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スキル確認とNPC作成

前回までのあらすじ。


スラムから出立し、半日かけてテベンマの街を散策したタナカは

無事に宿屋を発見し宿をとったタナカ。

やっと落ち着ける場所を確保できたので、未確認だったスキル確認をすることにしたのだった。

「ふぅ・・・。」

疲れた体をベッドに投げ出すようにして横になる。ボスンッと空気が抜ける音、意外とクッション性が良いようだ。

「とりあえずやっと落ち着ける場所ができましたし、後回しにしてきたスキルの確認でもしますかねぇ。【ステータス】」


ステータス

名前:タナカ

年齢:35才

種族:人間(?)

職業:賢者

レベル:10004

生命力 100,000,000,000/100,000,000,000

魔力量 100,000,000,000/100,000,000,000

筋 力 150,000,000

耐久力 150,000,000

器用さ 150,000,000

魔 力 150,000,000

精神力 150,000,000

速 度 150,000,000

運 気 150,000,000 


<ユニークスキル>

【ゲームプレイヤー】【修羅の頂】【インベントリ】

【全解析】【武神】【魔法神】【斥候神】【暗殺神】【鍛冶神】

【錬金神】【生産神】【幻想神】


<スキル>

・診察LV10 New



【診察】

・対象の状態異常を判断し、スキルレベルに応じて治療方法を知ることができる。

・スキルレベルが上がるごとに精度があがり、対応可能な状態異常が増える。



ステータスを開いてみると、なんとなく予想はしていたが【修羅の頂】の影響で限界を突破したようだ。

ただでさえ化け物だったが、成長率がオカシイ。もう完全に人間をやめている・・・。


ターニャの母の病状を確認したからなのか、診断という新スキルを得ていた。

これもおそらく【修羅の頂】の影響だろう。成長補正がでたらめに高いからかLv10に達している。



次に【ゲームプレイヤー】の売店機能。

これもまだ使っていなかったので確認してみると、【エルダーファンタジー】内で売っていた回復アイテムや課金アイテム、

店売りアイテム等々ほぼ全て購買可能になっていた。

課金アイテムはこの世界のお金で購入でき、それ以外はゲーム内通貨で購入できるようだ。


ゲーム内通貨と手元にある金貨との変換は不可能だったが、

代わりにヘルハウンド討伐時にゲーム内通貨が加算されているようである。

ヘルハウンド1匹あたりの増加額は不明だが、わずかに増えているように思う。


課金アイテムは1万円セットを銀貨1枚で買うことができたため、

予想していた変換レートはあっていたようだ。


今回買ったのはNPC用の装備セットだった。このあとNPCを作成するときに装備させようと思う。

残金は金貨4枚(400万)以上あるので課金し放題なのだが、この世界に課金アイテムを放出するのは避けた方がよいだろう。

めぐりめぐって自分の首が締まりかねない。

あと【エルダーファンタジー】では売店にガチャもあったのだが、残念ながら表示されていない。

大好きだったガチャ先生は、お亡くなりになったようだ。


NPC作成についてみてみる。

【エルダーファンダジー】では自分と同レベルまでのNPCキャラクターを作成することができた。

容姿は自由に設定できる。下手にいじると邪神モッ〇スが爆誕するため注意が必要だったが・・・。


NPCには職制限があり、最高位の職では作成不可能、それより2ランクほど落ちるところまでしか作成できない。

なお、魔術師の系統では下から順に、見習い、駆け出し、半人前、魔術師、一流魔術師、大魔術師、隠者、賢者だった。

隠者や賢者は個別の特殊条件が必要なエクストラ職なので、通常は大魔術師止まりである。

スキルは設定した職業で取得できるスキルを、スキルポイントを消費して振り分ける方式だった。この世界でも同じようである。

例えば、エルフを一流魔術師で作った場合、大雑把にだが以下のようなステータスになる。



名前:任意

年齢:任意

種族:エルフ

職業:一流魔術師

レベル:9999

生命力 400,000/400,000

魔力量 900,000/900,000

筋 力 300,000

耐久力 400,000

器用さ 500,000

魔 力 1,000,000

精神力 1,000,000

速 度 500,000

運 気 200,000

<スキル>

スキルポイント:15000所持(レベル9999の場合)

Lv1取得:1ポイント消費。

Lv2へアップ:2ポイント消費。

Lv3へアップ:4ポイント消費。

Lv4へアップ:8ポイント消費。

Lv5へアップ:16ポイント消費。

Lv6へアップ:32ポイント消費。

Lv7へアップ:64ポイント消費。

Lv8へアップ:128ポイント消費。

Lv9へアップ:256ポイント消費。

Lv10へアップ:512ポイント消費。

(Lv10のスキル1つ得るためには1023ポイント必要)


