表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/6

鵙日和

『にぎりめし笑い声高く鵙日和』


「お弁当持って、お出かけしてくれるって言ったのにー」

「そうだそうだ!」

 幼い双子の声が山間にある小さな田んぼに響いてる。 

「んだから、ちゃんとおにぎりこさえて、お出かけしてっぺな!」

 父ちゃんは田んぼの畦にひいたシートの上にどっかりと腰を下ろした。

 母ちゃんが、朝から張り切ってこしらえたごちそうが、シートの上に並べられた。

「お出かけじゃないよう」

「ただの稲刈りじゃんか!」

 あはははは。

 周囲から、笑い声が上がった。

 都会に暮らす父ちゃんの弟夫婦も、今日の稲刈りを手伝いに来ているのだ。

「都会の人はな、わざわざ金払って稲刈り体験したりするんだぞー」

「俺達、都会の人じゃないもん」

 子どもたちが膨れると、またもやどっと笑い声。

「わかったわかった、次の休みにゃ、遊園地でも水族館でもつれてってやから……」

 金銀財宝、大判小判。

 そんな物は持ってないけれど、目の前には束になった稲がハサに干されている。

 澄んだ空に高く鵙がなく。 

 うまい握り飯があり、家族がいる。

 そんな、秋の一日だ。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