異世界男女戯れ合い録 ①性的興奮
私はソフィア・ソフィー 16歳女子。国立大学校魔法学科閃光部に所属している魔法使いの卵。
現在私は朝から長時間にわたる魔法の座学と実習を終えて女子寮の1人部屋でぐったりとベッドに横たわっていた。
コンコン!
窓を叩く音が聞こえたので私は立ち上がって窓を開けてやった。
「よう! ソフィア」
「こんばんは。いったい今日は何のようかしら? 」
窓を開けた途端、男が勢いよく入ってきた。彼がこうして部屋に来るのは初めてことでも珍しいことでもなかった。
「また授業で分かんないことがあってさ教えてもらおうかと思って」
「いいわよ。なにかしら? 」
「女を性的に興奮させるにはどうした……らっ!?」
カッ!!
部屋の窓から暗闇を切り裂くように光線が発射された。
「い、いきなり、なななんてこと、口走っているのよ!? あなたは!」
「今日の授業で言われたことなんだよ!! それに突然閃光魔法を撃つのはやめろって言ってるだろ! ……あー目が開かねえ」
私だって別の意味の目眩がしている。いったい彼の授業はどうなっているだろう。そういえば彼のクラスは運動に特化した所だから男子しかいないんだっけ。
「分かりませんって正直に答えたら、あいつら全員で俺を笑いやがったんだよ! だから頼む! 見返してやりたいんだ」
「いやよ」
土下座で頼んできた彼に対して即答だった。
「そんなっ?! 」
「なんで私がそんなこと教えなくちゃいけないのよ…………だいたい他にも教えてくれそうな人がいるでしょ」
「女子でこんなこと頼れるのはお前だけなんだよ! お願いだ!」
ああもうこの筋肉バカは。どうして……
「うるさい……分かったから教えるわよ」
『お前だけ』そんな言葉だけで不覚にも顔が赤くなってしまった。
「いい? 性的興奮の要因っていっても一人一人違うからそこを抑えないとだめよ」
「ふむふむ。確かフェチとか言ってたような気がする」
ああもう! なにいってるんだ私は。
真夜中に男女2人っきりで性について教えるなんてこんな辱しめを人生の中で受けてきたことがあっただろうか。
「そうか。じゃあソフィアは何で興奮するんだ?」
「まっ待ちなさいよ! なんで私個人の話になってるわけ?!」
「えーいいじゃん。参考になりそうだし教えてくれよ」
そりゃあ私だってないわけじゃないけど……鍛えた胸元とか、整った鎖骨とか、細長くてきれいな指先とか、ネクタイを緩める仕草とか、いろいろある…………って!? これじゃ私、変態みたいじゃない!
淫らな自分を思い描いてさらに顔の温度が上がった。
「ひとつだけでいいから! ソフィアが一番興奮するものだけでいいから!! 」
なんであなたはそんなにノリノリなのよ!
1人で悶々としてる私のほうが節度のない女みたいじゃない!
「……す……することよ」
「え? なに? 聞こえなかった」
「キスすることよ! 」
ぷるぷると真っ赤に震えながら自分の羞恥を大声で晒していく光景はもはや一種のプレイである。
この男は自分のことが好きな女にここまで言わせているという自覚はあるのだろうか……絶対ないでしょうね、この鈍感。
「女はキスするだけで興奮できんのか〜」
「んなわけないでしょ! 好きでもないやつとやっても気持ち悪いだけだし。それに好きな人でも、その場の雰囲気とか色々考慮した上でのことよ! 」
なに力説してるんだろう私は。彼はきっとお礼を言っていつも通りに去ってしまうだろう。
とりあえず授業で発表する時に匿名にすることだけは釘さしておかないと。
「……じゃあ、もしいま俺がお前とキスしたら興奮する? 」
「へ……?」
この恥ずかしい個人授業も終わりだと思った矢先に彼はとんでもないことを言い出した。
そして少しずつ近づいてくる彼はじっとこちらを見つめていた、たまらず私は目をそらしてしまう。
「…………ななにかしら? さてはもう実践したくなったのかしら?」
軽いジョークだろう。そう思った。
「うん。ソフィアどうなの? 興奮する?」
彼はついに私の肩に両手を置いた。触れる距離まで近づいたことで男のフェロモンが嗅覚を刺激する。
……どうやら冗談ではないらしい。
「たっためしてみる……?」
私は意を決して斜め上を向き、眼をつぶった。
「あっ……んっ……」
初めてのキスは柔らかくて、甘酸っぱい味がした。
「…………」
さすがの鈍い彼でも顔が赤くなって黙っている。
__だから私は。
「ねえ……キスの続きしてって言ったら……ひいちゃう……?」
……このあとめちゃくちゃ(ry
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