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風詠と蟲姫  作者: 彩ぺん
第ニ次クロディア大陸戦争

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298/317

意思疎通の輪に残る光と影 5

【???】


 ()()、に誰かがいる。四方八方、黒炭のような黒で平面なのに、セリムには分かる。確実に、()()、には誰かがいると。


 ここがどこだか理解していないのに、手足も認識していないのに、セリムは()()に行けると確信した。

 泳ぐ、という感覚が近いかもしれない。いや、風に揺れる、だ。模造風凧に掴まり、崖と崖の間で入り乱れる暴風の中で、空の道を探り、進むのと似ている。


——たった1匹でも残れば、決して絶滅しない。


——滅ぼせるものなら滅ぼしてみよ。


——返り討ちにしてやる。


 暗闇から、急に視界がひらけた。ここは——……


【崖の国】


 落ちていく太陽が、化物(にんげん)を橙色に照らしている。ここは、どこだ?

 北からずっと逃げてきた。何度も針を刺され、苦しくて、辛いのに、家族や仲間を呼んでも誰も返事をしてくれなかった。

 二本の奇妙な脚に、大きな怖い武器を持った化物(にんげん)は動かない。


「————」


 奇妙なことに、化物(にんげん)から悪意を感じない。むしろ、他の感情を感じる。


「————」


 化物(にんげん)の脚から、鉛色の武器が離れた。何故、いきなり武器を手放したのだろう?


——大丈夫だ


 不意に、家族と同じような声がした。声色は知らないけれど、響き方は同じ。


「————」


 化物(にんげん)がまた何かを告げた。


——森へ帰ろう


 同時に、また知らない者の声が頭の中に響く。


 帰る?


 帰——……



【ロトワ蟲森】


 目を開くと、岩肌と仄かな橙色目に飛び込んできた。パチ、パチ、という音は薪が燃える音に良く似ている。セリムは体を起こし、ここがどこなのか確認した。

 洞窟だ。焚火の側に、胡座をかいて座るティダの姿。背後には大狼。ティダに寄り添っているなら、王狼(ヴィトニル)だろう。体格は彼と同じくらいだし、尾も一本だ。


「起きたか。それで、テルムはゴヤアピスの輪にいる……か……」


 火が作る陰影のせいか、ティダから哀愁が漂ってくる。


「テルムはゴヤアピスの輪?」

「お前が無防備になると、あちこち覗ける。国に迷い込んだ蟲か……」


 何のことかと思案し、思い至る。ティダが覗いたのは、セリムの記憶だ。いや、と身震いする。先程までの夢の中で、セリムは蟲だった。正確にはアピス。崖の国で遭遇した、アスベルが殺したあのアピス。


「なあ、ティダ。僕とは違って、君は自分を保ったまま色々覗けるんだよな?」


 首を横に振られた。ティダは静かで無表情に近い。


「いや、俺も先程まで濁流の渦の中だった……」


 口元を押さえると、ティダは眉間に皺を作り、俯いた。小さな溜息。王狼(ヴィトニル)の尾が優しい動きでティダの背を撫でる。


「俺なら即殺した。化物だろうが、人間だろうが、群れに害なすなら殺す」


 顔を上げると、ティダは真っ直ぐにセリムを見据えた。焚き火に照らされ、揺れ、煌めく黒真珠(ブラックパール)のような瞳に宿る感情。尊敬に入り混じるのは、軽蔑だと感じた。


「そう、思っていたんだけどな。今もだ」


 髪を掻き上げると、ティダはゆっくりと立ち上がった。近寄ってくる。右手を差し出されたので、素直に掴んだ。


「ようこそ、我が心の故郷へ。この里では俺の名を出して身を守れ。まあ、自分でどうにか出来ると判断したから連れてきた」

「ここがリングヴィなのか?」

「ああ。ヴィトニルの住処の玄関だ」


 引っ張られ、立ち上がる。ついて来いというような目線に頷き、ティダの背後に続く。もうすっかり、ティダの背中を見るのに慣れた。回し蹴りや拳は返って来ない。

 王狼(ヴィトニル)も立ち上がったが、ティダには続かず、洞窟の奥の方へと消えていく。


「ティダ……」

「疲れるから得意の質問責めは止めろ。俺の群れの大狼には良い」


 スタスタ進むティダの後に続く。足取りが重い。気分不快が酷い。過去の残像だけではなく、セリムは何かを覗いた。泥水の中に沈んだような、息苦しく、体を雁字搦めにする、闇の中。そこに誰かがいた。


「なぜなに人間の癖に、静かなのは不気味だな。話せ。濁流に居たと教えたばっかりだぞ。その濁流は僕と同じか? そう聞けよ。また一人で抱えて爆発するつもりか?」


 ティダは振り返ると同時に、セリムの首に腕を回してきた。速すぎて避けられない。ティダの小脇に閉じ込められ、髪の毛をぐちゃぐちゃにされた。乱暴なのに、優しげな手つき。その後、引っぱられた。


