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十二の獣と刻限と  作者: ファイル
金局の章
15/50

寅の刻 魔法の詠唱の仕方


なんと…!


なんとシア姉は仲間を連れてきたのだ

私にはできないことを平然とやってのけるシア姉に憧れる…!



「えっと…こちらキャラバンの仲間です」


ギルドで待ち合わせることになった


まず連れてきたのは魔法使い二人

冒険者の男二人を連れてくるとシア姉はどこかに向かった


…私だって友好関係になることくらいできるはず!



残された三人で会話を切り出したのは私からだ

「えっと、シア姉の妹のククルって言います、冒険者の資格はあるけど研究者の方をメインです」


「イヴ」


「マウネって言います…ククルちゃんかわ〜」


ぬおっ!?このお姉さん距離感覚おかしない!?


ぎゃー!頭を撫でるなぁ…言わないけれど!



「マウネもイヴも魔法使いなんでしょ?私の研究成果を教えてあげるわ!」


「研究成果?」

「う?」


「ええ!あなた達は普段どうやって魔法を使ってるのかしら?」


そんな言葉から始まる私の研究発表


魔力で使うより詠唱した方が魔力効率がいい研究だ


この成果は孤児院でみんなが旅立つ前から形になり始めていた


なんなら形になったから旅立ったまである、これらの成果は本となって今も購入され続けている

全力で節約して無欲に生きれば生きれないことも無い収入源となっている


や、さすがにそんな生活は無理だから研究者になったんだけどさ



そんな成果を二人に教えてあげたのだが…あまりピンと来なかったようだ



「ククル?空気が微妙なんだけど」


ひうっ


「あっ、いえ?詠唱魔法について教えてあげたのですよ?」


「あぁ…」


微妙な顔になるシア姉


え、なんですかその顔


どうしてそんな反応になるのですか


「マウネもイヴも覚えておいた方がいい…でも戦闘中にそんな長々しい詠唱は唱えてらんない」

「うなっ!?」


私は使ってるけどね

なんてシア姉入ってくれているが…


「な、なら、理を紐解けばいいんです」


「…先に依頼の話をしてほしいかな」


「うぬぬ……はい、この街の灰とそれに関わってそうな魔物の出現、それの討伐方法です」



どちらかと言うと依頼より詠唱の方を力説したいため依頼の方は重要なところだけ抑えて伝える


灰は魔法の灰、積もることなく空気に溶ける

魔力をかき乱すため攻撃魔法などは失敗しやすいこと


この灰が降り始めた頃に現れた魔物

鳥竜種に分類される魔物の異常種

通常個体よりも大きいため初見では新種に見えること


討伐方法は魔力による攻撃、魔法攻撃になること

硬い殻のようなものを纏っているからだ



「それなら俺らはターゲットを取り続ける感じか?」


「えっと、ケインとユウキはそうなるね、一撃必殺級でようやくダメージが通るほどの硬さって報告を貰ってる、だったらマウネが安全に攻めれるように立ち回った方がいい」


「私は詠唱を覚えないと辛そうね」


「うんうん!覚えよ!」

「ククル」


「うぁい…」


シア姉なんか冷たいなぁー

ウイねぇに似てるよ…


「シア姉とイヴは前衛二人の補助だね、シア姉はみんなに魔法をかけてもらうけど」


「魔力が…詠唱か、ククルは?」


「私も攻撃魔法を詠唱するよ、炎の魔法なら得意だし」



それぞれに役割をふり魔物についての報告書を渡す


よし!

「じゃあじゃあ詠唱講座といきましょ!」

人に教えるのって好きなんだよね!





ククルの詠唱講座が始まった


簡単に言えば周囲に漂っている魔素に命令して


魔法の属性を決めて、具体性を持たせて、方向性を示す


その言葉を紡ぐ


これの理解に少し時間がかかるのだ


イヴは理解が早そうだ



私はケインとユウキと共に魔物についての報告書を読む


「ねぇ、胸部に機械って」


「あぁ、飛竜の時のような異常種なんだろう」


「にしてもククルの嬢ちゃんは尋常じゃないほど準備しているな」


ギルド側からこの依頼の攻略支給としてポーションの類を多く受け取る


ほとんどがククルの事前準備の結果と言っていた


「ククルはアレで根が真面目だからね」


「シアはアレの姉なんだろ?…その、言い難いが個性的だな」


「いや、言っていいよ、鬱陶しいって…


更に言うならキレやすい、言葉責めとか知識の方ではキレないけど…例えば想像以上の攻撃が来るだけでキレてた…昔は」


多分今も変わってないんじゃないかな


「…つまり想定外に弱いってことか?」


「うーん、そう、かな」


弱い訳では無いのだけれど…


ほんとに、唐突に切れるのだ


「キレた時は髪の毛が赤く揺らめくから判断はできるよ、したところでな感じだけど」


「うーん、キレるのに周りに害とかは無いのか?」


「ないかなぁ…」


「…めんどくさい妹だな」


うん、ユウキ、それであってるよ




「日が落ちてきたな」

「ククル」


「はーい、行くんだね、今回は私がキャラバンの冒険者に参加する形だから…改めてククルです、今回は魔法使いとして参加します、よろしくお願いします」


「よろしく」

「よろしくな」

「うん」

「よろしくねー」


「うん…じゃあ灰から身を守る魔法をかけるね」


「『万象遣わす伝令、光帝より給わる力、天の加護へと姿を変え我らを護りたまえ、アクセプト』!」


シアが詠唱し、キュインと音がして私たちを一瞬光のボールが包む


さて、魔物退治に出発だ

詠唱…語感が好きです


シアの口調や思考回路が前の刻と変わってる気がするのは気の所為です、それでも違和感があるのならヒカリのせいです


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