表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
十二の獣と刻限と  作者: ファイル
木局の章
1/50

子の刻 押しかけ少女

01 押しかけ少女



私が「ヒカリ」という者から知識を与えられた時には、この世界は魔法と化学が混じり始めていたー





「本当に行くんですか?」


「…うん、シロさん、たまには帰ってくるよ」



私は孤児院で育った

森の中にあって…たぶん、研究機関も兼ねてる


そんな特殊な孤児院

転移の魔法で学校に通ったこともあったけど


私は探索者になることに決めた



探索者っていうのはその名の通り探索する者、機械の世界は知らないけど、こっちの魔法の世界では主流の職業だ



探索者カードは既に持ってる、孤児院の子たちはみんな、教育係の「ヒカリ」が学校の卒業祝いだってくれたんだ


そこは…まぁ、感謝してるかな



孤児院の近くの転移の小屋から大きな街に移動する



一瞬光がチラつき、体がふわつく


視界が定まるとそこはもう街の転移の施設だ


施設は転移の小部屋が並んでいる



ガシャ…


その小部屋から出ようとしたのだけど…


「…あれ?」


ガシャ…ガシャ…


体が何かに引っかかったみたいに進めない!


「んー!んー!」


「なぁ嬢ちゃん」


転移の施設を利用する人は案外少ない

魔力を多く持ってかれるからだ


なので施設の周りでこうも注目を集めるのは珍しいことだろう


…十人は見てる


その中の一人、男性が話しかけてきた



なにか作法とか間違えたかな?



「そのでけぇリュックは無理があるだろ」


「…?……!」


恥ずかしかった…





時には野営もするだろう、でも私虫は嫌いなんだ、だから機械世界のテントやらを探索装備として準備したんだけど


多すぎた…


気を取り直して施設からギルドへ


ギルドは探索者ギルド、冒険者ギルドと混じってるけど、どっち呼びも間違ってないからいいらしい



本来は始めてここに訪れた時にカードを作って貰う…って学校で習った


血盟契約で高度な魔法契約を行うのだ


…だから「ヒカリ」が出してきたのはおかしいと思うんだ、聞いても怖い笑顔で答えてくれなかったし




「えと…パーティを組みたいです」


ギルドの中は昼時でデバラっているのか人は多くなかった



居る人はみんなリュックを見てたけど


受付に着いて、受付嬢さんにパーティの申請をだす


「ギルドカードはお持ちですか?」


「あ、これを」


「ではこちらに要望などをお書きください」


ぺらんと紙を一枚渡される



えっと、出来ることとか、期間、要望とかか



「キミ、職業は?」


私がギルドの机で書こうと振り向くと黒い髪の男性が話しかけてきた


後ろには仲間だろう二人がいる


「えっと」


勧誘、だろうか


「白魔法使いです」


白魔法は味方の補助、黒は敵の妨害

とりあえずそんな感じ



「…え?その持ち物で?」


男性が目を丸くして驚く


「見た目だけでそんなに重くないですよ?」


「そうか…いや、キャラバンの運び手を探していてね、すまない、他を…」


「キャラバン!?行けます!力はある方ですよっ!」


キャラバンって隊商なあれですよね!?街と街を繋ぐ!

行きたい!


私の目的のひとつは色んな街を見て回ることなの!



「えっ?いや、武闘家辺りを…」


武闘家?格闘家のこと?


「大丈夫です!ほら!」

「おうわっ!?」


男性の手を握って少し押しながら持ち上げる


「…いやぁ、私、亜人でして、見た目通りの女の子じゃないんですよ、なので!よろしくです!」


男性を降ろしてフードを取る



「…おぉ、2本角だ…」


「はい!私、シアっていいます!運び手でもいいので!よろしくです!」


「えっ、あ、よろしく…」



強引でもいいのですよ!たぶん!

毎日投稿予定です


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