「真っ先に聞け」

「さっきから遮っているのは君だろう? 質問責めはするなとも言った」

「我を通せっていうことだ。後、優劣を見定めろという意味でもある。説教させるな。自分で察しろ。子狼でも無いのに」

「パズーは子狼なんだろう? 僕だってまだ大狼に招かれたばかりなんだから、パズーや子狼のように、手取り足取り……」


 急にティダの腕から解放され、突き飛ばされた。数歩先は出口だ。何かの蔓が下がっていて、揺れている。風が蔓の隙間を少しだけ通り抜けて、肌を冷やす。ティダが先に進み、蔓を手でどかした。

 吹き抜けたのは、崖の国の真冬の風よりも冷たい暴風。月明かりがティダを照らす。予想外の事に、親しみこもった微笑だった。


「お前の体調不良が良くなったら、本山へ行く」


 手招きされたので、隣に並ぶ。蔓の向こうはいきなり断崖絶壁だった。小さいけれど、不自然な程に均等な足場があるので、階段かもしれない。

 山脈間の底は見えない。雲がかかり、まるで島のようだ。灰色の山脈のあちこちには滝がいくつもある。

 空が近い。満天の星が煌めいている。メルテ山脈の頂上よりも空気が薄い。


「その間に、母上と軟弱弟を尋問する。向こうから来ないなら、誘き出すまで。俺はあの化物退治をせねばならん」

「化物とはタルウィ弟帝だよな?」

「お前のアピスの群れが固く閉じているので、東ではもう何か勃発しただろう」


 険しい表情で空を見上げると、ティダはぐれ雲を睨みつけた。何か勃発、と聞いた瞬間、全身に鳥肌が立った。


「グルド帝国が攻め入ったっていうのか?」

「その件は全部アシタカとシュナに押し付けた。人里の事は何もかも覇王にやらせる」


 しかめっ面になると、ティダは肩を揺らした。


「んで、化物討伐を請け負ったのに既に右往左往。ったく、情けねえ。会談まで待てって事か? 孤高ロトワ……いや、岩窟龍国か。あいつらはお前にオーガを討つ俺と並べって言ったんだろう? 足止めとはどういうことだ」

「さあ? ヘリオス君に頼もう。いいか、頼むんだ。尋問、ましてや拷問ではなくてだ。それに化物、化物とは感心しない。彼も人間……なのか? 溶けたぞ。ギニピグってなんなんだ? グルド帝国は医療大国だが、ペジテ大工房のように鎖国している。入れるけれど、中々出れないらしい」


 アスベルがまだ旅をしていた頃、少し滞在したと言っていた。人が多く、豊かな国で、エルバ連合よりも高水準の文化だった、らしい。彼の語りを聞き、絵を見て、いつか行きたいと思っていたが、戦争か……。鳩尾の奥が重い。


「アシタカと狩るつもりだったから、お前には黙っていたが、あの男からしたのは血と腐敗臭と女の体液の匂いだ。あと、子供もな。かなり酷い匂いだ、即座に殺そうかと思った」

「何だって⁈」


 血と腐敗臭と女の体液。子供。どんな匂いなのか、それが何を意味するのか、想像もつかない。

 額に手を当てると、ティダはセリムと向き合った。意外な事に、戸惑いと困惑の表情。


「妙な事に、アングイスもセルペンスは危険を感じないと言っていた。バジリスコスとココトリス、レークスもだった。あの蟲使い事件を起こすまで、何を警戒しているんだ? と非難されていた」

「どういう事だ? ティダ、血と腐敗臭に……その女性の……」

「戦場の死体の山の中で寝てたのかってくらいの酷さだ。ありゃあ、殺人鬼だぞ。あんなのが一国で権力を有しているというのは最悪最低」


 ティダは蔓を岩の隙間に上手くかけて、腰を下ろした。崖に足を投げ出し、ブラブラと揺らす。セリムも同じように隣に座った。


「知ってるか? テルム、は古い言葉で弾丸らしい」

「突然、話題を変えてどうした?」

「それでも化物と呼ぶなって顔をしたので、平行線だなと思い、その件は終わりにした。そこまで言わないとならないとは面倒だな」

「ティダ、君はそうやってすぐに決めつける。いいか、僕はこう思った。蔑称は良くないが、君がそこまで言うのなら、彼は僕の会ったことのない人種なのだろう。良く観察し、見極め……。そういえば、僕も嫌悪を感じなかった」


