●第6話 エーテル酒
何時もは気楽に読めるよう1話2000文字くらいで纏めるるつもりなのですが
収まりきらず少し長くなりました
長いですが読んでくださると嬉しいです
「大丈夫かなヒップス・・・」
(大丈夫ですよ、さぁゆっくり入れて下さい)
「えぇでもぉぅ」
(なにをいまさら躊躇してるんですか、さぁ早くしないと人が来ますよ)
「んもぉ急かさないでよ・・・緊張してるんだから」
(いいですか最初はゆ~っくり、ゆっくり入れるのですよ)
「あっぁぁぁ・・・ぅぅ」
(何をしてるんですか少し溢れたじゃないですか。。。もぅこんなに床を濡らして・・・)
「だって~」
(だってじゃありません、初めはもっと慎重にゆっくりと力を込めるんです)
「んっんんん」
(そうそうゆっくり・・・あまり力まずに)
「っこっこうかな」
(いいですよ、次は中の方まで届くように入れて下さい)
「っなっ中までね・・・わかったわ」
(いいですよ)
「ああ!!ああああぁぁぁぁぁ・・・」
(あ~もぅ何やってるんですかもっとゆっくりしないとダメですよ)
「む~結構難しいよこれ」
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エーテル酒を飲んでしまい後悔に悶絶してるビルダにヒップスがある提案をする
エーテル酒を飲んだことで元々潜在的魔力が高かったビルダがさらに飛躍的に魔力が上がり
この魔力があればエーテル酒モドキが出来るのじゃないかと・・・
「流石と言うべきか情報技術の精霊だけあって何でも知ってるわよね」
(知ってると言うより必要な情報を手繰る集める事が出来るって事なので
其処までに至るまでの発想にいたらないと事が進めないのが難点なんですよ)
「ふ~ん万能ってわけじゃないのね、でエーテル酒の原料ってこれでいいの?」
(酒精の強い酒・魔力を蓄積するための純度の高い聖水・媒介になる魔法石
魔力を注いだ後に安定をさせる為の幾つかの香草っと。。。)
一つ一つヒップスが内容と量を確認していく
(全て揃いましたねここの商会倉庫は何でも揃っててよかったですね)
「とりあえず第一段階はクリアって事かしら?次はどうすればいいの?」
(はい次は配合と調合に移ります)
「配合と調合ね」
(配合は酒9に対して聖水1の割合で・・・材料はいっぱい有りますので出来るだけ
多く準備しておきましょうか、その酒を此方の大きな樽に入れて下さい)
ビルダがひょいひょいっと1升瓶サイズの酒瓶を数本軽々と持ち樽に酒を注いでいく
(入れましたらこの聖水を優しく入れて下さい。。。そうですね・・・
瓶ごと入れてから混ぜればいいですよくれぐれも優しくしてください)
「っこっこうかな?」
ゆっくりと言われて慣れない手つきで聖水を入れる
(いいでしょう・・・次は魔法石ですね、その大きな乳鉢で
少し砕きある程度くずしてから入れて下さい)
「少し砕くって事は荒くてもいいの?」
(はい大丈夫です、後で魔力注入が住みましたら魔法石は濾過しますので
荒いほうが・・・って)
ビルダが樽の上で魔法石を手のひらで押しつぶし細かく砕いていく
(乳鉢ありますよ~)
「この方が早いって♪」
っパンっパンっと手についた魔法石を樽に入れる
(もぅ、、、次は香草ですね全部軽く潰して入れて下さればいいですよ
って其処は乳鉢使うのですね・・・)
「だってこの香草潰すと手に匂いついて一日中臭いじゃない」
(はいはい)
「よし入れたわよこれでいいのかな?」
(はいこれで終わりです後は熟成ですねそうですね大凡30年寝かせれば問題無いでしょう)
「うぉい!!」
(はい?)
「30年ってなによ!私の淡い最後の希望の光が一瞬でかき消されたわ!
そんなに待ってると飲んだ事ばれて簀巻きにされて海に放り投げられた後、骨になってるわ!」
(もぅそんなに怒鳴らないで下さいよ耳がキーンなってますよキーンって)
「そら怒鳴りたくなるわよ・・・」
(解ってますって普通なら30年掛かりますけどビルダ様は祝福「錬金」があるじゃないですか
「錬金」を使用し熟成を済ませてしまいます)
「あぁ~」
(ね♪)
「無理よ」
(え?)
「だって私の「錬金」はレベルが低くて、実際に作った事の有る物、もしくは完成する物を見知っている
どちらか1つでも欠けてると出来ないわ、完成品は飲んでるからいいとして
私熟成なんてしたこと無いもの」
(そこは大丈夫です、その欠けた知識は私がビルダ様とリンクして情報を促しながら作業をします
言わば「情報技術」と「錬金」複合スキルです!ビルダ様の今の魔力量なら可能でしょう)
「マジで!?」
(たぶん)
「何よたぶんって・・・」
(流石に複合スキルは私も未知数ですから・・・でも出来ると思いますよ?)