ステータスを見ての通り、元々INTが高いエルフの一番高いINTの値ですら、カンストまで上げたプレイヤーのおよそ1%ほどの値である。

更に実際の戦闘となると、職業のスキル補正まで加わってくる。

ここに支援魔法(倍率で強化される)まで加わればもはや比較にすらならない。

NPCではプレイヤーに1ダメージすらも与えられないのだから。


もっとも、NPCも育成は可能なので、ある程度はプレイヤーに近づくことはできる。

しかし、経験値増加系アイテムの効果がNPCには反映されないため、非常に手間がかかってしまっていた。

これらの事情からNPCを作れる数には制限がないが、事実上着せ替え人形と化していたのだった。


どうやらスキル【ゲームプレイヤー】のNPC作成もそれらの性質をそのまま受け継いでいるらしい。

実験的に1人、あるいは1匹、NPCを作成してみた方がいいかもしれない。

どの程度、この世界の常識を持って作られるのだろうか。そして従順に命令を受け付けてくれるのだろうか。

【エルダーファンタジー】では作成後すぐにNPCを魔物狩りに連れていけたため、流石に赤ん坊のような状態ではないはずだが・・・。

一番最悪なのは制御不能になって暴れ、私が始末しないといけない場合だろう。



NPC管理は名前のまま作成したNPCを管理するもののようだ。

召喚/送還、装備の変更、死亡時には復活などが行える。

既に作成されたNPCはすべてここに入っているようだ。召喚することも、送還ことも可能なようである。

私が作成したNPCは着せ替え専用が数十体、ある程度まで育成したNPCが数体ほどいたと思う。


さて、これで大体確認が終わったがどうしたものか・・・。

正直なところ既存NPCを呼び出しても良いが、思い入れがあるだけに躊躇を覚える。

頼りない私を見て幻滅、軽蔑でもされようものなら立ち直る自信はない。

着せ替え人形にしていたNPC達に関しては、趣味全開だったこともあり、辛辣な言葉を受ける自信がありすぎる・・・。

正直なところ、どう思われているのか怖すぎて呼び出せない。要はヘタレである。


「ああ、考えるのも面倒になってきましたねぇ。とりあえず新しくNPC作成してみましょう。

新しく作った子なら少しでもショックが少ないですし・・・。」

どこまでも小心者な賢者だった。



それはさておき、NPC作成を始めることにした。

とりあえず前衛が欲しい。。

私のステータスならそうそう負けることはないだろうが、数は力である。

ゲームでも一人いるだけで戦況が変わる、ということは割とよくあった。

それに生産系に手を出すならば、素材回収をはじめとして雑用係は何人いても困らない。

私に養うだけの甲斐性があればの話ではあるのだが・・・。


作るにあたって、どうせ一緒にいるならむさ苦しいおっさんより、かわいい女の子の方が良いに決まっている。

作成画面は【エルダーファンタジー】の時と同じだった。

容姿の変更はモデルを、直接手で変形できる分だけこちらのほうがやりやすい。


頭は黒髪のショートヘヤに猫耳、お尻に長くしなやかな尻尾、これは外せない。

そのためだけに種族は猫系の獣人にしたのだ。既に趣味全開である。


全体的にスレンダーにしつつCカップ程度の胸。手足は不自然にならない程度に細く長く。

肌は日本人に近い感じにして、顔も堀の浅い日本人風に仕上げていく。

チャームポイントとして目はぱっちりした二重、瞳は金色にしてこっちも大きめに。


・・・かなり時間がかかったが、容姿の作成がようやく完成した。

自画自賛だが、結構な自信作だ。もはや性癖丸出しである。我ながら救えない。

あれ?この子に嫌われたらショックが尋常じゃ無いのでは?まぁ作ってしまったものは仕方ないだろう。


その後、スキルやその他の設定も一気に進めていったが、

こちらはあまり時間がかからなかった。


名前:ノワール

年齢:18歳

種族:猫人属

職業:拳闘師―師範

レベル:9999

生命力 1,500,000/1,500,000

魔力量 300,000/300,000

筋 力 1,000,000 

耐久性 600,000

器用さ 600,000 

魔 力 200,000 

精神力 200,000 

速 度 1,000,000

運 気 200,000


スキル

拳技Lv10、回避Lv10、見切りLv10、心眼Lv10、身体強化Lv10、気功Lv10

受け流しLv10、索敵Lv10、隠形Lv10、看破Lv10、直感Lv10


今回は必須スキルだけをMAXまで取得し、他は振り分けずに温存することにした。

構成は攻撃は拳技で行い、防御は回避主体。ある意味伝統的な日本スタイルである。

このままでは奇襲にとても弱いので索敵・直観・看破で穴埋めした形だ。

名前は人懐っこい黒猫がいた喫茶店の名前をもらった。

よし、これで設定は完了だ!