 殺人鬼、なんて本でしか知らない。復讐だとか、身を守るための殺人なら、崖の国でもあった。


「ティダは殺人鬼に会った事はあるのか?」

「ん?」

「僕は創作物で読んだことしかない」

「まあ、いたな。しかし、庶民層なんてたかが知れている。問題は支配層だ」


 口をへの字にすると、ティダは呆れ顔になった。


「生き血を浴びると若返る、なんて信じて国中の美女を集めて殺し続けた王妃だとか、森で盛大に人間狩りをしたりとかな、記録は色々ある。因みに、後者はシュナの兄であるジョンだぞ」


 一瞬、言葉を失った。


「は?」

「会った事はあるか?」

「いや、ない」

「会わせておけば良かったな。お前は目が良いけれど、時に盲目。本物の悪意を知らねえんだろう。で、知っても俺とは別の答えや道を見つけるんだろうな」


 立ち上がり、伸びをすると、ティダはいきなり飛び降りた。幅の狭い場所に上手く足を乗せて、少しでっぱった岩を掴み、こちらを見上げる。


「お前が起きたし、軽く挨拶回りをしてくる。ついてくるか? 布があれば飛べるんだろう? 俺の外套(マント)を貸してやる」


 肩から外套(マント)を外し、丸めて放り投げてきた。受け取って、質と大きさを確かめる。厚さがあり、大きさもあり、しっかりとした黒い外套(マント)。これなら使える。

 

 強風が吹き荒れているが、まだ知らない風にはとても胸が踊る。微かにアピスの声が聞こえる。墜落したら、助けてくれる予感。いや、確信。それなら、挑戦したい。


「君ならこの外套(マント)、くれるだろう? 少し待てるか? 蔓と外套(マント)で簡易凧を作る。握り柄とかだ」

「ああ。やる。時間は?」

「半刻もかからない」

「分かった。なら待とう」


  小さく頷くと、ティダは右手だけで崖からぶら下がった。懸垂を始める。こんな風にして鍛えたのか。

 セリムは頷き、蔓を選んで、ナイフで切り、腰を下ろした。ポーチから裁縫道具と凧糸を出す。


「そんな風に鍛えたのか?」


 手を動かしながら、大きめの声で問いかける。


「ああ! 他にも色々だ!」

「僕も君のような怪力になれると思うか?」

「血を取り込んで大狼に招かれた人間と聞いていたが、リュカントロプルとかいう種だったからと判明したから、無理かもな!」


 ティダから叫びが返ってくる。


 血を取り込む。


 血。


 そうか、血か……。


 そういえば、アンリはこう言っていた。


——ペジテ大工房では輸血と法律で定められた物質以外の血液分析は禁忌。遺伝子分析も禁止。


 遺伝子、という単語はまだ調べられていない。しかし、身の内側から、ふつふつと何かが湧き上がってくる。不意に脳内に声が響いた。


——製薬会社を狙ってたのに、内定を取れたのは生物研だけだったんだよ


 誰だ? どこかで聞いたことのある声。


——就職氷河期、遺伝子操作技術認定を取得しておいて助かった。


 この声、どこで聞いたんだ?


——決して許さない。俺の子供達に近寄らせない


「お……とう……さ……ん……」


 そうだ。お父さん。我らの父。僕のお義父さん。()()


——さあ、来い。お前はこちら側に来るべきだ。


 眼前の夜が唐紅に染まっていく。


——信頼すれば無防備に背を預ける!


 この声はアシタカか? 空を落ちる青年は、男だけれど、どこかシュナに似ている。黒髪が空に吸い込まれていく。


——私だ! 私が誓う!


——忘却に消えているものは、この——が掘り起こす!


