表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Zeroの可能性 ―リベリオン―  作者: KC
脱獄編 ~出会いと別れ~
5/8

Ep.4 スキルGETだぜ!!

文章量とりあえず二倍です!!

 今日で俺が投獄されてから丁度一週間経ち、今日で牢獄生活7日目だ。

 あまり嬉しい事では無いが、今ではすっかり刑務所での生活にも慣れた。

 と言っても、ここから出たいという気持ちは変わっていない。実はあれから、弁解する方法を考えてはいるのだ。しかし、なかなか良い方法がないからか、この頃は脱獄の事がよく頭をよぎる。無論、無駄であろう事は分かっているのだが、その考えは捨てきれない。


 話は変わるが、キウスの他にも仲良くなった人がいる。人、と言うよりは、蜥蜴人(リザードマン)という方が正確だろう。白い鱗が体の所々から覗いており、頭には角まで生えているのだから。

 彼と出会ったのは、2日目の朝食の席であった。キウスの竹馬の友だと言うことで、自然と近い席に座る流れとなったのだ。

 日本には蜥蜴人(リザードマン)など勿論存在しない。神話や怪談に似たような怪物が出てくる程度の馴染みの無い存在であったのだ。

 そんな蜥蜴人(リザードマン)が当然のように同じ席に座って待っているのだから、驚かない訳が無い。思わず開いた口が塞がらなかったのは無理がない。


 そんな俺の反応を見て、一人納得したようにキウスが説明を始めた。


「ああ、彼はセイル=ノーラン。蜥蜴人(リザードマン)だ。鱗が白いのは亜種だからだよ」


 俺が聞きたいのは、何故白いのか、では無く何故蜥蜴人(リザードマン)がいるのかなのだが、反応を隠せたので、良しとしよう。

 今の口調からして、蜥蜴人(リザードマン)がいるのはここの常識であると言うことが判明したので、常識を知らないと気づかれたら、有らぬ誤解を招きかねないしね。

 それは良い。それは良いのだが、同時にここが地球ですら無いことが確定したのは、残念だ。まぁ、俺の中では既に決まっていたのだが、残念な事は変わりない。


 その後は彼とも直ぐに打ち解け、今に至ると言うわけだ。



 そんな3人で食事を摂りながら談笑をしていると、看守の一人が手を叩き、注目を集めた。皆一斉にそちらへ目を向ける。

 それは、今日だけが特別だと言うわけではなく、この刑務所内ではいつもの光景だ。

 毎日、朝食、もとい昼食の時間になると、食事後の警務作業についての説明があるのだ。

 この7日間(実際は6日だが)は、裁縫、畑仕事の二種類の仕事を交代交代で行っていた。どちらも大変な仕事なのは変わり無いが、裁縫は特につらい。不器用なので、糸が通らない上、針が指に刺さって痛いのだ。

 今日は順番的にはその裁縫の日。

 マジ勘弁して欲しい。

 今の俺は顔が青くなっている事だろう。

 横を見ると、ノーランも俺と同じで青い顔をしていた。

 いつもプスプスと刺さりまくっているので、同じ心境なのだろう。折角のイケメンが台無しである。

 看守の方に目を戻した時、看守はメモのような紙を見ながら、丁度口を開く所だった。


「今日は久しぶりに、道路の整備の仕事をしてもらう。食事を済ませ次第、各員南門に整列して集合しろ。囚人No0427、0429は初めての仕事内容となるので、班長に指示を仰げ。以上だ」


 心の内でそっと胸を撫で下ろす。助かった、そう思った。この後に裁縫よりもつらい思いをするとは知らずに……。




 はぁ はぁ ふぅー ゴトッ


 はぁ はぁ ふぅー ゴトッ


 え? 何をしてるかって?

 石運びDEATH☆ヨ。

 道路の整備とは名ばかりで、その実態は道路建設予定地の石拾い。

 考えてみればプロがするような仕事なのに、素人がやるなんてあり得ないもんな。


 仕事内容は先に述べた通り、道路になる予定の土地の石を指定の場所まで移動させるという、単純な内容。

 だが、バケツ――正確には様なもの、がつくが――いっぱいに石を入れたまま、そこそこの距離を移動しなければならないので、単純な内容からは創造もつかない程の重労働なのだ。

 今はまだ、ノルマの半分を終えた所だが、手にはまめがいくつもできてしまっている。いくつかは既につぶれていて、バケツが揺れる度に痛む。


 ノルマの半分である15回の石運びを終えて、休憩所へ向かうと、驚くべき光景がそこにあった!

 なんと、ほとんど全員が涼しい顔をして談笑しているのだ! 流石に何人かは辛そうにしているが、それでも俺よりは大丈夫そうだ。

 仮にも25歳である俺がこんなにも疲労困憊しているというのに、お年寄りや俺より年下の者ですら平然としている。

 普段ならば俺よりも体力があっただけだ、と片付けていただろう。しかし、この世界に来てから毎日のように知らない言葉や常識に出会うので、最近好奇心が旺盛なのだ。なぜ? と思ったら聞かずにはいられない。

 ということで、キウスとノーランに早速説明を求めた。


「なぁ、みんな疲れて無いみたいだけど、なんか原因があるの?」


 そして帰って来た返答はまたまた信じられない言葉だった!


「ああ、[疲労軽減]と[身体強化]のスキルの効果だろ?」


 スキル? あのアニメとかゲームとかで良く聞く?


「今日1日やってればどうせ嫌でも身に付きますよ」


 あ、お馴染みの常識だつたパティーンですか。はい、そうですか。

 しかし、改めて思うが、スキルがあって、蜥蜴人(リザードマン)見たいな亜人もいて、なんてファンタジーな心踊る世界であろうか。

 男なら一度は夢見る冒険の楽園(ユートピア)

 ただ、いくらなんでも牢獄スタートは酷いよねぇー。はぁー。


 休憩時間が終わり、仕事に戻ると、ノーランが言っていた通りすぐに2つのスキルをてに入れた。

 スキルを入手すると直ぐに、作業効率が上がったのが実感出来た。

 さっきまでの苦労が嘘の様に驚くほど楽だ。スキル様様である。

 しかし、キウスが言っていた名前とは少し違って、スキル名が[疲労無効]と[身体強化ex]だったのが気になるところではあるな。まぁ、言ってた通りスキルが手に入ったったんだしいい間違えたのかな。


 ――その日の夜、ヨニクは布団に潜ってから数分もせずに深い眠りに就いた。

 ――[称号{囚ワレシ者}を獲得しました]

現時点の主人公ステータス↓

名前:神崎 学(ゼロ=ヨニク)

種族:人間

各種能力値:不明

心核(マインドコア):残り1/3

核スキル:[可能性][生存本能]

常用スキル:[疲労無効(疲労を無効化する)][身体強化ex(各種身体能力値に+100補正)]

保有スキル:無し

特技:[言語理解(あらゆる言語を自動で翻訳する)]

装備:[囚人服(無地の茶色・半袖・短パン)]

称号:[囚ワレシ者(一週間囚われた者に送られる称号・{囚人の管理者}の称号を持つものに逆らえなくなる・刑務所を出たら効果は無効化する)]

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