プロローグ
思いついたストーリー設定が頭から離れないので
いっそのこと書いてみました。
神様に選ばれたような人間になってみたかった。
容姿端麗、優秀、天才、etc・・・、いわゆる才能を持った人間を世間ではよく「神様に選ばれた」と
言われることがある。
選ばれた人間はよく「初めからできたわけではない」、「みんなの気づかないところで努力をしたから
などと言う。
しかし、どんなに努力しても報われない人もいる、成功しない人もいる、選ばれない人もいる。
俺はいわゆるそっちの分類だ、世間の言う「凡人」と呼ばれる存在だ。
どこにでもいるような、佐藤 龍馬という通行人Aという役のような男だ。
そんな自分に嫌気がさしていた時もある、しかしほとんどの人間は「凡人」に分類される。
ならば何も問題ない、そう考えるようになった。そう生きてきた。
友達がいないわけでもない、むしろ親友だっている、成績だってそんなに悪くない。顔もまあまあ整っている方ではある、・・・背は低いが。
それでも幸せに生きていると思っている。
でも 時々ふと考えてしまう、
「神様に選ばれた人間になってみたい」と。
これはそんな俺が神様に選ばれた人間も大変なのだと思い知った時の物語だ。
「おい 龍馬、昨日のテレビ見たか。」
公立〇〇中学校2年A組の教室
いつものクラスメイトが朝からいつものくだらない話を持ってくる。
「テレビってなんのテレビだよ。」毎回このクラスメイトの田辺は主語がかけていることが多い。
「ほら、6時からやってるアイドル番組だよ。アイドルの”YUKIKO”が出てたんだよ。」
「ああ あの番組か 、ごめん見てないわ。」
「なんだよ、めっちゃ可愛かったんだぞ。」「悪いな、あまりテレビは見ないんだよね」
俺は学校では目立つ方ではなかったがそれでも何人かの友達といつも一緒になって行動するタイプの
学生でこのクラスメイトの田辺 学もその一人だ。
「そういえば宿題やった?」と田辺がおれの顔色を伺うように言ってくる。
「やったけど。」次に田辺が何を言うかはすぐにわかった。
「見せて!!、ください。」と田辺は机に頭をこすりつけてきた。
「またかよ、テレビばっか見てるからそうなるんだろ。」と言いつつ俺は宿題のプリントを
田辺に渡す。
「サンキュー! マジで助かる。流石親友!」といつも通りの調子のいいことを言う。
そんないつも通りの日常がその時変わった。
教室の備え付けのテレビが急についた、そしてニュース番組が流れ出しニュースキャスターがしゃべっている、天気予報のようだ。
「なんだ?何かの知らせかなにかかな。」、クラスのみんながテレビを見る
『今日の天気は全国的に曇りになるでしょう。でも雲の隙間からは綺麗な青空も見え・・・なにあれ?』
ニュースキャスターの様子がおかしい。
テレビ画面を見るとか雲の隙間から巨大な手のようなものが出てきた。
「なんだこれ、どっきり?」「合成じゃないの?」と教室が騒ぎ出した。
巨大なものは次第にはっきりしたものになっていく。
手のようなものではない、手だ、女性のような感じがする。
『なんでしょうかあれは、カメラさんあれはちゃんと撮れてますか?』
キャスターも驚きを隠せないようだ。
そんな時だ、声がした。
テレビ画面からではなく頭の中からのような空からなのか分からないが。
《はじめまして、私はあなた方が神と呼ぶものです》
女性のような高い声が聞こえてきた。
「神?」誰の声か分からないが,教室から聞こえた。
《私はこれからこの世界の14歳の人間に特別な力・・・能力を授けたいと思います》
「は、?」クラス全員が止まった感じがした
《どんな能力に成るかははあなた方が決めるのです、空を飛ぶ力、動物と喋れる力、瞬間移動能力、
ビームを出せる力、分身、炎、氷、風、爆発、etc・・・なんでもござれ。どんな能力でもひとつだけ
授けましょう。ただしあまり行き過ぎた能力はダメです。なんでも出来てしまうのもダメです。
それでは人間ではなくなってしまいますからね。》
急な展開に俺もみんなもついていけない、まるでこちらのことなんかお構いなしで話ているようだ。
《欲しい能力が思いついたら私に言ってください。私はいつでも大歓迎です。》
よくわからないままどんどん話が進んでいく。頭がおかしくなりそうだ。
《さあ、神に選ばれた皆さん、特別な皆さん、あなた方の発想、想像力・・・
そして妄想力を私に見せてください》
すると声が止みテレビに映っていた巨大な手が戻っていき何事もなかったかのような空に戻った。
クラスは未だにしんとしていた。
ポツリと俺が呟く
「意味がわからない」