 セリムの頬に涙が伝った。


——僕は知りたい。人の世で暮らしていては分からない世界。紡がれてきた歴史。


 これは、セリムの想いだ。彼はどこの誰だ? この世界に、自分と同じ……。


——こっちよ、向こうに行ってはいけない


 この声はアモレだ。


——何の罪もない娘と子供達は、青紫の炎に毒され燃やされ炭になった。


——助けてセリム


——怖いよセリム


——熱いよ


——熱い


——熱い


——熱い


——炎の向こうへ届け


——届け


——届け


——届け


 身を焦がす激痛で霞む視界の向こうに、彼がいる。


 憎悪に燃え盛る唐紅の瞳で、この世の人という人を呪っている。


 歯を剥き出しにし、大粒の涙を流し、叫んでいる。


——絶対に許さない。愚かな人など死ね


——父と呼んでもらった


——化物ではない。俺の子供たち


——滅ぼそうとするのならば、俺は戦う


——全員殺されてしまう。一方的に虐げられている


——正しい者こそ生きるべきなのに、悪人ばかりのさばるなんておかしい


——より良い世界


——明るい希望の世界


——鮮やかな未来


——俺はその為に必ず希望を残す


——報復遺伝子


——人間という存在そのものに嫌悪反応を起こすように変化させた


——受け継がれる記憶に、更に憎悪が積み重なれば、反発し合うしかない


——たった1匹でも残れば、決して絶滅しない


——滅ぼせるものなら滅ぼしてみよ。


——返り討ちにしてやる


——絶対に許さない


 これは、蟲の記憶の中に眠るものではない。大蜘蛛蟲(アラーネア)だ。我達は父の意志を継ぐ。

 この世の何よりも幸福で、愛され続ける。父は我らを守ってくれている。ずっと、ずっと、ずっと——……。


 セリムの視界は元に戻った。声ももうしない。


「グロヴス……グロヴス・サングリアル……彼は……血に……宿した……」


 目の前に影が落ちる。ティダが仁王立ちしていた。


「どこまでも深いところまで行くんだな」


 月明かりを背負うティダの表情はよく見えない。


「とんでもない記憶を見つけちまったな。グロヴス・サングリアルか。何をしたんだ? 俺はついていけなかった」

「彼は外界のあらゆる命を作り変えた。蟲だけではない。牙には牙、目には目、罪には罰、恩には恩、救済には希望、破壊には絶望。この世に正しさを。そう、血の中に残した。遺伝子、とかいうやつだ。どんな技術で、どうやったんだ?」


 弾かれたのは、外界に存在しない生物。古代の人間の一部。二千年、ドームの内側にこもっている種族。


「ティダ、外界人とペジテ人はもう別の生物だ……。ペジテ人が毛嫌いされている理由。ペジテ大工房の砦の名前。外界にばら撒かれた血に宿る思想——……」

「我等の覇王は牢獄(カルケル)から罪人を脱獄させようって訳だ。で、その原因はお前。そりゃあ、大蜘蛛蟲(アラーネア)に嫌悪される。ヴァナルガンド、お前や覇王は楽園を崩壊させる悪党だぜ?」


 愉快そうな声色に対して、セリムは小さな頷きを返した。


「しかしなあ、ヴァナルガンド。皮肉な事に、お前は息子の再来。覇王は孫の再来。無下にも出来ない。そんなところだろう。予想だけどな」


 ティダは無言でセリムの肩に手を置き、しゃがんだ。顔が近くなり、表情が分かった。


 苦笑い。


 優しげな眼差しで、さあ何もかもを飲み込み、新たな世界を切り開け、というような背中を押す力強い輝きの瞳。


「絶対に許さない、と言って選んだのが自滅装置。この世は因縁因果、生き様こそが全て。アシタバ半島のドメキア一族の生き様は、まんまグロヴスの思想ってことか」


 ほうっ、と息を吐くと、ティダは立ち上がった。


「話し合いより、研究資料探しが先なのか? 化物退治もあるし、駒不足は困ったものだ。足止めを食らっているしな」

「人は蟲と違って性質や性格を受け継がない。人の王から下等生物も生まれる。逆もだ。だから争いが終わらない。永遠に続ける。僕の義父さんは……グロヴスは……人という生物の性質を嘲笑い、的確な剣と盾を残したんだ……」


 なんだか脱力してしまった。


 蟲の中に残るのは光と影ではない。いや、光と光で影と影。


 人を愛し共に生きれば幸福になれるという思想と、人を忌諱して無視し、害されたら歯向かって幸福を守りなさいという思想。


 想いは同じだ。家族の幸せへの祈りと願い。グロヴスは娘の想いを足蹴にはしなかった。だから()()だ。

 

「二千年か……ここまで辿り着いた者はいたんだろうな……」

「そいつらが、目指した先は今なのか、それよりも歪んで捻じ曲がったか、何にも分からん。俺達は過去から学びながら、手探りで前に進むだけだ」


 ティダの大きな骨ばった手が頭に乗る。髪をぐちゃぐちゃにされるかと思ったのに、子供をあやすようにポンポンと優しく叩かれただけだった。


「ヴァナルガンド、お前は難儀だな。勝手にどちらの思想も受け継ぎ、良いとこどりをしたいと喚いている。そんな都合の良い話は、死ぬまで……いや、死してなお、見つからないかもな」


 震える体を抱き締めると嗚咽が漏れた。ティダの言う通りだ。


「嫌だ……」


「だろうな。泣きべそかいてねえで、立て。破壊神ヴァナルガンド。この世の不条理の何もかもをぶっ壊すんだろう?」


 セリムが胸を張り、顔を上げると、ティダは高笑いした。洞窟内に響き渡る大笑い。


「ティダ、ありがとう」

「ふんっ。さっさと凧とやらを作れ。子狼達が寝ないで俺を待っていて、喧しい」


 セリムが立ち上がると、ティダは屈託無く笑い、背中を大きく三回叩いた。かなり痛かった。

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