●第4話 城下町ガイア
旧版の名残です
後で編集します
「さて何処へ行きましょうか
お肉ですよね…バッカス酒場の溶岩焼きにでも行きますか?」
「流石ビルダは僕の好みを解ってるね~」
食事の場所を探しながら街中歩くビルダ達を城下町の人達が見つけると少し距離は取りつつも
ミロク達に向かって笑顔で大きく手を振りそれに気づいたビルダとミロクが
軽く手を振り返しながら目的地へと向かう…
「相変わらずミロクお兄様の人気は凄いわよね
私が歩いてたってこんなに名前を呼ばれたり、手を振られたりすることはありませんわ
まるでここの国王様はミロクお兄様ね」
「軽々しく言うものじゃないよ曲がりなりにも僕も王子だよ~
そんな発言するだけでも反逆罪だとピリピリしちゃう文官も居るのだから
ビルダだって僕の祝福を継承してるのだから条件は同じだよ」
「まぁ謙遜して…天然と養殖では出来が全然違いますわよもぅ
確かにミロクお兄様が牢獄生活なんて…
私のぷにぷにが無くなるなんて耐えられません失言でしたわ」
横っ腹モミモミしながら悲しそうにミロクに上目遣いするビルダ
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ここはビルダ達が住むワッグスが統治するルクサーヌ城の城下町ガイア
人口は約7万8千人、ドワーフ族が9割を占めし残り1割は他国より来訪し住み着いた商人達である
標高は6000m、年中雪が降り積もる極寒の山脈麓から入れる大洞窟の奥に
1000年もの間、住処としていた火竜を400年前に初代女王ルクサーヌが討伐し
その時に得た秘宝『三つなりの満月』に魅了され
ルクサーヌ女王はここガイアに城を設け国を作ったとされる
当初、東にあった唯一入り口であった高さ15m幅40mの開口を高さ80m幅1800m南に掛けて
ルクサーヌ女王はアダマンタイトのハンマーで叩き割り広げ
たった3ヶ月で洞窟内に1万人以上もの居住エリアを設けたという逸話がある
その名残からガイアには洞窟最奥に建つルクサーヌ城を、洞窟開口部を囲む様に
さらに洞窟外へと広がる城下町を囲む様、各々に城壁が存在し三つの堅牢な壁に守られているのである
ルクサーヌ城壁を囲む堀には鍛冶場へと流れる溶岩の小川から得た熱で
雪解けの熱湯が流れて込まれており配管を熱湯が伝い城下町へと送られて居るため
年中極寒の地であるにも関わらず
街中であれば薄着でも外へ歩ける程の暖が得られている
洞窟天井の南側には大きな採光に利用されている直径100mにもなる超巨大な円柱状の水晶が三つ
洞窟から山側へと突き刺さる様に並び設けられ昼は太陽の恵みから明かりを得て
夜は流れる溶岩から淡く力強い光を受けている
治安も良く、ワッグス商会が国外から十分な程の外貨と衣・食糧を供給している為
ドワーフ達は繁栄と子宝にも恵まれ
他国の来訪者は可也厳しい制限を課してるいるのにも関わらず今も居住者が増え
今もガイアは成長しているのである
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「「「「「かんぱ~い!!」」」」」
「さぁ皆飲んでお祝いしてくれビルダが成人したんだ今日はミロクが取り持つ盛大に祝おう~」
店に入るなや否や、出来上がった酔っぱらい達に酒を振りまい始めるミロク
「よっ!ミロク様太っ腹!」
「おめでとうビルダ」
「これで心置きなく飲めるなビルダ」
「何言ってんだいビルダは前からも堂々と飲んでてたじゃないか」
「そうだったな」「「がっはっはっはっは」」
「うぅ何で私は呼び捨てなんでしょ…これでも王女よ王女」
「まぁ~まぁ~ビルダ成人おめでとう~」
「有難うございますミロクお兄様」
改めて二人で乾杯しなおすと目当ての溶岩焼きが運ばれてくる
溶岩焼きは断熱土を器にミスリルがコーティングされその中に少量の溶岩を流し
岩盤を浮かべたガイア名物である
ちなみにワッグス商会がここ先代バッカス王が築いた酒場にのみ機具を卸している
岩盤の上にはガイアで酪農されているマッモスの肉を5cm厚切りステーキにして
レアというよりは表面だけ焼いた生の状態でテーブル出され後は好みの焼き加減まで
じっくり火を通すスタイルだ
「うんめえぇぇぇ~」
「おふっっっほぼ生でいかれますのねお兄様は」
ミロクがマッモスの肉をほうばり最中
チビチビと盃に口にしながら脇役の蒸し野菜をつつく
「僕はレアでもウエルダンでも何でもいいんだよ~ほっふっほふ
ぐっびぐびプハ~~~お姉さん溶岩焼きおかわり~」
追加オーダーをしつつ次の皿に片手を伸ばしながらと器用に肉を口に運んでいる
「もぅはしたないですよお兄様、口から色んな物が溢れてますわ」
ナプキンで拭いてあげながら軽いため息をこぼしながらも健気にお世話をする
翌日ミロクのせいでビルダが成人記念にマッモス一頭食いをしたとの噂が流れとも知らず
ビルダとミロクの宴は夜な夜な続くのであった…