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プロローグ

 あの日から 一週間が過ぎた


 世間では連日大騒ぎだ。


ニュースでは 宇宙人の襲来やら世界崩壊の始まりやら色々報道している。

海外でも終末の日が来た、とかメシアが現れたとか、宗教関係の連中が大騒ぎだ。


だが、何より一番騒がれているのが 異能力が発現した中学生が多数出現していたことだ。

テレビのチャンネルを変えると 男の子が自在に空を飛んでいる映像が流れている。

またチャンネルを変えると今度はアメリカ人が筋肉ムキムキの大男になったり,手から糸を出して

ビルを飛んでいる男の映像が映った。


"《能力を授けましょう》”・・・あの声が頭から離れない。


あれは本当に神様だったのだろうか、だとしたら俺にも能力が手に入るのかな?

 夢にまで見た神様に選ばれた人間になれるのか?、諦めていた特別な存在になれるのか?。







一ヶ月が過ぎた。


どんなことでも時間が経てば騒ぎは治まってくる。

周りの同級生は皆何かしらの能力身につけていた。

大概はありきたりな漫画で見たことのあるような能力ばかりだ、 ビームを放てたり、分身できたり、

瞬間移動ができたりと様々だ。

ただ、中には将来を考えて能力を考えている奴もいて、医者を目指している奴は怪我や病気治せる能力や

警察官を目指している奴は悪さを見抜ける能力、コックを目指している奴は料理が美味しくなる能力などだ。


そんな中 全く能力が出せないやつもいた。 

俺のクラス30人の中にも2~3人はいた。

友人の田辺もその中のひとりだ。

話を聞くと「時間を止めれるようにして欲しい」と願ったらしい。

よくわからないがこれがあの”声”が言っていた行き過ぎた能力なのかもしれない。

俺はまだ能力を決めてない、どんな能力が自分の求めた特別な能力か決めかねているからだ。

あの"声”はいつでも歓迎と言っていた。

なら納得いくまで考えよう。








半年が過ぎた。

世間では能力を持った人間を危険視するようになった。

子供が大人の手に負えない能力を手にしてしまったからだ。

14歳、中学校2年生 ちょうど中二病が出てくる年頃、そんな時に自分の望む能力が手に入れば

危うい考えを持つやつも当然出てくる。

今や世界のほぼ全ての14歳の子供は能力を手に入れているらしい。

ただ 一度行き過ぎた能力を願った奴はもう能力は手に入らないようだ。

田辺がひどく嘆いていた。かわいそうに。

俺はまだ能力を決めかねていた。考えれば考えるほどわからなくなっていく。

まだ時間はあるのだろうか。









もうすぐ1年が経とうとしている。

世間では能力を持った人間を「神子」などと呼ぶことが一般的になっていた。

神に選ばれた存在だからだそうだ。

だが、裏では”怪物”だの”化け物”だのと呼ばれている。

結局のところ、周りの大人たちでは対処が難しいからだ。

近々その神子たちを集め、共に生活させる専門の学校ができるそうだ。

神子同士互いを高め合い、支え合えるようにとのことだが、周りの反応からどうやら

危険な奴らをなるべく一つのところに集めたほうが管理がしやすく、怪物に怪物の制御を任せたほうが

効率がいいからだということが伝わってくる。


俺はまだ能力を決めていない。

明日は俺の誕生日だ、つまり明日で15歳になる。

もう時間がない。 

しかし色々と考えてきたが、神子だの怪物だのと呼ばれるのもどうかと思うようになってきた。

それにしてもこの1年で世界は大きく変わった。

当事者である俺たちは大変だがこれを第三者目線で見ると映画のようで面白いかも知れない。

あの"声”の持ち主である神様とやらはこれを見て楽しんでいるのだろうか。

羨ましい限りだ。

そんなことを考えていたらあと10分で明日になる。

これまで悩んできたが結局普通である凡人が自分にはあっていたのかも知れない。

どんな能力を持っていても今の世間の感じだと不幸になりそうだ。

 時計の針がどんどん進んでいく。

 

神様はこの1年 どんなことを思ってみていたのかな?・・・

11:59:30

どうせなら最後に とんでもない行き過ぎた能力を願ってみようかな。

11:59:40

どうせこの願いは受け付けてもらえないだろうしね、言うだけはタダだ。

11:59:50

「神様と同じ立場になれる能力が欲しい。!!」

 11:59:55

「はははっ 言っちゃった。」(笑)


 《へえ そんな願いは初めてだねえ。》


「えっ」


 《ギリギリ問題ないね、いいよ、叶えましょうその願い》

その瞬間目の前が真っ白に光りだした。

 《おいで 私と同じ立場へ》



 これが俺の、佐藤 龍馬の世にも奇妙な物語りの始まりだ。












 



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