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魔人戦争  作者: NIA
10/14

アイルーロス奪還作戦前夜

 人間王都エルギニア。およそ5000の兵士と、30のトロールがアンブロシアに向けて出撃を開始した。


 ニアとB.Cは、トロールの巣森の外に待機していた魔族軍と合流した。

 ひとまず、仮拠点を築き安全を確保した。

 ニアと四騎士にアレスは今のアイルーロスの置かれている状況と魔法を防ぐトロールについて説明した。


「それで、巣森でそなたたちを襲った、あのトロールは一体何なのだ?」


「あれは、人間が俺ら猫族の技術者に無理やり作らせた生物兵器。通称“キマイラ”だ」


「キマイラ?」


「あぁ、キマイラは色んな生物の死骸を組み合わせて生み出された生物。今回で言えば、トロールの死骸に動力源である魔法石を埋め込み、腕力強化の為にケンタウロスの筋肉を縫い付けられた生物だ」


「なるほど、魔法石が動力源のキマイラに魔法が効く訳ないか。キマイラについては、分かった。では、次だ。どうしてそなたたちは巣森にいたのだ?」


「それは、ケレス猫王様のご命令なのです」


「ケレス様の?」


「はい。ケレス猫王様はアイルーロスが襲撃を受けたときこう言われました。私たちでは“あの鬼”を止めることは不可能。無駄に国民を死なせるならば降伏しましょう。でも、あなたたちは逃げなさい。そして、反撃の期を待ちなさい。と、そう言われました」


「ケレス様がそのようなことを」


「我らは指示に従い、待ちました。そこへ、魔族が現れたのです。ですから、お願いです!どうか、アイルーロスを、猫族を、救うため、我らに手を貸してください!どうか!」


 アレスは、土下座をしてニアと四騎士に頼み込んだ。


「顔を上げろ。アレス」


 ゆっくりとアレスは顔を上げた。


「どうして、私ら魔族がここにいるか分かるか?」


「ーえ?」


 アレスはぽかんとしている。


「猫族王都アイルーロス奪還の為だ。頼まれなくとも、手を貸すつもりさ」


 その言葉を聞いたアレスは一瞬笑顔になり、すぐに真剣な顔をして一礼した。


「あ、ありがとうございますッ!」


 その晩、ニア、四騎士、アレスで作戦が練られた。

 作戦は次のようだった。

 第一関門である、トロールの巣森を魔族軍は五つの部隊に別れて突破。各部隊のリーダーをニア、タタラ、クロエ、エマ、マリとする。

 その際、B.Cがトロールの巣森を突破することは困難なため迂回ルートよりアイルーロス城を目指す。

 全魔族軍が巣森突破後、各部隊合流。そのまま、B.Cのアイルーロス城到達報告を待つ。

 到達報告次第、作戦行動開始。

 アレスの報告によれば敵は重火器部隊の所有を確認。

 よって、敵に罠を張る。タタラ隊、エマ隊及びマリ隊の歩兵を前線に出撃させる。罠に掛かった敵重火器部隊による一斉砲撃を行うだろう。

 その期を狙ってクロエの魔法で敵重火器部隊を殲滅。

 その後、全魔族軍総攻撃開始。

 敵を混乱におとしめる。その時、安全のためB.Cによる王族救出を行う。最後に敵の完全制圧。

 大まかな作戦はこうだった。


「この作戦は、クロエの魔法とB.Cの王族救出の成功の有無に左右される。気を引き締めてかかれ!」


「ハッ」

「はーい」


「もちろん。他の者も失敗は許されない。いいな!」


「ハッ」

「了解」

「はい」


「以上。明日に備えて今日はゆっくり休め。早朝出発だ!解散!」

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