルアちゃんと距離が近かったように感じましたよ~?」
「え、えっと……お母さん昨日発情期だったらしくて。」
ルアが恥ずかしそうにそう答えると、少し興奮しながらクロロが彼に向かって問い詰める。
「も、もしかして一線越えちゃった!?」
「そ、そこまではしてないです……。」
「ホッ……流石にそこまではやってない……か。」
「流石にそこまでは、いくら発情期の由良さんでも手を出さなかったみたいですねぇ~。」
由良とルアが一線を越えてしまっていないことにクロロとエナは少しホッとした表情を浮かべている。
「それでも凄い今日は由良さん……ルアちゃんにアプローチしてたからね。……ちなみにルアちゃん、まだ頬っぺたに由良さんのキスマークついてるよ?」
「ふえっ!?」
クロロにそう指摘され、ルアは鏡を見るために食堂を飛び出した。
朝から色々波乱万丈だが、一日はまだ始まったばかりだ。
それではまた明日のこの時間にお会いしましょ~




