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統合する正と負の広がりについて


 そこで晃はハッと我に返った。


 今まで、脳裏を横切る不思議な光景を目にしていたので、晃はここが現代のギャップダイナミクスであるという事を忘れていた、


「どうしたの?ぼぉーとしてたよ?」

 由紀が聞く。


「ああ、ちょっと考え事をしていてね」

 そして、目が会った。

 しばらく、二人は見つめあっていた。うっとりと。


「晃くん………………綺麗な顔立ちをしているんですね」

そのあまりにも唐突な誉め言葉に、晃は腰を抜かしそうになった。それから、ぱっと顔が熱くなった。

「ええっ?僕が?」


「……えっ?よく言われませんか?」

 由紀がさも当然であるかのように晃の顔立ちについて誉めるので、彼はいささか困惑した。

「いや、まったく」

「ああ、ごめん」

 彼女は何かを気にするみたいに謝って来た。逆に気を使わせてしまった事に申し訳なくなって、彼もまたユキに思っている事を伝えてみることにした。


「それより、由紀ちゃんはどうなの?とっても綺麗な顔立ちをしていると思うんだけど」

「ふふふ……じゃあお互い様だね」

 由紀は含み笑いをしてから嬉しそうに晃に囁く。


「そうだね。お互い様だ」

 それから、しばらくの間沈黙があった。


 しばらく黙っていて、そして由紀が声を発した。

「それじゃあ。私、そろそろ帰らないと」

「そう。気をつけてね」

 晃は言った。


「うん。またね」

「…………あっ、またこの場所に来る?」

「ええ、気が向いたら」

「会えると、いいね。また」


「そうだね。その時が楽しみ」

 そういって、二人は別れて言ったのである。


 ギャップダイナミクスには、まだ日差しが差し込んでいた。

 神々しさ溢れる大地の恵みの内に、二人の感情は洗われていた。







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