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十二の獣と刻限と  作者: ファイル
金局の章
16/50

卯の刻 岩を纏う鳥


その魔物がいる火山は火の街と目と鼻の先の所にいる


現れてすぐは生態系が混乱して、灰が長く続くと魔物はほとんど火山に引きこもり姿を見なくなった


生態系の観察なんてあったもんじゃない


おかげで一般観光客が増えたため街としては経済的な打撃はすくなかった


特産品に位置する鉱石も通常のものは問題ない


私個人的には魔法使いじゃないと採取出来ない鉱石が採れなくなったのに困ったんですけどね!



「…ククル?髪が乱れてるよ?」


「……シア姉、大丈夫、ようやくあの鳥を駆除出来ると思うと興奮しただけ」



シア姉が少しゲンナリした様子になる


「ククル、その鳥について詳しく教えて」


「ん…あ、はい」


…今更な事聞いちゃダメかな


ダメだろうなぁ


なんでシア姉が荷車引いてるの?


いや、そこらの魔物じゃ灰で引けないのは分かるし、シア姉の力でパーティーメンバー全員と支給品もろもろを運べてるのは分かるから最善とも分かるけどさ



まぁ、いいや



私は魔物の資料を手に改めてターゲットについて説明する


今回は異常種としてされて名前はつけられていない

その見た目通りに鳥とかで呼ばれている

今回はターゲットをロックバードと呼ぶことにする


分類は鳥竜種、デカい鶏に飛竜の鱗のようなものが覆う種族とされている


中型の魔物

ターゲットは岩を纏う性質があり並の剣士じゃ刃が通らない


そのためメインウェポンは魔法となる



また、特徴的なのは胸部の機械だ

なかなかの大きさのメカメカしい見た目に加えて、青く光るため嫌でも目立つ


ただこちらは魔法が効かないため私の嫌な予感が正しければ最後は剣士がトドメとしてこの機械を破壊しなければならない


嫌な予感は炎を纏う鳥竜種がいて今回のトリに似ている事だ


炎を纏う鳥竜種は落ちこぼれ不死鳥と呼ばれており詰まるところなかなか死なない鳥竜種なのだ


灰が降り続ける関係上、保護魔法をかけるシア姉の負担になるので長期戦は無理だ


だからせめてサブターゲットとして機械の破壊を予定とする


剣士もターゲット取りだけではつまらないだろうし、いい塩梅だろう



ターゲットは主食として鉱石を好むらしく私の欲しい鉱石を食べていたところが確認されている


鉱石を食べる種類は腹にたまる鉱石分が討伐後の希少鉱石として採取されることもある


…うん、そう考えれば多少はマシかな



魔物について共有する

シア姉の魔法のおかげで魔力に不安はない



火山にたどり着き辺りを散策する

羽を畳んで丸くなり、岩に擬態している報告があるが、岩の隙間から青い光が盛れているらしくそこまで苦労はしないと思う



「そういえばシア姉」


補助魔法がメインのシア姉はみんなの荷物を背負っている

自分の身長より大きい荷物を背負っていても平然と歩く姿は違和感の塊だ



「加護の魔法をかける時にどうして光帝に語りかけたの?光の加護は天帝に語りかけた方が強固じゃない?」


光魔法には分類するとふたつある

攻撃と回復および補助だ


光帝は攻撃を担うためシア姉の詠唱は光帝から力を借りて天の魔法に変換してから使用していた


ちょっと無駄が生じるのだ



「あー、それね、人それぞれ適正魔法があるじゃない?」


いわゆる得意な魔法のことだろう


「私は光帝の方がパイプが太いから天帝から受け取るよりもっと力を発揮できるの」


「…ほぇ」


私に光と天の適性は高くない

詠唱魔法で無理なく発動できる程度なのだ


うーん、研究題材にしずらいなぁ…



「うん?あれじゃないかな」


ケインがターゲットを発見したようだ


ヒビが入っている岩が見える、ヒビからは青い光が漏れているためそうなのだろう


ねずみ色の地面で光が漏れてなかったら擬態できていたかもしれない


そこそこ広い場所なので戦闘にはお誂え向きだ


火山のマグマが流れている場所での確認報告もされているので暑さが酷くない場所でよかった



「じゃあ始めようか」

「うん」

「ええ!」


剣士のケインと遊撃枠のユウキが二人で前に立つ


その後ろに私とマウネ


さらに後ろにシア姉とイヴの布陣だ



マウネが杖を構える


私も魔法の手助けをしてくれる短剣を構えた



「「『万象遣わす伝令、炎帝より給いし力よ、爆炎と成りて敵を滅せよ!』」」


「アクセプト!」

「エクスプロージョン!」


マウネがノリノリで詠唱を紡いだ

最後がなんか違ったけど


その瞬間に魔物の周りに赤い魔力の帯が漂い、凝縮され、爆発した



視界がチカチカとして、耳が遠くなり爆風が体を突き抜ける


球状の光の膜がなければ私たちも被害を受けていただろう



視界が戻る


岩にはヒビがはいり、ロックバードは立ち上がりこちらを睨んでいた


中型魔物でも私たちよりは一回りは大きい



体力の二割でも削れていたらいい所だろうか

戦闘開始です

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