そういえば今は何時頃だろうか?

昼頃に宿に入ったはずだが、窓を開けて見ると外は既に真っ暗である。

ひと休みするついでに、お昼に買った焼肉串を食べ夕飯代わりにした。

もう宿の夕飯は終わっているだろうし、勿体ないことをしたものだ。

窓を閉め、先ほど設定したノワールを作成してみることにした。



緊張でドキドキしながら作成のボタンを押す。

体から何か抜けていくような感覚があり、ステータスを見るとMPを5億も消費したようだった。

思っていた以上に消費が重い。すぐに回復するので問題はないのだが・・・。

もし大型獣など作ったなら、どれほど消費するのか見当もつかない。


そんなことを考えているうちに、床から複雑怪奇な立体の魔法陣が現れ、

先ほど設定したとおりの姿をしたNPCノワールが魔法陣の中に現れた。

うん。先ほどまで作成時にみていたといえ、生きている人とモデリング素材は違う。

そして、素っ裸であった。理性が持つうちに話を進めねば・・・っ!内心では超焦りつつ平静を装う。


「おぉ!改めて見ると嬉しいものですねぇ。っとその前にこの装備を着てもらえますか。これからよろしくお願いしますね。」

噛まずに言えた自分をほめてあげたい。早口なのはご愛敬である。

「ご主人様。よろしくお願いします。わかりました、少しお待ちください。」

性格の設定項目はなかったが、黒猫のようなイメ―ジだったからだろうか。

思った以上に落ち着いた感じの性格のようだ。


「あと私のことはご主人様ではなくタナカと呼んでくださいね。」

「わかりました。タナカ様とお呼びします。」


その場で装備を身に着けるノワールに背を向けながら時間をつぶすことにする。

ノワールに渡したのは先ほど売店で買い込んだ課金装備だ。

セーラー服を基調にしているが、肩、胸、腰、膝、足の甲に金属のガードが入っている。インナーとして下着も入っていた。

性能としては全体的なステータスアップと各種属性耐性(中)が入った良装備だ。さすが1万円の課金装備である。

付属のアクセサリーを付けると状態異常も毒は無効になり、他は状態異常耐性(中)がつく。

あとで精神異常耐性が無効ではないのが気になるが仕方ない。

精神力は200,000あるのでこの世界ならたぶん大丈夫だろう。


拳闘師なので武器はナックルガードを装備させた。

クリティカル率アップと筋力アップの効果がついている、【エルダーファンタジ―】でのドロップ品である。

ゲーム内ではゴミアイテムの類だが、アダマンタイト製らしいので潰れたりはしないだろう。

他にも猛毒と致死病効果が付与された魔神の爪という武器もあったが、

倒した魔物の肉が食べれなくなりそうなのでやめておいた。


ここで装備について説明しておくと

装備は等級ごとに、ノーマル、レア、ユニーク、レジェンド、ゴッドの5等級が存在する。

この世界で売られている装備は大体ノーマルのようだ。

先ほど購入した1万円の課金アイテムはユニークに相当する。

ナックルガードの方も一応ユニークではあるが、性能は低い方にあたる。

ちなみに魔神の爪は【エルダーファンタジー】のレイドボスドロップ品であり、レジェンド級である。


「さて、作成したのはいいのですが、ベッドの数が足りませんねぇ。

ノワールはベッドで寝てくれますか。私はこっちで寝ますので。」

せっせと床にヘルハウンドの毛皮を敷きながら話す。


「いえ、タナカ様がベッドを使ってください!私は床でいいですから!」

「いやいや、おっさんの私がベッドで寝て、女の子を床で寝させたりしたら罪悪感で眠れませんよ。どうかベッドで寝て下さい。」

半ば懇願である。同じようなやりとりを何度も繰り返し、なんとか納得してもらえた。


「・・・わかりました。ベッドを使わせてもらいます。そうだ、タナカ様!一緒に寝ませんか?」

名案!と言わんばかりに目を輝かせながらいうノワール。かわいい。っと思考がそれた。

「いえいえ、私は床で寝るのに慣れていますからどうぞベッドで。それではノワールおやすみなさい。」

私は健全な男である。

ストライクゾーンど真ん中の女の子と一緒に寝ようものなら、色々元気になりすぎて眠れるわけがないのである。

そんな勝ち目がない戦いからはさっさと逃げることにした。


そして疲労の為か、布団に入るとすぐに眠ってしまった。

「―――――してくれてもよかったのに。」

何かノワールが言っていたような気もするが気のせいだろう。

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