「わかったは、、、ここでグダグダ言ってても話が進みないものね・・・やるしかないわね」
(では樽に蓋をして横に寝かせてくださっ
あ、少しでも成功率上げるために魔法陣も書きましょう)
「む~っ面倒くさいな」
(まぁそう言わずに。。。ビルダ様は地属性詠唱省略がありますから
地に属する時空系の詠唱文字割愛もしていいでしょうし早く済みますって
30年が1時間程で済むのですからケチらずいきましょう)
「はいはい・・・でどんな陣描くのよ」
(そうですね、ビルダ様は地属性に長けてますからまず上級地精霊か神の依代式術で
御協力を賜るのが宜しいかと)
「ふむふむなら地脈から道を作る必要もあるわね」
(そうですね、後は「錬金」による時の干渉でバグが出ないよう防衛をしなければいけませんね)
「なによバグって?」
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「たはぁ~描けたぁぁああああああ!!」
完成したと同時にビルダが飛び上がりガッツポーズで窓に向かってシャアアアアァァァっと奇声をあげる
(フムフム。。。地母神マーラーの召喚式術に依代の紋章
外円陣にかけて地脈からの集める方式も綺麗に描けてます
私が教えた時の干渉による歪を塞ぐ防衛陣も問題ありません
ホントに魔法知識はあるんですね)
「そうよ私の人生は魔法だけに注いできたと言っても過言じゃ無いわ!これくらいは出来なくっちゃ」
(これなら問題無いでしょう絶対成功します!)
「よし!!じゃハジメヨハジメヨ」
(でも何という神様を召喚するんですか・・・)
「何でもいいって言ったでしょいいじゃない」
いそいそと魔法陣中央に樽を横に寝かせ準備を始める
「まずは召喚よね」
(はい地脈から魔力を吸い上げて召喚を依代に定着すれば「錬金」の準備が完成です
陣に魔力を注ぐとすぐ召喚されますので契約と)
「わかったわ」
ビルダが陣に魔力を注ぐとゆっくりと淡く光り初めゆき朱い蒸気が前中央の召喚式術に
弧を描きながら集まってくる
円球状に蒸気が集まり安定していくと・・・『ボフンっ』と小さな音ともに
スラリとした朱い肌に血管がドクドクと脈打ちながら頭の方から白いモヤモヤとしながら
何かしら出てるようだがよく見えないのである
「(あちゃ~)」
まるでヤギの眼になったビルダとヒップスは神を見た後顔を(やっちゃったね・・・)っと目配せをする
『ワシヲショウカンシタノハワレカ』
「え・・・ええっそうよ私よ、我ビルダが願わくば・・・」
『ホウサケカ サケハ エエノ ドワーフノサケカ』
『オオ エーテル ワシモスキナサケジャ アレハヨキモノジャ』
『アレハ イツダッタカノ ハジメテ テニシタノハ』
『マダ カワモカブットッタ チイサナ コロダッタカラノ』
『ソレガ コンナニモ オオキク ソビエタッテ キテナ・・・』
「もぅ五月蝿いわねエロオヤジ!集中出来ないじゃないの」
(流石マーラー様ナチュラルでモザイク掛かってるだけはありますね)
『ムゥ・・・』
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「やった出来たわ「錬金」での熟成が」
(おめでとうございます♪ビルダ様)
『ウム ヨクガンバッタノ デハホウシュウヲ イタダイテ イコウカノォ』
「(へ?)」
ボフンっ
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「あぁ~無理よ私には難しすぎるわパァ~って一気に魔力注ぐならいいけど
ゆっくり入れながら留めるってのが難しすぎるぅ~」
(ああ、もぅ地団駄踏まないで下さいよ酒が溢れるじゃないですか
もぅ残り少ないんですよ・・・)
「マーラーなんか召喚するんじゃ無かったわ!
カーリーなら代償なんて盗られなかったのに・・・あの◯◯◯変態オヤジめ!
樽の酒殆ど持っていきやがったわ!」
(天使の取り分ならぬ神の取り分って奴ですかね・・・
だから紋章が描きやすいからって酒好きな神様を選んだビルダ様が悪いんでしょうに)
「もぅ~何かコツ無いの?こうビン越しにあるお酒に魔力を注ぐってのが難しいのよね・・・」
(なら直で接触すればどうですか?)
「ん?」
(直で触れば魔力を注ぐのが楽かと?)
「直で触ったお酒なんか飲みたくないじゃない」
(誰も完成したらコッソリ返すだけなんですから飲む必要も無いでしょうに)
「ああ~」
ウンウンと頷くヒップスと嫌らしい程ニヤつくビルダが其処に居た。。。
次話は4月22日投稿予定です